89 / 409
第六章
二話 【目撃者!】
しおりを挟む
「よそ者が舐めやがって!」
惣一郎に的を変えた床の連れは、ナイフを出すと躊躇わずに襲い掛かる!
すでに呪羅流眠を持つ惣一郎は動じる事なく、近くの椅子に印を結ぶと椅子が飛び、床が増え、ギルド職員が今さら騒ぎ出す。
足元で転がる男ふたりを無視して、職員に怒られている惣一郎は暴れた事より壊した椅子の弁償を求められ、渋々5ネルを支払う。
なんで俺が……
ベンゾウはケラケラ笑っていた…… コイツ。
これ以上の騒ぎは御免とギルドを出る。
妙な視線を感じながら道具屋などの店を見て回ると、ここにも魔導書店があった。
もはや魔法より、ギャンブル要素を楽しみに惣一郎は店に入る。
カウンターには人がおらず、黒板にお品書きだけが置かれていた。
クリーン
ドライ
ウインドカッター
っと、残念な品数だった。
そこに箱を持った若い娘が入って来て「お客さん?」っと、何故か驚く。
「ごめんなさい。今、品薄でして……」
店員だった娘は箱をカウンターに置くと暇で退屈してたのか、お茶を出し色々と話し始める。
惣一郎がエリリンテから来たと知ると、世間話は更に加速する。
良く喋る子だった……
あまり為になる情報は無かったが、北からの仕入れが今入らないそうで、東の街からの物流しか無いらしく、魔導書などが入って来ない状況ぐらいは聞けた。
エリリンテへ昔渡った祖父が祖母と知り合った話の辺りで、惣一郎はやや強引に話を切り上げ店を出る。
また妙な視線を感じる。
魔導書店を出てから少し歩くと、ギルドで絡んできた床だったふたりが起きたのか、仲間を増やして懲りずに惣一郎にまた絡んで来る。
溜め息を深く吐き「まだ何か?」と尋ねる。
「へへへ、さっきは油断したが今度はそうはいかないぜ」
自信の元は連れてきた大男だろう。
惣一郎はうんざりしながら、ベンゾウを見る。
「こわい~ ご主人様」ケラケラケラ。
まぁコイツに頼むと、腕ぐらいは切り落としかねないと諦めて、アイテムボックスから杖と鉄球を取り出す。
直径10cmの鉄球を二つ地面に投げ置き印を結ぶと、惣一郎の周りをふわふわ浮き出す。
床だったふたりと大男が刃物を出し構え、床男Aが奇声をあげ襲い掛かると、腹に鉄球をめり込ませ地面の一部になる。
驚く床男Bが慌ててナイフで切り掛かって来るが、二個目の鉄球がこちらも腹にめり込み、地面になる。
驚く大男は、剣を前に構え鉄球を警戒する。
流石に地面の2人よりは出来そうだ……
だが、鉄球が大男に飛んでいくと剣で受けるも、その剣が折れ、そのまま腹にめり込み大男もゆっくりと地面に帰っていく。
裏切らない結果だった。
便利なテレキシスの魔法に感動しながら惣一郎は、何も無かった様に歩き出す、妙な視線を連れたまま……
橋を渡り、北地区の宿へ戻ろうと向かっていると、やっと視線の主が話しかけて来た。
「頼む 仲間 助けて」
そこには、青灰色の肌にズボンを履き魚顔で、子供ぐらいの背丈のマーマンが立っていた。
「あんた 強い 仲間 助けて」
更に深く溜め息を吐く惣一郎だった……
惣一郎に的を変えた床の連れは、ナイフを出すと躊躇わずに襲い掛かる!
すでに呪羅流眠を持つ惣一郎は動じる事なく、近くの椅子に印を結ぶと椅子が飛び、床が増え、ギルド職員が今さら騒ぎ出す。
足元で転がる男ふたりを無視して、職員に怒られている惣一郎は暴れた事より壊した椅子の弁償を求められ、渋々5ネルを支払う。
なんで俺が……
ベンゾウはケラケラ笑っていた…… コイツ。
これ以上の騒ぎは御免とギルドを出る。
妙な視線を感じながら道具屋などの店を見て回ると、ここにも魔導書店があった。
もはや魔法より、ギャンブル要素を楽しみに惣一郎は店に入る。
カウンターには人がおらず、黒板にお品書きだけが置かれていた。
クリーン
ドライ
ウインドカッター
っと、残念な品数だった。
そこに箱を持った若い娘が入って来て「お客さん?」っと、何故か驚く。
「ごめんなさい。今、品薄でして……」
店員だった娘は箱をカウンターに置くと暇で退屈してたのか、お茶を出し色々と話し始める。
惣一郎がエリリンテから来たと知ると、世間話は更に加速する。
良く喋る子だった……
あまり為になる情報は無かったが、北からの仕入れが今入らないそうで、東の街からの物流しか無いらしく、魔導書などが入って来ない状況ぐらいは聞けた。
エリリンテへ昔渡った祖父が祖母と知り合った話の辺りで、惣一郎はやや強引に話を切り上げ店を出る。
また妙な視線を感じる。
魔導書店を出てから少し歩くと、ギルドで絡んできた床だったふたりが起きたのか、仲間を増やして懲りずに惣一郎にまた絡んで来る。
溜め息を深く吐き「まだ何か?」と尋ねる。
「へへへ、さっきは油断したが今度はそうはいかないぜ」
自信の元は連れてきた大男だろう。
惣一郎はうんざりしながら、ベンゾウを見る。
「こわい~ ご主人様」ケラケラケラ。
まぁコイツに頼むと、腕ぐらいは切り落としかねないと諦めて、アイテムボックスから杖と鉄球を取り出す。
直径10cmの鉄球を二つ地面に投げ置き印を結ぶと、惣一郎の周りをふわふわ浮き出す。
床だったふたりと大男が刃物を出し構え、床男Aが奇声をあげ襲い掛かると、腹に鉄球をめり込ませ地面の一部になる。
驚く床男Bが慌ててナイフで切り掛かって来るが、二個目の鉄球がこちらも腹にめり込み、地面になる。
驚く大男は、剣を前に構え鉄球を警戒する。
流石に地面の2人よりは出来そうだ……
だが、鉄球が大男に飛んでいくと剣で受けるも、その剣が折れ、そのまま腹にめり込み大男もゆっくりと地面に帰っていく。
裏切らない結果だった。
便利なテレキシスの魔法に感動しながら惣一郎は、何も無かった様に歩き出す、妙な視線を連れたまま……
橋を渡り、北地区の宿へ戻ろうと向かっていると、やっと視線の主が話しかけて来た。
「頼む 仲間 助けて」
そこには、青灰色の肌にズボンを履き魚顔で、子供ぐらいの背丈のマーマンが立っていた。
「あんた 強い 仲間 助けて」
更に深く溜め息を吐く惣一郎だった……
24
お気に入りに追加
1,858
あなたにおすすめの小説
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる