異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

夜間救急事務受付

文字の大きさ
上 下
42 / 409
第四章

十一話 【倉庫でキャンプ!】

しおりを挟む
異世界の料理で朝食を済ませ、テントを収納。

ケネブは驚いていたが、無視して林を出る。

レイトールへ向け、ガミの森を目指し歩き出す。

途中、辛そうなケネブをリアカーに乗せ、惣一郎が引き先を進む。

スワロはまだ、新しい杖に興奮状態なのか、いつ獲物(的)が出てもいい様に、杖を離さない。 

この杖、ベンゾウの美善國家や美善國千代の様に名前は無いのかと、聞かれたので[亜流美]と名付けた。

忘れていたが惣一郎に、名付けのセンスは無いのである。




徐々に木々が大きく密集し、木も林の頃は杉の様なスラット真上に伸びる木だったが、段々と不気味な枝振りの木が多くなって行く。

ガミの森に入った様だ。

早速、狼の様な魔獣を数匹従える、人狼のベルフが現れる。

っが、出るや否や青い火柱が数本立ち、魔獣は倒された。

ドヤ顔でベンゾウを見るスワロさんに、イラつくベンゾウさん。

木の上からスワロ目掛けて、勢いよく落ちてくる大きなヘビを、銀の閃光が瞬時に斬り倒す。

危ないですよ!っと小馬鹿にした笑みを浮かべるベンゾウさん。

強すぎるふたりの戦いを、目を丸くし驚いていたケネブさん。

「いい加減にしなさい!」

っと怒る、惣一郎さんは必要もないのに、事あるごとにふたりをクリーンで綺麗にしていた。

楽しそうに……



陽の光も遮れられ薄暗い森は奥に進むにつれ、さらに不気味な雰囲気に変わっていく。

先程からケネブが、スワロに名のある冒険者なのか、その魔法は何処でとか、あの銀髪の少女は? など質問攻めにし困らせていた。

やはり異常なのだろうか、このチーム。
 
そう言えばチーム名を考えないと……

不気味な雰囲気とは裏腹に平和な旅が続き、ベルフが出た以外何もなく、陽が落ち森は、さらに暗くなって行く。

テントを出す場所を探し、休む事にする。

明日には森も抜けるだろう。






翌日も何事もなく進み、ガミの森をすんなり出ることができた。

不気味なだけだった……

森を抜けると道は大きな街道にぶつかり、レイトール商業都市が近い事を教えてくれた。

街道は大きな街といくつか繋がっているらしく、チラホラと馬車や荷車を押す人影が見える。

ガミの森を通らなくてもセルネルまで行けるそうだが、遠回りになるとの事。

街道に入れば、ほぼ危険はないだろうと思っていたが、魔物があまり出ないってだけで盗賊の類はやはり出るらしい。




陽気もいい中、街道を二日かけて目的地、レイトール商業都市へ無事辿り着く。

あちこちの建物から煙をあげ、活気のある大きな街であった。

街道に入ってからケネブも歩きだったので、4人は無事歩いて街に入る。

まず向かったのはギルドだった。

ケネブには事前に話を合わせてもらっていたので、オークの王には触れずに襲われたとだけ報告し、惣一郎達は道中で倒した魔獣の買取と、途中盗賊に襲われていた冒険者のカード3枚と所持品を渡し、事情を話す。

盗賊の首を持って来るのは嫌だったので、盗賊は見なかったと説明する。

そのあとセルネル城下町からの運搬依頼の報告をすると、納品場所を案内してくれる担当を呼びに行くと席を外したので、ケネブと別れの挨拶をする。

ケネブは涙ながらに感謝をし、再会を約束して別れる。

冒険者は引退するそうだ。



担当が現れ、ミチル鋼を納品する場所まで案内してくれる。

街は店や工場の様な建物が多く、何処も人で賑わっていた。

案内された倉庫で荷を出すと、後から荷馬車が来ると思ってた担当者が驚き、笑って誤魔化し納品書にサインをし料金をもらった。

無事今回も運搬依頼を達成出来た。

ケネブとも別れたし、今晩はお祝いに惣一郎の手料理で、ふたりを労おう。



宿屋を探し歩いていたら、貸し倉庫の看板を見つける。

[短期契約あり]さすが商業都市!

早速、看板に書かれた場所へ向かい、話を聞く。

いくつかある貸し倉庫で丁度いい大きさの倉庫を見せてもらう。

料金は一月6ギーと、日割りで考えれば安いが、月単位の契約だった。

数日で考えると3人で宿屋に泊まるよりは少し高いが……

とりあえず契約して料金を払い、鍵をもらう。

小さな一軒家ぐらいの倉庫で、入り口は大きな運搬用の扉と別に出入り用のドアがあり、中へ入ると倉庫なので何も無いが、明り取りの窓もあり、暗くは無い。

そこに惣一郎はテントを出すとスワロがなるほど!っと感心していた。

今頃気付いたのか…… 察しが悪い。

大きなテントを置いても、十分風呂用のテントを出すスペースも残る。

宿屋に泊まるのは旅の醍醐味ではあるが、惣一郎達にはこの方が、色々と都合が良いのである。

倉庫の中とはいえ街中なので、テントの外に簡易トイレも出しておく。

流石に外でって訳にも行かないしね。

テーブルを出し料理を始める。

玉ねぎを細かく切りボールに入れ、合い挽き肉と卵とパン粉、塩胡椒でハンバーグのタネを作り、ご飯も減ってきていたので、コンロを3つ出し、大きなご飯用の土鍋で炊き始める。

他にも色々と作り置きをしておく事にする。

ベンゾウはヨダレを飲み込みながら見ていた。

スワロはニコニコしながら亜流美を磨いていた。

久々に豪華な夕食を食べ、ベンゾウもスワロも大喜びであった。

惣一郎も作った甲斐がある。

食後にのんびりと風呂用のお湯を沸かしていると、スワロが亜流美を抱きしめながら話しかけて来た。

「惣一郎殿、私、他の魔法も覚えてみたいのだが」

なるほど、そりゃそうか。

魔力も無駄なく数撃てるなら、一種類じゃなく臨機応変に対応できた方がいいしな。

問題はあの博打要素か……

スワロには今回の報酬の取り分を渡してあるし、自腹で行くつもりなのだろうが、コレは必要経費だな。

明日、魔導書店に行く事にして風呂の準備をする。

惣一郎は風呂用のテントを出し、熱湯を足しながら入浴剤入れるか考えていた。

きっとラベンダーなどの癒し効果も、ふたりには効くだろう……






しおりを挟む
感想 67

あなたにおすすめの小説

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

処理中です...