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第二章
三話 【目的を見失いそ〜♡】
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惣一郎は紹介状を握りしめ、奴隷売買所の前で二の足を踏んでいた。
見学だけは許されるのだろうか?
そんな雰囲気ではない物々しい建物に戸惑っていた。
「奴隷をお求めですかな?」
突然、後ろから声をかけてきたのは背が低く、黒い髭が地面につきそうなほど長い、樽の様な男だった。
「お悩みなら、見学だけでもしていかれるとよろしい。私はこの奴隷売買所を営んでいる、[ゴルゾ]と申します」
いきなりトップのお出ましでした。
笑って誤魔化そうとするが、やや強引に中まで連れ込まれてしまう惣一郎。
中に入ると従業員らしい柄の悪そうな男達が、次々とゴルゾに挨拶し、横の俺をチラッと見ては去っていく。
ジュグルータさんにもらった服を着て来ればよかった......
惣一郎の手に握られた封筒を見つけたゴルゾは、「そちらは?」っと、コレまた強引に封を開け読み始める。
「ジュグルータ氏の紹介でしたか、では私めが直々に案内せねばなりませんなぁ」
ニヤリ。
コレ逃げられないヤツだ。
「それで、どういった奴隷をお探しですかな?」
「はい、えっと、商人を目指してまして、守っていただける方をその...... ゆくゆくは他の国なんかも行ってみたいものでして...... あはは」
黒い髭を撫でるとゴルゾは、直接見に行こうと地下へ案内し始めた。
普段は応接室で、条件に合った奴隷を数人ずつ紹介するらしいのだが、ゴルゾは奴隷が待機している牢へ、直接案内してくれるそうだ。
衛兵が守る階段を降りていくと、武器を持った従業員がゴルゾに驚き、挨拶をしていく。
歩きながらゴルゾに予算や、俺自身の経済状況を聞かれ、相場がわからないので予算は500ギーぐらいを言って置いたが、奮発したつもりだったが甘かった…… 条件が合う者だと3000ギーからが相場だそうだ。
他人の人生を買うんだ、安い訳がない。
ただ、訳ありでよければ500ギーでも買える奴隷はいるそうで、今はその訳ありの牢へ向かっている。
訳ありとは、年のいっているも者や四肢が欠けている者、戦えない働けない者と、ここでお荷物になっている売れ残りだそうで……
なら見る意味もないのだが「まぁ見るだけでも」っと強引に、連れて行かれる。
二つの大きな牢の前に着くと、売れ残ってる奴隷達が一つの牢に20~30人づつ男女に分かれ、力無い目でこちらを見ていた。
「こちらがお客さまのご予算に合った者達です。ごゆるりとご覧くださいませ。ただ質問はこちらに、決して奴隷に直接は話しかけぬ様、ご注意下さいませ」
ん~ 正直戦えないなら買う気は無いし、多少予算が出来てからでも......
牢の中には、こちらを睨むボサボサの埃っぽい灰色の髪に、猫の様な耳がついた汚らしい少女がいた。
獣人らしいが、なぜ睨む。
隣では、全身に鱗をまとったガタイのいい男が力なくこちらを見ている。
戦えないのか? 強そうだが......
ゴルゾに聞くと争いを好まないらしい。
この見た目で......
高齢の男に両足のない獣人、睨む娘、傷だらけの細いエルフの男に、睨む娘と一通り物色したが、やはり条件に合う人はいなそうだ。
そして、なぜ睨む!
「すいません、この子は?」
聞くとこの娘、見た目に反して元冒険者で、しかも相当強かったらしいのだが、ある日を境に全く依頼をこなせなくなり、その違約金で奴隷落ちしたらしい。
女なので、性奴隷契約なら小綺麗にして高額で売れるのだが、獣人は認めた相手にしか体は許さないので、ここで売れ残っているとの事。
あっは、性奴隷いるのですね♡
2000ギーも出せば、旬を過ぎた者なら買えるらしい。
考えちゃうな~♡
まっ、今回は見送ると伝え、地下室を後にする。
性奴隷か…… ウフッ♡
見学だけは許されるのだろうか?
そんな雰囲気ではない物々しい建物に戸惑っていた。
「奴隷をお求めですかな?」
突然、後ろから声をかけてきたのは背が低く、黒い髭が地面につきそうなほど長い、樽の様な男だった。
「お悩みなら、見学だけでもしていかれるとよろしい。私はこの奴隷売買所を営んでいる、[ゴルゾ]と申します」
いきなりトップのお出ましでした。
笑って誤魔化そうとするが、やや強引に中まで連れ込まれてしまう惣一郎。
中に入ると従業員らしい柄の悪そうな男達が、次々とゴルゾに挨拶し、横の俺をチラッと見ては去っていく。
ジュグルータさんにもらった服を着て来ればよかった......
惣一郎の手に握られた封筒を見つけたゴルゾは、「そちらは?」っと、コレまた強引に封を開け読み始める。
「ジュグルータ氏の紹介でしたか、では私めが直々に案内せねばなりませんなぁ」
ニヤリ。
コレ逃げられないヤツだ。
「それで、どういった奴隷をお探しですかな?」
「はい、えっと、商人を目指してまして、守っていただける方をその...... ゆくゆくは他の国なんかも行ってみたいものでして...... あはは」
黒い髭を撫でるとゴルゾは、直接見に行こうと地下へ案内し始めた。
普段は応接室で、条件に合った奴隷を数人ずつ紹介するらしいのだが、ゴルゾは奴隷が待機している牢へ、直接案内してくれるそうだ。
衛兵が守る階段を降りていくと、武器を持った従業員がゴルゾに驚き、挨拶をしていく。
歩きながらゴルゾに予算や、俺自身の経済状況を聞かれ、相場がわからないので予算は500ギーぐらいを言って置いたが、奮発したつもりだったが甘かった…… 条件が合う者だと3000ギーからが相場だそうだ。
他人の人生を買うんだ、安い訳がない。
ただ、訳ありでよければ500ギーでも買える奴隷はいるそうで、今はその訳ありの牢へ向かっている。
訳ありとは、年のいっているも者や四肢が欠けている者、戦えない働けない者と、ここでお荷物になっている売れ残りだそうで……
なら見る意味もないのだが「まぁ見るだけでも」っと強引に、連れて行かれる。
二つの大きな牢の前に着くと、売れ残ってる奴隷達が一つの牢に20~30人づつ男女に分かれ、力無い目でこちらを見ていた。
「こちらがお客さまのご予算に合った者達です。ごゆるりとご覧くださいませ。ただ質問はこちらに、決して奴隷に直接は話しかけぬ様、ご注意下さいませ」
ん~ 正直戦えないなら買う気は無いし、多少予算が出来てからでも......
牢の中には、こちらを睨むボサボサの埃っぽい灰色の髪に、猫の様な耳がついた汚らしい少女がいた。
獣人らしいが、なぜ睨む。
隣では、全身に鱗をまとったガタイのいい男が力なくこちらを見ている。
戦えないのか? 強そうだが......
ゴルゾに聞くと争いを好まないらしい。
この見た目で......
高齢の男に両足のない獣人、睨む娘、傷だらけの細いエルフの男に、睨む娘と一通り物色したが、やはり条件に合う人はいなそうだ。
そして、なぜ睨む!
「すいません、この子は?」
聞くとこの娘、見た目に反して元冒険者で、しかも相当強かったらしいのだが、ある日を境に全く依頼をこなせなくなり、その違約金で奴隷落ちしたらしい。
女なので、性奴隷契約なら小綺麗にして高額で売れるのだが、獣人は認めた相手にしか体は許さないので、ここで売れ残っているとの事。
あっは、性奴隷いるのですね♡
2000ギーも出せば、旬を過ぎた者なら買えるらしい。
考えちゃうな~♡
まっ、今回は見送ると伝え、地下室を後にする。
性奴隷か…… ウフッ♡
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