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第三章
十四話 【曇りのち晴れ!】
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ベンゾウさん、ダンジョンの事教えて!
ベンゾウ曰く、
「ダンジョンとは、人を宝などで誘い込む魔物の一種」
以上。
聞く人、間違ったか?
全然ピンと来なかった。
ベンゾウもダンジョンに入った事がないそうで、聞いた話そのままとの事でした。
宿に戻ると、スワロがいた。
「惣一郎殿、良かったあえて、約束通り換金して来たぞ」
スワロもいい女なんだがな~ エルフは長寿で、好みの見た目になる頃には、俺は死んでるだろう。
とりま礼を言い、部屋で受け取る事にした。
ピテュルスの報酬400ギーを受け取り、今回の手間賃に100ギー渡す。
遠慮してたがこちらも助かったと、感謝の気持ちと受け取ってもらった。
身代わりの代償としては、いい額だろう。
そしてスワロにもダンジョンについて聞いてみた。
スワロ曰く、
「ダンジョンとは、人を宝などで誘い込む魔物の一種」
殴りて~
だが、続きがあった。
魔物も匂いの様な何かで誘い込んでいるそうで、洞窟や塔の様な建造物もあり、その空間の中で魔物と人を戦わせ、養分としてるそうだ。
宝が何処から来るかは未だ謎だが、良い物が多く、冒険者は危険を犯しても行く者が多いそうだ。
謎が多い謎な物がダンジョンなのだとか……
なるほど謎だな。
「ところで、他の3人は?」
「ああ、足をやられた者が思ったよりよろしくなくてな、元々臨時で組んでいたんだが、キロの村で別れる事になってな…… この辺りが潮時だったんだ」
あれ? 泣きそう?
なんか、解散の理由は他にありそうだな……
惣一郎はあまり深く関わるのは危険と勘を働かせ、話しを終わらそうとする。
「いや~ 兎に角、助かったよ! ありがとなスワロ!」
「えっ、あ、いや、実は」
「ま、スワロもこれから大変かもしれないが、頑張ってな!」
「いっ、いや、惣一郎殿……」
「さて、ベンゾウも今日は疲れたろ! そろそろ休まないとな! いや、ホントありがとな! また何処かで会えると良いな!」
「聞いてほしい!」
ちっ、失敗か……
スワロは聞いても無いのに話し出す。
そして、惣一郎の勘は当たっていた。
スワロは、ここセルネルの城下町から東にある、ノイデン共和国を出て[エリリンテ教国]の[マイズ]と言うダークエルフの村から来たそうで、そのマイズの村は、厄災と呼ばれる虫によって、一夜にして、壊滅的な被害を受け、家や家族、全てを失ったそうだ。
やな雲行きです。
復讐を誓い、二度仲間を募って挑んだが敗れ、ノイデン共和国に新たな強い仲間を探しに来ているとの事でした。
惣一郎は、話の続きを聞きたくなかった……
「惣一郎殿に頼まれたキロの村で、英雄ゴキコロリの情報を聞き、ピテュルスとの戦いを見た私は、すぐにお二人の事と思い、急ぎセルネルへ戻って参りました」
どうりで早いと思った……
全然違いますよ的な顔の惣一郎の後ろで、ベンゾウが誇らしげな顔で立っていた。
やはりそうでしたか!っとスワロ。
俺の渾身の演技がなぜバレた!っと困惑する、惣一郎。
「是非、私を、エリリンテをお救いください!」
片膝を突き、頭を下げるスワロ。
スワロの必死な姿に惣一郎は、殺虫スプレー渡すだけじゃダメかな?っと、脳内で楽な方法を模索していた。
頼まれたら断れない社畜根性が嫌で、この世界では自由に生きたかった惣一郎は、時間をくれと返事を濁し、この日はスワロと別れた。
夜、惣一郎はベッドで横になりながら考えている。
このまま逃げたい……
貴族や王族が住むセルネルに元々長居はするつもりは無かった。
今回の旅で、のんびり漫遊出来ると確信していたし、わざわざ……
スワロの事は、可哀想だが…… ん~
「ベンゾウ、どうしたい?」
「ご主人様と一緒!」
「そうだな、そんな旅も悪くは無いか!」
何が「そうだな」なのか、さっぱり分からない会話だったが、惣一郎の顔の雲は晴れていた。
ベンゾウ曰く、
「ダンジョンとは、人を宝などで誘い込む魔物の一種」
以上。
聞く人、間違ったか?
全然ピンと来なかった。
ベンゾウもダンジョンに入った事がないそうで、聞いた話そのままとの事でした。
宿に戻ると、スワロがいた。
「惣一郎殿、良かったあえて、約束通り換金して来たぞ」
スワロもいい女なんだがな~ エルフは長寿で、好みの見た目になる頃には、俺は死んでるだろう。
とりま礼を言い、部屋で受け取る事にした。
ピテュルスの報酬400ギーを受け取り、今回の手間賃に100ギー渡す。
遠慮してたがこちらも助かったと、感謝の気持ちと受け取ってもらった。
身代わりの代償としては、いい額だろう。
そしてスワロにもダンジョンについて聞いてみた。
スワロ曰く、
「ダンジョンとは、人を宝などで誘い込む魔物の一種」
殴りて~
だが、続きがあった。
魔物も匂いの様な何かで誘い込んでいるそうで、洞窟や塔の様な建造物もあり、その空間の中で魔物と人を戦わせ、養分としてるそうだ。
宝が何処から来るかは未だ謎だが、良い物が多く、冒険者は危険を犯しても行く者が多いそうだ。
謎が多い謎な物がダンジョンなのだとか……
なるほど謎だな。
「ところで、他の3人は?」
「ああ、足をやられた者が思ったよりよろしくなくてな、元々臨時で組んでいたんだが、キロの村で別れる事になってな…… この辺りが潮時だったんだ」
あれ? 泣きそう?
なんか、解散の理由は他にありそうだな……
惣一郎はあまり深く関わるのは危険と勘を働かせ、話しを終わらそうとする。
「いや~ 兎に角、助かったよ! ありがとなスワロ!」
「えっ、あ、いや、実は」
「ま、スワロもこれから大変かもしれないが、頑張ってな!」
「いっ、いや、惣一郎殿……」
「さて、ベンゾウも今日は疲れたろ! そろそろ休まないとな! いや、ホントありがとな! また何処かで会えると良いな!」
「聞いてほしい!」
ちっ、失敗か……
スワロは聞いても無いのに話し出す。
そして、惣一郎の勘は当たっていた。
スワロは、ここセルネルの城下町から東にある、ノイデン共和国を出て[エリリンテ教国]の[マイズ]と言うダークエルフの村から来たそうで、そのマイズの村は、厄災と呼ばれる虫によって、一夜にして、壊滅的な被害を受け、家や家族、全てを失ったそうだ。
やな雲行きです。
復讐を誓い、二度仲間を募って挑んだが敗れ、ノイデン共和国に新たな強い仲間を探しに来ているとの事でした。
惣一郎は、話の続きを聞きたくなかった……
「惣一郎殿に頼まれたキロの村で、英雄ゴキコロリの情報を聞き、ピテュルスとの戦いを見た私は、すぐにお二人の事と思い、急ぎセルネルへ戻って参りました」
どうりで早いと思った……
全然違いますよ的な顔の惣一郎の後ろで、ベンゾウが誇らしげな顔で立っていた。
やはりそうでしたか!っとスワロ。
俺の渾身の演技がなぜバレた!っと困惑する、惣一郎。
「是非、私を、エリリンテをお救いください!」
片膝を突き、頭を下げるスワロ。
スワロの必死な姿に惣一郎は、殺虫スプレー渡すだけじゃダメかな?っと、脳内で楽な方法を模索していた。
頼まれたら断れない社畜根性が嫌で、この世界では自由に生きたかった惣一郎は、時間をくれと返事を濁し、この日はスワロと別れた。
夜、惣一郎はベッドで横になりながら考えている。
このまま逃げたい……
貴族や王族が住むセルネルに元々長居はするつもりは無かった。
今回の旅で、のんびり漫遊出来ると確信していたし、わざわざ……
スワロの事は、可哀想だが…… ん~
「ベンゾウ、どうしたい?」
「ご主人様と一緒!」
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