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第四章
二十二話 【焼肉で解決は良くある事!】
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「各々、反省する所は反省し前を見よう!」
っと惣一郎は、元気の無いふたりによく分からない言葉を使い、今日は何が食べたいかを聞く。
肉一択のベンゾウに、贅沢に焼肉を食わせてやろうと準備を始める。
テーブルにカセットコンロを2台置き、購入した焼肉用の鉄板を置く。
タレ用の小皿とニンニク、コチュジャンのチューブを並べ、奮発した高級焼肉セットを出す。
まずはタン塩から焼いていく。
肉厚のタンがいい匂いを漂わせると、ふたりは席につき、クロも食べていたドッグフードから目を離し、近づいて来る。
焼けた肉からどんどん小皿に置き、レモンを搾る様に勧める。
足元にクロの皿も用意して、肉を置く。
食べるとみんなの目つきが変わる。
ビールを飲みながら惣一郎は、焼きに徹っする。
次は塩レバーだ……
お腹いっぱいになったスワロが「この世の物とは思えない」っと、満足そうにお腹をさすっていた。
惣一郎がサンチュにタレをつけたカルビを乗せ、キムチとマヨネーズを少し付け、包んで食べると、スワロが復活して真似をする。
ベンゾウとクロは鋭い目つきで、ひたすら食べていた。
すでに20万は超えている……
ご飯で誤魔化そう。
「白米と一緒に食うと美味いんだぞ~」
実際そうなんだが…… アレ、聞いてる?
ベンゾウ?
「がう!」
好きなように食べるのが一番さ。
焼肉は、人を変えるらしい……
何はともあれ、元気にはなった様で!
嘘の様にふくれた腹で倒れたベンゾウを、ベッドに運び寝かせる。
クロは焼く前の生肉まで食べ、ようやく満足して定位置に戻る。
食い散らかされたテーブルで惣一郎は、のんびりと残りを楽しんだ。
会計は40万を越えた所で、計算するのをやめた。
寝ているみんなにクリーンをかけ、惣一郎はひとり湯船に浸かり、疲れた足を癒やしてからベッドに入る。
翌朝、珍しく早起きのベンゾウが外でクロと遊んでいた。
スワロも使い方を教えたコンロでお茶を淹れ、起きてきた惣一郎に勧める。
スワロが持っていたお茶だが、これはこれで美味い。
お茶を楽しんでいると、両手にトカゲを持ったベンゾウが帰って来る。
クロも一匹咥えていた。
背中に綺麗な宝石のような石が生えているトカゲは売れると言い、惣一郎に差し出す。
ありがとうっと収納して、朝食を作り始める。
岩だらけの坂道を下り、ようやく植物が現れ始める。
ファルネリ戦で遅れをとった原因には、不慣れな高地というのもあったのだろう、ここまで降りて来るとそれがよくわかる。
木々が見え始める長い下り坂を歩いているが、どんどんペースが上がり、すでに足が痛い。
下り坂でリアカーは、危険な匂いしかしないので、ペースが上がっては戻しを繰り返していた。
暖かい陽気のせいか、早いペースのせいか、スワロも汗をかいて息が荒い。
「きゅ、休憩し、しよう……」
木陰で座り込む惣一郎。
スワロも疲れが見えるが、ベンゾウとクロは本当どうなっているの?
スポーツドリンクを出し、みんなに配って飲む。
リアカーもブレーキでも付いていれば、下り坂でも安全なのだが……
惣一郎はリアカーについて、考える。
アルミ素材で軽量な折り畳めるこのリアカー、板サスが付いてクッション性の強いタイヤのおかげで、乗り心地もいい。
だが所詮荷車、3人も乗れば狭い。
この際、馬車ぐらいの乗り物を買ってもいいかもな~
アルミのリアカーは目立つし!
この先の国境は、関所を挟む形で町になってるそうだ。
そこで馬車を見てみようと思う。
「さぁ、いよいよエリリンテだな」っと、重い腰を上げる。
そうは言っても見渡す限り林、まだまだ国境のコの字も見えない。
ため息を吐きながら、歩き始める。
林の中を歩いていると人工物のような石がゴロゴロと目に止まる。
建物の残骸だ。
スワロが言うには、大昔この辺りにノイデン共和国とエリリンテ教国の間にもう一つ、魔法で栄えた国があったそうだ。
その街の[残街]が、今でも多く残っている。
状態から相当昔なのだろう……
道がようやく平坦になって来たので、リアカーを出してクロにお願いする。
早い! やはり改造を考えようと心に決める。
その後も何もなく陽が落ちるまで進み、野営する。
っと惣一郎は、元気の無いふたりによく分からない言葉を使い、今日は何が食べたいかを聞く。
肉一択のベンゾウに、贅沢に焼肉を食わせてやろうと準備を始める。
テーブルにカセットコンロを2台置き、購入した焼肉用の鉄板を置く。
タレ用の小皿とニンニク、コチュジャンのチューブを並べ、奮発した高級焼肉セットを出す。
まずはタン塩から焼いていく。
肉厚のタンがいい匂いを漂わせると、ふたりは席につき、クロも食べていたドッグフードから目を離し、近づいて来る。
焼けた肉からどんどん小皿に置き、レモンを搾る様に勧める。
足元にクロの皿も用意して、肉を置く。
食べるとみんなの目つきが変わる。
ビールを飲みながら惣一郎は、焼きに徹っする。
次は塩レバーだ……
お腹いっぱいになったスワロが「この世の物とは思えない」っと、満足そうにお腹をさすっていた。
惣一郎がサンチュにタレをつけたカルビを乗せ、キムチとマヨネーズを少し付け、包んで食べると、スワロが復活して真似をする。
ベンゾウとクロは鋭い目つきで、ひたすら食べていた。
すでに20万は超えている……
ご飯で誤魔化そう。
「白米と一緒に食うと美味いんだぞ~」
実際そうなんだが…… アレ、聞いてる?
ベンゾウ?
「がう!」
好きなように食べるのが一番さ。
焼肉は、人を変えるらしい……
何はともあれ、元気にはなった様で!
嘘の様にふくれた腹で倒れたベンゾウを、ベッドに運び寝かせる。
クロは焼く前の生肉まで食べ、ようやく満足して定位置に戻る。
食い散らかされたテーブルで惣一郎は、のんびりと残りを楽しんだ。
会計は40万を越えた所で、計算するのをやめた。
寝ているみんなにクリーンをかけ、惣一郎はひとり湯船に浸かり、疲れた足を癒やしてからベッドに入る。
翌朝、珍しく早起きのベンゾウが外でクロと遊んでいた。
スワロも使い方を教えたコンロでお茶を淹れ、起きてきた惣一郎に勧める。
スワロが持っていたお茶だが、これはこれで美味い。
お茶を楽しんでいると、両手にトカゲを持ったベンゾウが帰って来る。
クロも一匹咥えていた。
背中に綺麗な宝石のような石が生えているトカゲは売れると言い、惣一郎に差し出す。
ありがとうっと収納して、朝食を作り始める。
岩だらけの坂道を下り、ようやく植物が現れ始める。
ファルネリ戦で遅れをとった原因には、不慣れな高地というのもあったのだろう、ここまで降りて来るとそれがよくわかる。
木々が見え始める長い下り坂を歩いているが、どんどんペースが上がり、すでに足が痛い。
下り坂でリアカーは、危険な匂いしかしないので、ペースが上がっては戻しを繰り返していた。
暖かい陽気のせいか、早いペースのせいか、スワロも汗をかいて息が荒い。
「きゅ、休憩し、しよう……」
木陰で座り込む惣一郎。
スワロも疲れが見えるが、ベンゾウとクロは本当どうなっているの?
スポーツドリンクを出し、みんなに配って飲む。
リアカーもブレーキでも付いていれば、下り坂でも安全なのだが……
惣一郎はリアカーについて、考える。
アルミ素材で軽量な折り畳めるこのリアカー、板サスが付いてクッション性の強いタイヤのおかげで、乗り心地もいい。
だが所詮荷車、3人も乗れば狭い。
この際、馬車ぐらいの乗り物を買ってもいいかもな~
アルミのリアカーは目立つし!
この先の国境は、関所を挟む形で町になってるそうだ。
そこで馬車を見てみようと思う。
「さぁ、いよいよエリリンテだな」っと、重い腰を上げる。
そうは言っても見渡す限り林、まだまだ国境のコの字も見えない。
ため息を吐きながら、歩き始める。
林の中を歩いていると人工物のような石がゴロゴロと目に止まる。
建物の残骸だ。
スワロが言うには、大昔この辺りにノイデン共和国とエリリンテ教国の間にもう一つ、魔法で栄えた国があったそうだ。
その街の[残街]が、今でも多く残っている。
状態から相当昔なのだろう……
道がようやく平坦になって来たので、リアカーを出してクロにお願いする。
早い! やはり改造を考えようと心に決める。
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