異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

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第四章

十七話 【新たな仲間?】

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起きた犬神は目の前で椅子に座り、アホ丸出しで眠る男を見ながら考えていた……

なぜ牙が届かない?

なぜ怪我の治療をする?

目の前の水や、いい匂いの形の揃った茶色い物は毒なのか?

考えてもわからない、考えるのをやめよう。

傷が癒えたら、立ち去り忘れよう……



惣一郎が、フガッ!と姿勢を崩し目を覚ます。

犬神を見て傷の具合を確かめる。

あまり良くなさそうだ。

犬神に水を勧める。

犬神は興味無い顔で視線を逸らす。

「毒なんて入ってないぞ!」っと目の前で飲み、そのまま差し出す。

しつこい男に根負けしたのか匂いを嗅ぎ、水を飲み始める。

喉は渇いていた。

「飯も食わなきゃ治らないぞ!」っと身振りで伝える。

流石にドッグフードは食いたくない。

差し出すと匂いを嗅ぎ、食べ始める。

それを見て安心した惣一郎は、ニコっと笑ってテントに入り、ふたりの朝食を作り始める。

しばらく経ってから様子を見にテントを出ると、ドッグフードは綺麗になくなっていた。

犬を飼った事のない惣一郎は、また皿にドッグフードを山盛り乗せ、水も置くとテントに戻る。

犬神はもう動く事が出来た。

『あの茶色い物を食べると力が湧き、何より美味い!』

ここを離れれば、もうコレにありつけないだろう。

夢中でおかわりを食べる。



少しするとベンゾウが出てきて体を伸ばす。

犬神は『この小娘ならひと噛みだな!』っと思う。

ベンゾウはサッと消え、近くに現れたグルピーを瞬殺する。

「ご主人様、お金!」とテントに入っていく。

犬神は『無理だ! 見えなかった! なんなんだあの強さは?』決して敵対してはいけないと心に誓う。



しばらくすると、スワロが出て来た。

犬神は『ふんまた女か、今度の奴は弱そうだ、肉も柔らかそうだし』っと思う。

スワロが魔法の練習に、近くの木に雷撃を当てると、爆音の後、巨木が倒れる。

慌てた惣一郎が現れ「こんな近くで練習すんな!」と怒りテントにスワロを引きずって行く。

犬神は『無理無理無理! なんだあの魔法は、避けれる訳がない!』決して敵対しては行けない!っと心に誓う。

惣一郎が水を交換に来ると、お座りで舌出し、尻尾を振る犬神がいた。




惣一郎は、真剣な顔で考えていた。

テントの前で3人は、犬神を見ながら真剣な表情だった。

「惣一郎殿、私は[ノイゲンシター]がいいと思います。白い悪魔という意味です」

「ベンゾウは[ニク]がいいな~」

「ん~[クロ]なんてどうだ?」

「白いです」

「白いね。ケラケラケラ」

「だからだよ、だからあえてクロなの! わかってないな~」

首を傾げるふたり。

「じゃ[ネコ]」

「ク、クロ! よく考えたらクロって、いい名前ですね~」

「ケラケラケラ」

「だろ、気付くのが遅いよ! よし、今日からお前はクロだ!」

犬神プレリーコウ改め[クロ]は、尻尾を振っていた。

ワン(もっと茶色いのくれ!)

テントの中の隅に低反発マットレスを置き、惣一郎はクロに、ここで寝ろっと呼ぶ。

クロはそろりそろりとテントに入り、惣一郎の言う事を聞く。 

ワン(茶色いのどこ?)




スワロは自分のベッドで座禅の様なスタイルで目を閉じ、魔力循環の訓練というのをしていた。

惣一郎はソファーでくつろぎ、ネットで買った犬の飼い方と言う本を読んでいた。

ベンゾウはその惣一郎の膝に頭を乗せ、お菓子を食べている。

クロは大型バイクほどある体を丸め、心地よさそうにマットレスの上で傷を癒す。

途中まで読み進めた惣一郎は、

「そもそも、犬じゃなくて魔獣じゃん!」

と気付く。

新たな仲間が加わり、明日は旅に戻ろうとベンゾウのお菓子に手を伸ばす。





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