異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

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第七章

五話 【大魔導士】

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雪と来ればファルネリかな?

歩きながら惣一郎は、周りを囲む気配の主を予想していた。

暗く光が届かない場所から、姿を見せる白いゴリラは、徐々に距離を詰め惣一郎達に近付いて来る。

ざっと30匹弱はいそうだった。

惣一郎はククリ刀を4つ出して印を結び、円盤が5人と1匹の周りを回り出すと、驚くバオとビルゲンは思わず足を止める。

「な、なんですかコレは!」

惣一郎も止まって、呪羅流眠を構え集中する。

円盤は回転数をあげ、近づくファルネリを次々と両断していく。

夜で暗い色のククリ刀が見えづらいのか、ゴリラ達も仲間がバラバラになる理由がわからない様で、距離を置き止まる。

だが、惣一郎の結界の範囲が広がってバラバラと崩れ倒れていく。

白いゴリラが見えづらいとか、関係ない結界だった。

あっという間にファルネリの数が減り、異常な光景に残りの数匹が逃げ去る。

円盤は速度を落として、ふわふわと惣一郎の周りを漂う。

声を失うバオに、何故か誇らしげなベンゾウだった。

モモがバオに、そっとつぶやく。

「惣一郎様……を…普通と思っては……身が持ちませんよ」

ビルゲンの目には憧れの大魔導士に映るのか、キラキラした目で惣一郎を見ていた。



雪の中を奥へと進んで行く。

その後も、何度かファルネリの強襲を受けるが、出しっぱなしの円盤に近づく事も出来ず、倒れて行く。


そんな中、ファルネリが消えた跡に宝箱が現れた。

モモが開けると、小瓶が入っていた。

「コレは……惣一郎様……回復薬です!」

当たりの様だった。

「惣一郎……」

バオが真剣な顔で話しかけて来る。

欲しいとかかな?

「惣一郎、貴方の魔力はどうなってるんだ! その魔法、ずっと使い続けてるじゃ無いか!」

そっちか!

「いや、毎回出すのが面倒で……」

………

ビルゲンの目が憧れから、♡に代わっていた。



雪が降って来た、何処からかは聞いたら負けの様で、不思議な現象に惣一郎だけが納得いかなかった。

小さな星を頼りに、雪が積もる林の中に入って行く。

そもそも雪が降っているのに星が見えるのもおかしい!

なぜ誰もツッコまないのか……



ファルネリの襲撃も落ち着き、林の中を進む。

バオがうるさいので、円盤は仕舞った。

少し進むと今度は、グルピーが三匹現れる。

しかも一匹は白い!

「ベンゾウ!」

すぐさま銀の閃光が走り、スルスルと三匹の攻撃を躱しながらすり抜ける!

手には妖しく光る2本の小刀が握られている。

三匹ともゆっくりと首が落ち、体もそれを追いかける様に前に崩れ落ちる。

「でかした! あっ……」

忘れていた様だ。

ここがダンジョンなのだと……

消えていく白いグルピー。

ああああ~っと惣一郎の声が、雪に吸収されていく……





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