異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

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第四章

二十九話 【vs 毒虫!】

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ベンゾウは子供達と遊び、惣一郎とスワロは、長老のサーと世間話をしていた。

すると慌ただしくパンダが駆け寄り、

「長老! ターが襲われた、また奴だ、奴が出た!」

っと、騒ぎ出す。

集落の入り口に駆け寄ると、パンダに抱えられ怪我をしたパンダが運ばれて来る。

奴が出た!っとパンダが叫ぶと、パンダ達が慌て出し、パンダが落ち着く様に大声を上げる。

惣一郎は内心『まっ、平和にさよなら!って訳には行かないの、知ってたよ』っと、トラブルを呼ぶ男は、長老に事情を聞く。

「長老は隣、私はチーよ!」



最近になってこの辺りの竹林に、真っ赤な鎧で覆われた、無数の足を持つ、長い魔獣が現れる様になったそうで、硬い鎧は刃物を通さず、大きな体の割に素早く魔獣は、すでに何頭かの犠牲を出していた。 

ターが親切に冒険者を集落に招く理由は、この辺りにありそうだ……

すると、ター達を追って来た巨大なムカデが姿を現す。

ターの策略で惣一郎達とぶつける気なのか、惚けられればそれまでだったが、何故かそんな気がする惣一郎だった。

「ま、お茶は美味かったし…… やるか、ベンゾウ、スワロ!」

ニコっとベンゾウは國家と國千代を構え疾風となり、しょうがないですね~っとスワロは嬉しそうに亜流美を構える。



スワロの魔法が炸裂する!

体長8mはありそうなムカデの後体部に、スワロの炎槍が突き刺さるが、爆炎は鎧の表面を焼くだけだった。

クロが吠え!

ベンゾウが頭部に斬り込むと、ガッキーン!っと硬いムカデの鎧に傷をつける! 

ベンゾウは空中でそのまま、同じ場所を連続で斬り込む!

クロが吠え、ムカデは緑の血を噴き出し暴れ回る。

「ベンゾウ殿、離れて!」

スワロが電撃の魔法を放つ! 

ドッゴーーーーン、ゴロゴロゴロ。

「キー!」っと叫ぶムカデは、体から煙を上げたまま電撃を嫌ってか、スワロに突進して来る! 

ゴン!っと鈍い音を響かせ、惣一郎の盾はスワロの前でムカデの突進を止めると、宙を舞う銀の疾風が頭部の傷に、小刀を深く突き刺す!

クロが吠え、たまらずムカデは鳴き声を上げのけ反り、ベンゾウが後退すると、スワロが二発目の電撃を喰らわす! 

いいコンビネーションだ! ワンワン。

だが、ムカデのタフさも異常だった。

頭部からダラダラと緑の血を流し、体から焦げた匂いの煙を立てていても戦意を無くさず、こちらを伺っている。

惣一郎は『これは魔獣と言うより、厄災の類か?』っと考える。

まだ名も知らない魔獣は、上半身を起こし上から襲い掛かる! 

黒い顎が開き、盾を構える惣一郎に勢い良く向かって来る。

それをベンゾウが空から斬り込むと、ムカデは空中で体の向きを変え、ベンゾウに襲い掛かる。

誘われた!っと、空中で身動き出来ないベンゾウは、ムカデの突進をモロに受け飛ばされる!

「ベンゾウ!」 ワン!

三発目の電撃が頭に落ち、一瞬動きが止まるが、耐えるムカデ!

痩せ我慢なのか、徐々に耐性をつけてる様にも見える!

構わずスワロは、連続で電撃を放ち続ける!

クロが吠え、ムカデの鈍くなる動きに惣一郎は、戦いながら検索していた商品をやっと見つける。

ネットショップスキルで、ムカデ駆除の粉を購入し、無事に戻ってきたベンゾウに、

「奴にかけろ!」っと投げ渡す。

クロが吠え、キャッチしたベンゾウは、ムカデの体に疾風となって振りかけまくると、ムカデは断末魔の叫びを上げ、もがく様に暴れ出す。

徐々にゆっくりと動きを止めるムカデ。

「ベンゾウ大丈夫か?」

「大丈夫、ご主人様!」

「スワロは?」

「問題ありません、惣一郎殿」

急な戦闘だったが、飛ばされたベンゾウも傷一つなかったし、まぁ上手く立ち回れたかな?っと、惣一郎は戦闘を振り返る余裕を見せた。

クロは吠えてただけじゃね?



パンダ達は、かき集めて来ただろう武器を持ったまま口を開け、固まっていた……

あ、武器使うのね? カンフーじゃないのか……




惣一郎の前にパンダが勢揃いし、長老が話始める。

「この度は我々トート族をお救いくださり、誠にありがとうございます。この御恩は一生忘れません」

そう話出すパンダに惣一郎は……

あ、長老はそっちか? っと思う。





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