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第六章
十三話 【プロにお任せ!】
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惣一郎はネットスキルで、モモの装備を検索していた。
防弾盾はもちろん、槍まで普通に売っているのに驚く。
防弾で軽量のポリカーボネートの片手用の盾と、真田幸村愛槍のレプリカ、千鳥十文字槍を購入。
レプリカと言っても刀匠により、本格的に作られた逸品であった。
惣一郎はダンジョンへの思いから、明日にでもガーデイルの街を目指そうと考える。
朝、朝食を済ませ、ガーデイルへ行くついでに依頼があればと、出発前にギルドへと向かう。
ギルドは相変わらず暇な冒険者の溜まり場になっているのか、朝早いにも関わらず賑わいを見せていた。
掲示板で依頼を確認するが、討伐依頼や護衛任務がほとんどであったので、受付へ行き、運搬依頼があるか確認する。
すると2件の依頼があった。
ガーデイルまで荷車4台分の資材運搬、200ギー現地払い。
ガーデイルまで荷車12台分の鋼材運搬、800ギー現地払い。
どちらも[ユチャン]と言う商人からの依頼であった。
最近はアイテムボックススキルも気にせず使っているし、この際自重はやめ、まとめて受けようと受付に話す。
『ダンジョン産のマジックバッグだ』とか『特別なスキル』っと、言い訳は色々出来そうと軽く考えていたからだ。
惣一郎達も冒険者として名も売れて来たし、無茶な囲い込みもないだろうと……
町の西側にある大きな建物を案内され、ユチャンと言う商人を訪ねる。
現れたのは体の大きな顔に傷のある太った年配の男であった。
名前からはイメージ出来ないこのユチャンに、依頼書を見せ運搬依頼を受ける旨を伝えるが、「大事な商品だお前らじゃ無理だ!」っと断られる。
「問題は運べるか運べないかですよね?」
「信頼して任せられるかだ、若造!」
「じゃ信頼して下さい。後悔はさせませんので」
フン!
鼻で笑うユチャンは、量を見れば惣一郎も諦めると思ったのだろう、近くの倉庫に案内され、運搬する荷物を前に、
「これ全部だぞ、お前らだけでどうする気だ」
っと腕を組み、睨みつける。
惣一郎はその場で、積荷の全てを収納してみせる。
「なっ、どこやった!」
「マジックバッグより有能な、ユニークスキルです。私はこのスキルで輸送しながら旅をしているプロです、信頼してもらえないなら戻しますが、依頼はどうされますか?」
驚くユチャンは手のひら返しで態度を変え、依頼をお願いして来た。
中々依頼を受ける者もいなかったのだろう……
契約書を交わし、ガーデイルにいる兄[ミチャン]と言う商人に届ける事になる。
惣一郎達はそのまま街を出て、東にあるシマワの森の先にあるガーデイルの街を目指す!
街を出るとモモに昨夜買った装備を渡す。
槍の美しさに言葉を失うモモは、荷台でずっと眺めていた。
木々が点々と立つ草原をクロの荷車で進む。
徐々に木が増えていき、早くもシマワの森に入る。
薄暗く不気味な森は、次第に木々が高さを増し、エリリンテで見たハイオークの森に似ていた。
緑の世界に入った惣一郎達は、木の根が蔓延る地面で荷車は使えないと、歩いて東を目指す。
ベンゾウはシュタシュタと飛び跳ね、クロと戯れ合いながら進む。
あの体力はどこから来るのだろうか……
しばらく進むと目の前を、4匹のギュノが通り過ぎる。
こちらに見向きもせずに奥へと消えていく、何かから逃げている様だった。
ベンゾウがピタっと止まり、クロと同じ方角を見つめる。
やっぱ何か来るのか……
すると仮面をかぶった手の長い猿の様な生き物が3匹現れ、こちらを伺う。
また獣人の類いかな……
防弾盾はもちろん、槍まで普通に売っているのに驚く。
防弾で軽量のポリカーボネートの片手用の盾と、真田幸村愛槍のレプリカ、千鳥十文字槍を購入。
レプリカと言っても刀匠により、本格的に作られた逸品であった。
惣一郎はダンジョンへの思いから、明日にでもガーデイルの街を目指そうと考える。
朝、朝食を済ませ、ガーデイルへ行くついでに依頼があればと、出発前にギルドへと向かう。
ギルドは相変わらず暇な冒険者の溜まり場になっているのか、朝早いにも関わらず賑わいを見せていた。
掲示板で依頼を確認するが、討伐依頼や護衛任務がほとんどであったので、受付へ行き、運搬依頼があるか確認する。
すると2件の依頼があった。
ガーデイルまで荷車4台分の資材運搬、200ギー現地払い。
ガーデイルまで荷車12台分の鋼材運搬、800ギー現地払い。
どちらも[ユチャン]と言う商人からの依頼であった。
最近はアイテムボックススキルも気にせず使っているし、この際自重はやめ、まとめて受けようと受付に話す。
『ダンジョン産のマジックバッグだ』とか『特別なスキル』っと、言い訳は色々出来そうと軽く考えていたからだ。
惣一郎達も冒険者として名も売れて来たし、無茶な囲い込みもないだろうと……
町の西側にある大きな建物を案内され、ユチャンと言う商人を訪ねる。
現れたのは体の大きな顔に傷のある太った年配の男であった。
名前からはイメージ出来ないこのユチャンに、依頼書を見せ運搬依頼を受ける旨を伝えるが、「大事な商品だお前らじゃ無理だ!」っと断られる。
「問題は運べるか運べないかですよね?」
「信頼して任せられるかだ、若造!」
「じゃ信頼して下さい。後悔はさせませんので」
フン!
鼻で笑うユチャンは、量を見れば惣一郎も諦めると思ったのだろう、近くの倉庫に案内され、運搬する荷物を前に、
「これ全部だぞ、お前らだけでどうする気だ」
っと腕を組み、睨みつける。
惣一郎はその場で、積荷の全てを収納してみせる。
「なっ、どこやった!」
「マジックバッグより有能な、ユニークスキルです。私はこのスキルで輸送しながら旅をしているプロです、信頼してもらえないなら戻しますが、依頼はどうされますか?」
驚くユチャンは手のひら返しで態度を変え、依頼をお願いして来た。
中々依頼を受ける者もいなかったのだろう……
契約書を交わし、ガーデイルにいる兄[ミチャン]と言う商人に届ける事になる。
惣一郎達はそのまま街を出て、東にあるシマワの森の先にあるガーデイルの街を目指す!
街を出るとモモに昨夜買った装備を渡す。
槍の美しさに言葉を失うモモは、荷台でずっと眺めていた。
木々が点々と立つ草原をクロの荷車で進む。
徐々に木が増えていき、早くもシマワの森に入る。
薄暗く不気味な森は、次第に木々が高さを増し、エリリンテで見たハイオークの森に似ていた。
緑の世界に入った惣一郎達は、木の根が蔓延る地面で荷車は使えないと、歩いて東を目指す。
ベンゾウはシュタシュタと飛び跳ね、クロと戯れ合いながら進む。
あの体力はどこから来るのだろうか……
しばらく進むと目の前を、4匹のギュノが通り過ぎる。
こちらに見向きもせずに奥へと消えていく、何かから逃げている様だった。
ベンゾウがピタっと止まり、クロと同じ方角を見つめる。
やっぱ何か来るのか……
すると仮面をかぶった手の長い猿の様な生き物が3匹現れ、こちらを伺う。
また獣人の類いかな……
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