異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

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第四章

三十九話 【ハイキューウ!】

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匂いを嗅ぎながら進むクロが、方向を変え走り続けると前方に黒い塊が見えた。

近づくと食い散らかされたノイテの死骸だった。

クロが止まり振り返ると、3人の顔は真っ青だった。

流石に道では無い場所をあのスピードで疾走されると、いくら性能が良い荷車でも…… 

クロはそんな事にも気付かず、褒めてと千切れんばかりに尻尾を振る。

惣一郎は荷車を降りて、精一杯作った笑顔でクロの頭を撫でる。

それにしても驚いたのはノイテのデカさだった。

半分くらい喰われていたが、それでもデカい! 

黒い牛は安月給のサラリーマンが、無理して建てた家ほどの大きさだった。

それを捕食している者がいる!

惣一郎は死骸の近くに空いた大きな穴から、大体の予想はしていた。

3人は穴の中に、今朝食べたパンケーキを土に戻すと、また荷車に乗り次のノイテを探す。

もう少し、ゆっくりでいいよ…… クロ。



匂いを嗅ぎながら、クロは遠くに黒い影を2つ見つける。

近づいても、逃げも襲っても来ないノイテは、無心で草を食べ続けている。

温厚でつぶらな瞳のノイテに惣一郎が戸惑っていると、スワロが呪羅流眠を構えてファイヤランスを唱える。

スワロの周りに赤い火が無数に浮かび、纏まって青い炎になると輪を描く様に回転しながら、小さな黒い炎に姿を変える。

黒い炎が伸びて槍の形になると、シュン!っと消えノイテの頭に直径20cmほどの穴を開け、先の地面に刺さってメラメラ燃えながら消えていく。

頭の穴の周りにもメラメラと黒い火が燃え、ゆっくり消える。

惣一郎は「何それ?」っと呆れてスワロに聞くが、スワロも驚いた顔で「何でしょう……」っと固まっていた。

この大きなノイテでは、ベンゾウの小刀じゃ厳しいかな? なんて思っていると……

「次、ベンゾウ!」っと対抗心丸出しで、ノイテの前で2刀を構え、集中するベンゾウ。

アレ? 目の錯覚か? 

國家と國千代からユラユラと、こちらも黒いオーラの様な物が見える。

次の瞬間、消えるベンゾウはノイテの上空に現れ、遅れてノイテの首から、音速を超えた時に見せるソニックウェーブの様な黒い波紋が現れ、遅れて鼓膜を破る様な音を立てる!

パン!

ベンゾウが喜びながら近づき、口をパクパク動かしているが、耳がキーンと鳴り続け、何も聞こえなかった。

するとゆっくりノイテの首が落ちる。

はぁ?

何が起こった? あの首、直径3mはあるんですけど。

その短い小刀で?

2人は想像以上に強くなってる様です……



ノイテ2体を収納すると、クロが吠え出す!

地面から振動が伝わり「来たか?」っと惣一郎も構える。

ゴゴゴっと音とともに、地面に穴を開け現れた、大きなモグラが牙を剥き、大きな鉤爪で襲い掛かる!

ノイテよりは二回りは小さいモグラは、惣一郎に襲い掛かる瞬間、首が落ち、背中には8本もの光剣が刺さっていた。

登場しただけだったこのモグラ、スワロも知らない魔獣らしい……

モグラも収納して、戻ろうと声をかける。

クロ、帰りは安全運転でよろしく。




森まで戻ってきた頃にはすっかり暗くなっていたので、お届けは明日にしてテントを出す。

クロに今日はご苦労様と、水と皿に焼いた豚肉を大量に盛る。

喜んで食べるクロ! 

夕飯は、卵とパン粉、炒めた玉ねぎと挽肉をこね薄く伸ばして焼き、バンズも焼きその上に、焼いた肉にレタス、トマト、ピクルスを乗せてチーズにケチャップとマスタードたっぷり、ハンバーガーとポテトフライにコーラです。

たまに無性にジャンクが食いたくなるのよね~ 

ベンゾウも口の周りに、ケチャップつけて夢中で食べている。

スワロはコーラに驚いていたが、どうやら気に入った様だ。

風呂を出し、お湯を足し湯船で足を伸ばす。

幸せってこんな所に! 

食後にビールとアイスでまったり、では、おやすみなさい……




翌朝、朝食をしっかり摂り、難民キャンプへ向かう。

キャンプに着くと、昨日の絡んで来たふたりがいたので捕まえて、広場にみんな集める様に脅す。

集まった人にきちんと分ける様に言い聞かせ、ノイテを2体出す。

サディーニも慌てて現れ驚いていたので、お前が平等にきちんと分けろ!っと、こっちはしっかり脅す。



火を起こし、ノイテの肉を焼いてみんなに配る。

喜ぶ子供の顔が見れただけでも、苦労した甲斐がありました。

奮発して、以前レイトールの街で買った、調味料やら野菜などの食材も置いて行く。

サディーニにもう一度、ひとり贅沢しない様にと念入りに脅して、もうすぐ厄災はいなくなるので、もう少し耐えろ!っとキャンプを後にする。

次は、前線、カーマの町を目指す。





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