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第四章
三十五話 【冷たい空】
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「たっ、大変なんだ。カハルだ! カハルの一味が来た!」
次から次へと、今度は何? カハル?
惣一郎は疲れていた。
徹夜明けで少ししか、寝ていなかったからだ。
チーム名も適当なわけだ。
この騒ぎにギルマスも、二階から降りてくる。
「何事だ!」
「カハルの一味が来たんだ! この街に来るぞ!」
ギルマスの顔色が変わる。
「すぐ町の門を閉めろ! 門から近い者は避難させるんだ! よりにもよって、こんな時に……」
カハルの一味とは、厄災によって故郷を追われた難民が、盗賊に成り下がった者達の事だった。
難民の受け入れは各地で行われていたが、景気の悪い今のこの国では、その難民の扱いにも問題が多く、一部の難民は国への不満から盗賊になり、略奪を繰り返し問題になっていた。
その中でもカハルの一味は、元冒険者や騎士達の集まりで、武力と残忍な行いで名を知られていた。
厄災の出現はこんな形でも暗い影を落としていた。
まぁ、相手が盗賊なら、惣一郎達の出番は無いだろう。
「冒険者諸君! どうやらこの街はまた、危機的状況にある。今、前線で活躍してくれていた冒険者は、前回のムカデ討伐で戦える状況にない。ここに居る諸君で、この危機を乗り越えるしか無いのだ! 奴らの中には見知った者も居るだろう、だが、奴らはもう人の道を外れた者たちだ。決して油断はするな! この街を我らで守るぞ!」
「「「 おおおおおおお! 」」」
ベンゾウも腕を上げ叫ぶ。
この子はどうしてこう、感化されやすいのか……
「惣一郎殿、他所から来た其方には申し訳ないが、この街の行く末がかかっている。もしもの時は力添えをお願いしたい」
そう言うとギルマスが深々と頭を下げると、ギルドにいる数十人の冒険者達も一斉にこちらを見る。
わざとだな…… 断れない奴じゃんコレ!
「わかったよ……」
惣一郎が了承すると、そこにいた冒険者達は、ざわざわ騒ぎだし、行けるかも、街を守るぞ! など、口々に士気を高めていた。
門の前の広場に、武装する冒険者達が集まり出す。
ギルマスが忙しそうに、配置などを指揮していた。
すると門の上にいた見張りが「来たぞ!」っと叫ぶ。
惣一郎達も興味から、3m程の壁の上に登り、敵を確認する。
「あれ、60人はいない? こっち15人じゃん」
不利な状況にも惣一郎は、出番が来そうって事に面倒臭いとぼやくだけだった。
門の向こうで馬や荷車に乗った盗賊達の中を、一台の馬車が前に出る。
中から現れた男は、ぼろ布を纏った少女を抱えていた。
「よぉ[ロウガ]久しぶりだな。今は、ギルマスなんかやってるんだってな!」
ギルマスの知り合いらしい。
街の壁の上には、ギルマスと遠距離攻撃が出来る冒険者が5名ほど立っていた。
「カハル! 落ちぶれたな、ここに何の様だ!」
「いや~ 新種の魔獣で大変だったそうじゃないか? 心配でよ~ 予定一つ飛ばして会いに来てやったぜ!」
情報は筒抜けと言う事か、もしかしたら新種が現れたのもコイツらの仕業かも知れない。
門の中には冒険者が9名、合図を待っていた。
「心配かけた様だなカハル。もう新種の件は片付いた。用はないだろう、帰れ!」
「おいおい、いいのかよ! 土産も持って来たんだぜ~ ほら!」
ボロを纏った少女を、投げ落とすカハル。
少女は耳を千切られた、ピノであった。
顔も殴られ腫れ上がり、血だらけで、生きているのかも、ここからじゃわからなかった。
「キサマーー! 攫ったのか!!」
声を荒げ、怒りをあらわにするギルマス。
合図を出すにはまだ距離があり、固く握られた拳からは血が滲んでいた。
惣一郎は壁を飛び降り、状況が分からないのか普通に歩いてピノに近づく。
スワロとベンゾウもその後を追い歩き出す。
カハルもギルマスも、あまり自然に歩み寄る惣一郎に、違和感すら感じず、ただ見ていた。
惣一郎はピノに近付き、まだ小さく息をしていた少女に冷静にクリーンをかけ、傷の手当てを始める。
「な、なんだ? 娘の保護者か?」
自然と現れた惣一郎に、カハルは近くで何かを感じ取っていたが、手下の盗賊達の手前、感じ取った何かを考える前に虚勢を張る。
「その小娘、いい杖持ってたんで攫ったんだが、具合も良かったぜ~ ケケケケッ」
下品に笑うカハルに惣一郎は静かに、
「ベンゾウ、スワロ…… やれ」
静かにキレる惣一郎の言葉に、ふたりは動き出す。
手当てを簡単に済ませ惣一郎は、少女を抱え門に向かって歩き出す。
「なっ、待て」っとカハルが言い終わる前に、首が前に落ちる。
その横には、分厚いメガネの銀髪の少女が、冷たい目で怪しく光る2本の小刀を持っていた。
スワロが杖を構えると、8本の青白く光る光剣が現れ、雨の様に盗賊達に光線となって降り注ぐ。
馬車の上に銀髪の少女はもういない。
盗賊達の悲鳴の先に閃光となっていた。
スワロは深く集中し光剣を作り出す、8本、16本、32本と……
壁の上では思考が止まった冒険者達が、この惨状を目に焼き付けているだけだった。
ピノを抱えた惣一郎は門の前で止まり、壁の上のギルマスに、
「開けて」
っと、言葉を投げる。
数々の死線を乗り越え、ギルドマスターという地位まで登りつめた男は、湧き出す汗に震えた声で、門を開ける様に指示をする。
中の冒険者達に、すぐ治癒室に運ばれていくピノを見送り、心配そうに駆けつけたクロの頭を撫でる惣一郎。
振り返ると、もう終わっていた……
「「 ご主人様 惣一郎殿 」」
戻るふたりに「お疲れ様」と声をかけ、惣一郎はギルマスに、
「倉庫に戻ります。後の事はお任せします」
そう言い残し、3人と1匹はその場を去ろうとする。
静まり返り動けない冒険者達。
すると、ベンゾウがクンクンと匂いを嗅ぎ、國千代が空を切る。
その場にいた冒険者の、1人の首が落ちる。
内通者だろう…… だが、どうでもいい。
街の危機を救った惣一郎達に歓声も無く、ただ空は曇っていた……
次から次へと、今度は何? カハル?
惣一郎は疲れていた。
徹夜明けで少ししか、寝ていなかったからだ。
チーム名も適当なわけだ。
この騒ぎにギルマスも、二階から降りてくる。
「何事だ!」
「カハルの一味が来たんだ! この街に来るぞ!」
ギルマスの顔色が変わる。
「すぐ町の門を閉めろ! 門から近い者は避難させるんだ! よりにもよって、こんな時に……」
カハルの一味とは、厄災によって故郷を追われた難民が、盗賊に成り下がった者達の事だった。
難民の受け入れは各地で行われていたが、景気の悪い今のこの国では、その難民の扱いにも問題が多く、一部の難民は国への不満から盗賊になり、略奪を繰り返し問題になっていた。
その中でもカハルの一味は、元冒険者や騎士達の集まりで、武力と残忍な行いで名を知られていた。
厄災の出現はこんな形でも暗い影を落としていた。
まぁ、相手が盗賊なら、惣一郎達の出番は無いだろう。
「冒険者諸君! どうやらこの街はまた、危機的状況にある。今、前線で活躍してくれていた冒険者は、前回のムカデ討伐で戦える状況にない。ここに居る諸君で、この危機を乗り越えるしか無いのだ! 奴らの中には見知った者も居るだろう、だが、奴らはもう人の道を外れた者たちだ。決して油断はするな! この街を我らで守るぞ!」
「「「 おおおおおおお! 」」」
ベンゾウも腕を上げ叫ぶ。
この子はどうしてこう、感化されやすいのか……
「惣一郎殿、他所から来た其方には申し訳ないが、この街の行く末がかかっている。もしもの時は力添えをお願いしたい」
そう言うとギルマスが深々と頭を下げると、ギルドにいる数十人の冒険者達も一斉にこちらを見る。
わざとだな…… 断れない奴じゃんコレ!
「わかったよ……」
惣一郎が了承すると、そこにいた冒険者達は、ざわざわ騒ぎだし、行けるかも、街を守るぞ! など、口々に士気を高めていた。
門の前の広場に、武装する冒険者達が集まり出す。
ギルマスが忙しそうに、配置などを指揮していた。
すると門の上にいた見張りが「来たぞ!」っと叫ぶ。
惣一郎達も興味から、3m程の壁の上に登り、敵を確認する。
「あれ、60人はいない? こっち15人じゃん」
不利な状況にも惣一郎は、出番が来そうって事に面倒臭いとぼやくだけだった。
門の向こうで馬や荷車に乗った盗賊達の中を、一台の馬車が前に出る。
中から現れた男は、ぼろ布を纏った少女を抱えていた。
「よぉ[ロウガ]久しぶりだな。今は、ギルマスなんかやってるんだってな!」
ギルマスの知り合いらしい。
街の壁の上には、ギルマスと遠距離攻撃が出来る冒険者が5名ほど立っていた。
「カハル! 落ちぶれたな、ここに何の様だ!」
「いや~ 新種の魔獣で大変だったそうじゃないか? 心配でよ~ 予定一つ飛ばして会いに来てやったぜ!」
情報は筒抜けと言う事か、もしかしたら新種が現れたのもコイツらの仕業かも知れない。
門の中には冒険者が9名、合図を待っていた。
「心配かけた様だなカハル。もう新種の件は片付いた。用はないだろう、帰れ!」
「おいおい、いいのかよ! 土産も持って来たんだぜ~ ほら!」
ボロを纏った少女を、投げ落とすカハル。
少女は耳を千切られた、ピノであった。
顔も殴られ腫れ上がり、血だらけで、生きているのかも、ここからじゃわからなかった。
「キサマーー! 攫ったのか!!」
声を荒げ、怒りをあらわにするギルマス。
合図を出すにはまだ距離があり、固く握られた拳からは血が滲んでいた。
惣一郎は壁を飛び降り、状況が分からないのか普通に歩いてピノに近づく。
スワロとベンゾウもその後を追い歩き出す。
カハルもギルマスも、あまり自然に歩み寄る惣一郎に、違和感すら感じず、ただ見ていた。
惣一郎はピノに近付き、まだ小さく息をしていた少女に冷静にクリーンをかけ、傷の手当てを始める。
「な、なんだ? 娘の保護者か?」
自然と現れた惣一郎に、カハルは近くで何かを感じ取っていたが、手下の盗賊達の手前、感じ取った何かを考える前に虚勢を張る。
「その小娘、いい杖持ってたんで攫ったんだが、具合も良かったぜ~ ケケケケッ」
下品に笑うカハルに惣一郎は静かに、
「ベンゾウ、スワロ…… やれ」
静かにキレる惣一郎の言葉に、ふたりは動き出す。
手当てを簡単に済ませ惣一郎は、少女を抱え門に向かって歩き出す。
「なっ、待て」っとカハルが言い終わる前に、首が前に落ちる。
その横には、分厚いメガネの銀髪の少女が、冷たい目で怪しく光る2本の小刀を持っていた。
スワロが杖を構えると、8本の青白く光る光剣が現れ、雨の様に盗賊達に光線となって降り注ぐ。
馬車の上に銀髪の少女はもういない。
盗賊達の悲鳴の先に閃光となっていた。
スワロは深く集中し光剣を作り出す、8本、16本、32本と……
壁の上では思考が止まった冒険者達が、この惨状を目に焼き付けているだけだった。
ピノを抱えた惣一郎は門の前で止まり、壁の上のギルマスに、
「開けて」
っと、言葉を投げる。
数々の死線を乗り越え、ギルドマスターという地位まで登りつめた男は、湧き出す汗に震えた声で、門を開ける様に指示をする。
中の冒険者達に、すぐ治癒室に運ばれていくピノを見送り、心配そうに駆けつけたクロの頭を撫でる惣一郎。
振り返ると、もう終わっていた……
「「 ご主人様 惣一郎殿 」」
戻るふたりに「お疲れ様」と声をかけ、惣一郎はギルマスに、
「倉庫に戻ります。後の事はお任せします」
そう言い残し、3人と1匹はその場を去ろうとする。
静まり返り動けない冒険者達。
すると、ベンゾウがクンクンと匂いを嗅ぎ、國千代が空を切る。
その場にいた冒険者の、1人の首が落ちる。
内通者だろう…… だが、どうでもいい。
街の危機を救った惣一郎達に歓声も無く、ただ空は曇っていた……
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