123 / 409
第七章
七話 【強襲】
しおりを挟む
宝箱が現れ、モモが開けると中には青白く光るチェーンメイルが入っていた。
ダンジョン産だろう鎖帷子は、何かしらの魔法が付与されている様だった。
バオに聞くも、それどころでは無い様子。
「惣一郎! おかしいのです! 魔法の威力が上がっている!」
コクコク!
コレで杖作ったら、また化け物の完成かな……
奥の階段を降りて行き魔法陣の場所を過ぎると、寒さも和らいぎ、防寒着を脱ぐ。
バオ達は返却を渋るが、最後には諦めて返してもらった。
三階層に着く。
鼻をつく匂いが漂う広い洞窟の様だった。
所々に、体に悪そうな色の水溜りが出来ており、ブクブクと泡立って鼻を刺す匂いを撒き散らしていた。
「この階層は、長居すると体を壊す。先を急ぎましょう!」
有毒なのかな?
防毒マスクを人数分購入、犬用は無かった……
みんなに配り、付け方を教える。
クロにはまめに、キュアをかけよう。
モモのサーチで確認しながら進むと、カサカサ音が聞こえて来る。
段々と近づく音の正体が、一気に襲い掛かって来る。
現れた郵便ポスト並みの大きな赤いネズミの大群は、牙を剥き出し、噛みつこうと惣一郎の前で飛び跳ねる。
背後からモモの槍が惣一郎の顔のすぐ横を通り、ネズミを刺し落とす。
ベンゾウもすでに小刀で、他のネズミを両断していた。
遅れた惣一郎が4本のククリ刀を投げ置き、印を結ぶと、音を立て円盤が飛び立つ。
バオもビルゲンもさっきのボス戦で、魔力が足らなくなり、杖と弓を振り回す。
惣一郎の結界が範囲を広げ、バオ達は息をつくがネズミの勢いは収まらない!
ラッセル車の様に進む惣一郎。
円盤が回転を早め、ネズミを両断すると2個、3個と宝箱が出現するが、開けてる余裕が無い!
そのまま収納して後で確認しよう。
ベンゾウ達を今のうちに休ませ、惣一郎が魔力を振り絞って、結界を維持し続ける。
バオ達の魔力の回復までは見込めないが、息を整える時間は作れるだろう……
流石に惣一郎にも頭痛がしはじめ、円盤が勢いを無くす。
「ベンゾォォウ!」
円盤が力無く落ちると、ベンゾウとモモが前後に分かれ、斬りつけ、刺しまくるが、ネズミの物量に押されて行く。
倒したネズミがそのまま消えて行くのが救いであった。
激しい頭痛のする惣一郎は、ネットでネズミ用の忌避剤を買い慌てて噴射すると、ネズミの嫌がる匂いを撒き散らしす。
蜘蛛の子散らす様にネズミが逃げて行き、全員が安堵のため息を漏らす。
「凄い量だな…… ありゃ無理だわ」
「ベンゾウ、ハァハァ…… まだ戦える」
「もう……無理…です… ハァハァ」
「すまん惣一郎、魔力が……」
コクコク……
クゥ~ン(すまぬ、何も出来なかった……)
休まないと……
宝箱は全部で12個も出たが、何故か収納出来たのは7つだけだった。
惣一郎はスプレー撒きながら、前に重い足を出す。
バオの話では、この階層には[キャビック]と言うネズミしか出ないそうだが、こんな数は初めてで聞いたことも無いそうだ。
コレでは普通の冒険者では進めないだろう。
モモの案内で、近くの安全地帯を探す。
行き止まりの隅でテントを出して、周りに水で焚く忌避剤を置く。
一先ず回復を!っと、全員ベッドに倒れこむ。
惣一郎が目を覚ますと、バオとビルゲンが先に起きていた。
震えるビルゲンをバオが心配している。
「大丈夫か?」
「ええ、彼女の魔力が今、共鳴しているだけなので、少しすれば落ち着きます」
何のこっちゃ分からんが、心配は無いって事か?
それならと惣一郎は黙って食事の準備をする。
大分魔力は戻った様だった……
ダンジョン産だろう鎖帷子は、何かしらの魔法が付与されている様だった。
バオに聞くも、それどころでは無い様子。
「惣一郎! おかしいのです! 魔法の威力が上がっている!」
コクコク!
コレで杖作ったら、また化け物の完成かな……
奥の階段を降りて行き魔法陣の場所を過ぎると、寒さも和らいぎ、防寒着を脱ぐ。
バオ達は返却を渋るが、最後には諦めて返してもらった。
三階層に着く。
鼻をつく匂いが漂う広い洞窟の様だった。
所々に、体に悪そうな色の水溜りが出来ており、ブクブクと泡立って鼻を刺す匂いを撒き散らしていた。
「この階層は、長居すると体を壊す。先を急ぎましょう!」
有毒なのかな?
防毒マスクを人数分購入、犬用は無かった……
みんなに配り、付け方を教える。
クロにはまめに、キュアをかけよう。
モモのサーチで確認しながら進むと、カサカサ音が聞こえて来る。
段々と近づく音の正体が、一気に襲い掛かって来る。
現れた郵便ポスト並みの大きな赤いネズミの大群は、牙を剥き出し、噛みつこうと惣一郎の前で飛び跳ねる。
背後からモモの槍が惣一郎の顔のすぐ横を通り、ネズミを刺し落とす。
ベンゾウもすでに小刀で、他のネズミを両断していた。
遅れた惣一郎が4本のククリ刀を投げ置き、印を結ぶと、音を立て円盤が飛び立つ。
バオもビルゲンもさっきのボス戦で、魔力が足らなくなり、杖と弓を振り回す。
惣一郎の結界が範囲を広げ、バオ達は息をつくがネズミの勢いは収まらない!
ラッセル車の様に進む惣一郎。
円盤が回転を早め、ネズミを両断すると2個、3個と宝箱が出現するが、開けてる余裕が無い!
そのまま収納して後で確認しよう。
ベンゾウ達を今のうちに休ませ、惣一郎が魔力を振り絞って、結界を維持し続ける。
バオ達の魔力の回復までは見込めないが、息を整える時間は作れるだろう……
流石に惣一郎にも頭痛がしはじめ、円盤が勢いを無くす。
「ベンゾォォウ!」
円盤が力無く落ちると、ベンゾウとモモが前後に分かれ、斬りつけ、刺しまくるが、ネズミの物量に押されて行く。
倒したネズミがそのまま消えて行くのが救いであった。
激しい頭痛のする惣一郎は、ネットでネズミ用の忌避剤を買い慌てて噴射すると、ネズミの嫌がる匂いを撒き散らしす。
蜘蛛の子散らす様にネズミが逃げて行き、全員が安堵のため息を漏らす。
「凄い量だな…… ありゃ無理だわ」
「ベンゾウ、ハァハァ…… まだ戦える」
「もう……無理…です… ハァハァ」
「すまん惣一郎、魔力が……」
コクコク……
クゥ~ン(すまぬ、何も出来なかった……)
休まないと……
宝箱は全部で12個も出たが、何故か収納出来たのは7つだけだった。
惣一郎はスプレー撒きながら、前に重い足を出す。
バオの話では、この階層には[キャビック]と言うネズミしか出ないそうだが、こんな数は初めてで聞いたことも無いそうだ。
コレでは普通の冒険者では進めないだろう。
モモの案内で、近くの安全地帯を探す。
行き止まりの隅でテントを出して、周りに水で焚く忌避剤を置く。
一先ず回復を!っと、全員ベッドに倒れこむ。
惣一郎が目を覚ますと、バオとビルゲンが先に起きていた。
震えるビルゲンをバオが心配している。
「大丈夫か?」
「ええ、彼女の魔力が今、共鳴しているだけなので、少しすれば落ち着きます」
何のこっちゃ分からんが、心配は無いって事か?
それならと惣一郎は黙って食事の準備をする。
大分魔力は戻った様だった……
24
お気に入りに追加
1,858
あなたにおすすめの小説
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる