異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

夜間救急事務受付

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第四章

十三話 【デート!】

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倉庫に戻り落ち着きを取り戻したスワロに、とりあえず試してみようと提案する。

惣一郎は木の棒を地面に刺し、的を作る。

スワロは亜流美を構えるが、一応室内なので大事をとって、以前の杖でお願いした。

電撃を唱える。

スワロの周りにピリピリと静電気の様なものが、集まり出し杖の先端から対象の的へ電撃が走り、目がチカチカする。

的は白い煙をあげていた。

「どう使えそう?」

「まだ慣れて無いので、慣れればもう少し早く撃てると思いますが、使い勝手で言えば炎槍ですね。消費魔力はこちらの方が少ない感じがしますが、炎槍ですと対象を燃やしてしまうので、電撃との使い分けは、出来ると思います」

威力的には問題なさそうだが……

まぁ、スワロが言うように慣れなんだろうな~

スワロはこのまま練習すると言うので、惣一郎はベンゾウとふたりで、街をぶらつく事にした。

さすがは商業都市とあって、店の品数は何処も豊富だった。

道具屋で以前まとめ買いした毒消などを、少し残して売り、武器屋を覗いてみた。

武器も豊富に取り揃えてあるが、どれもネットショップスキルで買える物よりは数段落ちる。

ただデザインに関しては、この世界独特の物が多く、ファンタジー要素満載で見ていて飽きなかった。

防具コーナーにあった、魔獣の皮を使った凝った作りの短刀ホルダーが惣一郎の目を引いた。

惣一郎の魔導杖を納めるのに丁度いいサイズと、見た目も気に入り購入する。

注文も出来るのでピッタリの物も頼めたが、納期が一ヶ月と待ってはいられない。

この街にもそんなに長居する気はなかったからだ。

隣の店もここと同じ系列で、防具や服が置いてあるそうなので、覗いてみる。

冒険者ぽい服が数多く並んでおり、惣一郎はワクワクしていた。

以前買ったこの世界の服は、騎士エリンの庶民的なチョイスであり、冒険者としての今の惣一郎には、イメージがあっていなかった。

駆け出しの商人志望なら問題無いのだが、ベンゾウ達と旅をして今は、商人より冒険者としてやっていくつもりの惣一郎は、冒険者ふたりと庶民的なおっさんより、3人の冒険者として見られたいのだ。

コイチの村の村長も、惣一郎じゃなくスワロに話してるぽいのを気にしていたのだ。 

被害妄想だが。

外套のコーナーで、またも惣一郎の目を引いたのが、魔獣の皮で出来たロングコートだった。

水色のコートは収納ポケットも多く、見た目も無骨でカッコよかった。

試着してみる。

36歳の背も高くないおっさんには寸胴に見え、お世辞にも似合ってはいなかったのだが、惣一郎は満足そうな顔である。

「どうだ、ベンゾウ!」

「い、いいと…… 思う?」

なんで疑問形? 似合ってないのか? 

「えぇ、このコート格好いいじゃん!」

確かにコートは格好良い。

「何かお探しですか?」

立派な紳士の髭をはやした店員が話しかけて来た。

ベンゾウがこの男に『助けて!』っとSOSを送っていたのだ。

少女の危機を察した店員は、惣一郎にはサイズが合っていないと他の服を進めて来る。

同じ作りの外套だが、丈が短く膝上で、ポケットも最小限のシンプルな作りの濃い灰色のコートだった。

悪くない!

惣一郎が羽織るやいなや……

「ご主人様、かっこいい!」

「おおよくお似合いです、きつくないですか? お直しが必要ならすぐ致しますが」

「ふむ、これをもらおう!」っと気持ちよく買い物した。

ベンゾウは店員に頭を下げ、店を出ていた。

ベンゾウにも服を薦めたんだが、いらないそうだ。

遠慮してるのだろうか? 




露店で果汁の飲み物を二個買い、ベンゾウはアレも食べたいと何かの肉を何かに挟んだ何かを、広場のベンチで食べていた。

ほんのり果汁の味がする、薄くぬるい飲み物を飲みながら、惣一郎はまったりとスローライフを感じていた。

「次は南に、ゴルドー山を越えて、東南の国境だな~ ベンゾウ、旅は楽しいか?」

「ベンゾウ、ご主人様がご主人様でよかった!」

惣一郎はニコッと笑いながら、温かい陽気の空を見上げた。






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