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第六章

六話【応援要請】

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まぁ、相手が蟲なら倒すしかないかな?

人と混じり長く生きる蟲。

強敵になるだろうが、不思議となんとかなりそうと思える惣一郎。

ベンゾウの影響が大きいのだろう。

そのベンゾウは俺のメインのおかずを奪い、嬉しそうに食べている。

俺、ご飯と味噌汁だけか……

早速明日にでも西に向かおうと準備を始める為、食事を終えるとその事をゴゴ達に伝えに向かう。



食堂で昼食を摂る村人達。

こうしてみると結構人も増えた。

ゴゴ達騎士のみんなは、ドワーフ達と何やら相談しながら食事をしていた。

昼から酒を飲むドワーフ。

まぁ、いいけど……

「惣一郎様、何か?」

「ああ、食事中に済まん。明日から西に向かおうかと思うんだ。ドラミが西に蟲の反応があるって言うんだ」

離れた席で子供達と食事中のババが、箸を止める。

「分かりました。我々も準備します」

「いや、それでゴゴ達には、そろそろ別に動いてもらおうかと思ってな」

ハクの細い目が開く。

「ハクのスキルもあるし、ギネア達の様に情報集めや、無理の無い範囲で蟲の討伐を頼むよ」

「おお~ お任せ下さい!」

「まぁ、種があればいつでも帰って来れるしな」

目を輝かせ、やる気を見せるゴゴ達。

殺虫剤などの在庫は多めに収納してあるし、ミネアに言えば補充も問題ないだろう。

すると、話を聞いていたドワーフのカンが、

「旦那。良ければ我々の仲間もここに、迎えたいのだが」

っと言い出す。

「仲間? ドワーフか?」

「ああ、わしらが昔いた工房が、この街からいくつか先の町にあるんじゃが、良ければそこの仲間も工房ごとこの村に迎え入れて欲しいのじゃ」

「そりゃ、その仲間がいいのであれば……」

「おお! さすが旦那じゃ話が早い! なに住まいは仲間が揃えばすぐにでも出来る。手間はかけんよ」

「じゃ、騎士団の最初の任務は決まったな!」

「はい! お任せ下さい」

するとジルまで話に入って来る。

「旦那様、でしたら畑で採れた野菜も、大分余っている状況です。街に出るのでしたら是非売ってはいかがでしょうか? 腐らせユグポンの肥料になる分も十分余ってますし」

「豊作だもんな~ ドラミのおかげで」

「なんじゃ、ではワシが荷車を直ぐに作ってやろう」

「あるぞ、荷車」

惣一郎が以前にも使っていたアルミのリアカーを出す。

すると目を光らせ、食事中のドワーフ達がリアカーを囲む!

「なんじゃコリャ!」

「見事な作りじゃ」

「か、軽いぞ!」

長くなりそうだ……

惣一郎はリアカーを3台出しゴゴに後を任せ、ここでもまた昼食を食べるベンゾウの首を掴み、戻っていく。

離れた席で立つババが、頭を下げ見送る。





翌日、ゴゴ達騎士団のメンバーが、奴隷契約を解いたドワーフのカンと共に村を出る。

夜には戻るそうなので、今回は仰々しい見送りはない。

「女子供だけになっても不安がないですね~ この村は」

何気ないミネアのぼやき。

この世界では特別なのだろう……

「じゃ、俺らも出発するか」

惣一郎もベンゾウとスワロと西に向かう為、出掛けようと歩きだす。

街に向かった騎士達より、森を進む惣一郎達の方が軽装備である。

するとセリーナが、慌てた様子で走って来る。

「旦那様! ギネアから連絡が!」

「なんかあったのか?」

「向かった[エルスの町]が魔獣の大群に襲われているそうです! 近くに現れた大型の蟲の影響かも知れないそうですが、数が多く応援を頼みたいそうです」

「わかった! 直ぐに応援に行くからツリーハウスを繋ぐ様に伝えてくれ」

「分かりました!」

「魔獣か! 久々だな主人よ!」

ああ……






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