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第八章

四話【陸の孤島】

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「なんだって! 体を乗っ取られる!」

食堂で懐かしい面子に事情を話す惣一郎。

真面目な話をしているのだが、弁慶が後ろから抱き付き、惣一郎を膝に乗せるマヌケな格好であった。

「ああ、まだ謎が多い能力だが、首元を刺されると卵を植え付けられ目で孵化するらしい。操られると目が赤く緑の輪が見えるんだ」

昨日の戦闘で刺されてないか、無意識に首を触りだすツナマヨ達。

「あの自由に蟲に変身できる奴らも厄介だが、乗り移られるのは…… 何か対応策はないのか?」

「首を守るか、目をくり抜くしか…… 後は奴隷契約か……」

惣一郎は眼球をなくしたルドの青年を見る。

「ご主人様の奴隷になれば、強くなるよ!」

まだ食事をしているベンゾウが、ケバブ片手に声をかける。

「まぁ、スワロが契約のおかげでまだ無事だってぐらいで、確証はないんだがな…… そう言えば、お前ら上位種相手に随分と強くなったんだな」

「我々もあれから8年、遊んでいた訳じゃないからな…… っと言いたいが、実はこっちに来てから力が増してる様なのだ」

腰の刀に手を掛け、信頼を置いた武器を見るツナマヨ。

やはり世界を渡ったからだろうか?

「そんな話はどうでもいい! お姉様が攫われてるのだぞ! 何故すぐに向かわん」

声を荒げるピノに、みんなが惣一郎の返事を待つ。

「俺達が追いかけてるのがバレれば、奴らは転移で姿を眩ませる! 今は仲間を信じて奴らを惹きつけておくんだ。スワロに近づけばこの木の中から一瞬で大陸に行けるからな」

事情が分かっても焦りが消えないピノ。

「しかし素晴らしいな、このツリーハウスというのは」

「ちゃうで、本来ツリーハウスはただの空間を別にする家や。持ち運べるのは便利やが、普通の奴なら小部屋を持って歩ける程度や。ユグポンと惣一郎の相性がええだけや」

「旦那が変態なのは今に始まった事じゃないだろ! それより、ここでまた追手が来るのを待つのか旦那?」

「ああ、大陸に向かった仲間から夜には連絡があるだろうからな。それまでは、動かない方がいいだろう。ここならまた襲って来ても被害が少なくて済むしな」

「分かった。連中もあの様子では、今日明日は来ないだろうが、ミコと私で見張に立とう」

「ああ、頼む……」

そこに偵察に出ていたゴゴ達が帰って来る。

「惣一郎様、昨日の戦闘で転移屋を含む町の者が全員避難してしまいました。町はもぬけの殻です」

「あれ? じゃ転移屋から追手も来ない?」

「はい、我々も移動が……」

すると、ドラミが遠くの蟲が集まって来るのを感じ慌てる!

「しまった! 閉じ込められたんと一緒や! 蟲が集まって来てるで!」

次から次へと……





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