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第四章
十二話 【ざわ…ざわ…】
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惣一郎は寝ながら、スワロの今後を考える。
このまま強くして良いのだろうか……
すでにやり過ぎなぐらいだが、魔法を幾つも使いこなせる様になれば、この世界では最強の類になるのでは……
旅の目的の厄災を倒した後は惣一郎の元を去り、長寿のスワロは大魔法使いとして、名を広げるだろう。
約束したしスワロから、惣一郎の害になる様な話は出ないとは思うが……
翌朝、惣一郎のベッドに入り込んでいたふたりを起こし、朝食の準備を始め、食事を終えると3人で魔導書店へ向かう。
場所を聞きながら魔導書店へ着くと、ここもやはり店内はカウンターのみの店だった。
店内には先客がおり、コツコツと貯めたお金で本を買い、その場で頭に乗せ残念そうな青い顔で、肩を落とし帰っていった。
小太りの店員が「いらっしゃいませ」と愛想よく話しかけて来る。
「今日はどんな魔法をお求めですか?」
ラインナップは……
ファイヤ (火を作り出す、生活魔法)
ウォーター(水を作り出す、生活魔法)
アイス (氷を作り出す、生活魔法)
ライト (光源を作り出す、生活魔法)
クリーン (指定した範囲を清潔な状態にする、生活魔法)
キュア (毒などの状態異常を治す、生活魔法)
ファイヤーランス (炎槍を対象に飛ばす、攻撃魔法)
アイスジャベリン (氷柱を対象に落とす、攻撃魔法)
ストーンバレット (小石を対象に飛ばす、攻撃魔法)
ライトニング (電撃を対象に飛ばす、攻撃魔法)
おすすめ品
アイス改 (消費魔力小)
ストーンバレット改 (消費魔力小)
ゲームの様な多種多様な魔法は期待できなかったが、これでも十分充実してる店なのだそうだ。
おすすめ品に関しては、やはり一冊づつしか無く、チャンスも一度切りとの事。
スワロには攻撃魔法の炎槍以外だろうが、俺もキュアは覚えておきたいな……
「よし、本番前の前哨戦だ! キュアを一つ!」
「一冊、12ギーです。在庫は六冊ですので」
お金を払って、惣一郎の頭に乗せると、店員が何かを唱える。
本は頭の上で燃えて消える。
………
「残念でした」
12万円が一瞬で…… もう一度!
お金を払って、頭に乗せる。
本は燃え頭の中に[キュア]が刻まれた。
「おお、二回目とは運がいいですな~ お客さん!」
「よーしよし! いい調子だスワロも続け!」
スワロが緊張しながら[アイスジャベリン]を注文する。
「はい、氷槍ですね。27ギーになります。在庫は三冊です」
お金を出そうとするスワロに、チームの必要経費だ!っと、惣一郎が払う。
店員が本を持って来て、スワロの頭に乗せ唱える。
………
「残念、もう一度!」 お金払って頭に乗せる。
………
「泣くな! 店員もう一度だ!」
………
「残念でした」
青ざめるスワロだった。
まだ他がある、諦めるなと惣一郎!
「店員、次はライトニングだ!」
上客に嬉しそうな店員は、奥から本をまとめて持って来た。
「こちらが雷撃です。一冊31ギー、在庫は四冊です」
「行け~ スワロ!」
当の本人は青ざめているのに、興奮する惣一郎!
ベンゾウも後ろでケラケラ笑いながら応援していた。
店員が本をスワロの頭に乗せ、唱えると燃える。
………
涙がこぼれ始めたスワロに、まだ3回もチャンスはある!っと惣一郎のテンションはひとり違っていた。
「次だ!」っと店員に31ギー渡し、ニコニコしながら店員は本を、とうとう泣き出したスワロに乗せ唱える。
スワロの頭に[ライトニング]の文字が刻まれた。
「や、やりました…… 覚えました惣一郎殿ぉ~」
泣きながら喜ぶと言うより、もう許しての言い方だった。
「よしよし! いいぞスワロその調子だ! 店員次はストーンバレットだ!」
「いや~ もう勘弁してください!」
あれ?
167ギーも使った惣一郎は、
「すまん! 興奮してしまった!」
っと、泣くスワロを連れて店を出た。
ベンゾウも、ケラケラ笑いながら後を追う。
このまま強くして良いのだろうか……
すでにやり過ぎなぐらいだが、魔法を幾つも使いこなせる様になれば、この世界では最強の類になるのでは……
旅の目的の厄災を倒した後は惣一郎の元を去り、長寿のスワロは大魔法使いとして、名を広げるだろう。
約束したしスワロから、惣一郎の害になる様な話は出ないとは思うが……
翌朝、惣一郎のベッドに入り込んでいたふたりを起こし、朝食の準備を始め、食事を終えると3人で魔導書店へ向かう。
場所を聞きながら魔導書店へ着くと、ここもやはり店内はカウンターのみの店だった。
店内には先客がおり、コツコツと貯めたお金で本を買い、その場で頭に乗せ残念そうな青い顔で、肩を落とし帰っていった。
小太りの店員が「いらっしゃいませ」と愛想よく話しかけて来る。
「今日はどんな魔法をお求めですか?」
ラインナップは……
ファイヤ (火を作り出す、生活魔法)
ウォーター(水を作り出す、生活魔法)
アイス (氷を作り出す、生活魔法)
ライト (光源を作り出す、生活魔法)
クリーン (指定した範囲を清潔な状態にする、生活魔法)
キュア (毒などの状態異常を治す、生活魔法)
ファイヤーランス (炎槍を対象に飛ばす、攻撃魔法)
アイスジャベリン (氷柱を対象に落とす、攻撃魔法)
ストーンバレット (小石を対象に飛ばす、攻撃魔法)
ライトニング (電撃を対象に飛ばす、攻撃魔法)
おすすめ品
アイス改 (消費魔力小)
ストーンバレット改 (消費魔力小)
ゲームの様な多種多様な魔法は期待できなかったが、これでも十分充実してる店なのだそうだ。
おすすめ品に関しては、やはり一冊づつしか無く、チャンスも一度切りとの事。
スワロには攻撃魔法の炎槍以外だろうが、俺もキュアは覚えておきたいな……
「よし、本番前の前哨戦だ! キュアを一つ!」
「一冊、12ギーです。在庫は六冊ですので」
お金を払って、惣一郎の頭に乗せると、店員が何かを唱える。
本は頭の上で燃えて消える。
………
「残念でした」
12万円が一瞬で…… もう一度!
お金を払って、頭に乗せる。
本は燃え頭の中に[キュア]が刻まれた。
「おお、二回目とは運がいいですな~ お客さん!」
「よーしよし! いい調子だスワロも続け!」
スワロが緊張しながら[アイスジャベリン]を注文する。
「はい、氷槍ですね。27ギーになります。在庫は三冊です」
お金を出そうとするスワロに、チームの必要経費だ!っと、惣一郎が払う。
店員が本を持って来て、スワロの頭に乗せ唱える。
………
「残念、もう一度!」 お金払って頭に乗せる。
………
「泣くな! 店員もう一度だ!」
………
「残念でした」
青ざめるスワロだった。
まだ他がある、諦めるなと惣一郎!
「店員、次はライトニングだ!」
上客に嬉しそうな店員は、奥から本をまとめて持って来た。
「こちらが雷撃です。一冊31ギー、在庫は四冊です」
「行け~ スワロ!」
当の本人は青ざめているのに、興奮する惣一郎!
ベンゾウも後ろでケラケラ笑いながら応援していた。
店員が本をスワロの頭に乗せ、唱えると燃える。
………
涙がこぼれ始めたスワロに、まだ3回もチャンスはある!っと惣一郎のテンションはひとり違っていた。
「次だ!」っと店員に31ギー渡し、ニコニコしながら店員は本を、とうとう泣き出したスワロに乗せ唱える。
スワロの頭に[ライトニング]の文字が刻まれた。
「や、やりました…… 覚えました惣一郎殿ぉ~」
泣きながら喜ぶと言うより、もう許しての言い方だった。
「よしよし! いいぞスワロその調子だ! 店員次はストーンバレットだ!」
「いや~ もう勘弁してください!」
あれ?
167ギーも使った惣一郎は、
「すまん! 興奮してしまった!」
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ベンゾウも、ケラケラ笑いながら後を追う。
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