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第五章
十四話【お昼のミーティング】
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惣一郎はリビングで昼食をゴゴとミネアを交えてとっていた。
ベンゾウはお菓子をずっと食べていたにも関わらず、すごい食欲を見せる。
「惣一郎様、自分の演技どうでした!」
「あれが演技て、笑うわ!」
品のない美人のドラミ。
「しかし主人よ、あんなの仲間に入れて、本当に大丈夫なのか?」
「せや! アホが服着とるだけやで!」
「まぁ、少し様子見てみよう。蟲を隷属するスキルには興味があるし、鍛えればそこそこ強くなるとは思うんだが、まぁソレはゴゴに一任するよ」
「丸投げですか! まぁ、さっき言った事は本当です。反射速度は大した物ですから、鍛えれば……」
「それより、タイガ達もだいぶ強くなったんじゃない? そろそろ実戦に出てみるか」
「この先の蟲の巣にですか?」
「ああ、数も多いし、経験が一番だし」
嬉しそうなゴゴだった。
こうして、武器を渡してあるゴゴとジジ、それとタイガとドラゴンとハクの5人が、明日の討伐に参加する事になる。
ホルスタインは大きなハンマーを、ジャニーは両手剣を今、工房でドワーフ達が製造中なので、キッドのお守りに残る事になる。
食事を詰め込むゴゴが準備にと席を立つ。
「嬉しそうだな」
「みんな惣一郎様のお役に立ちたいのです」
「そだ、ミネア! 後でベンゾウの魔法陣も覚えて欲しいんだが」
「またですか! そんな多く覚えられるかしら? すでに職人の域を超えているんですよ」
「お役に立ちたいんだろ?」
笑いながら惣一郎は、サバの缶詰やDHAの入ったパンを渡す。
気休めだが……
溜め息を吐きながら受け取るミネア。
「最近使ってないから忘れてないといいけど」
ベンゾウの言葉に惣一郎が、
「使ってない? お前にあった魔法だっただろ?」
「國家達出すだけで、ベンゾウの魔力空っぽになるの」
「やっぱ魔力なのかアレ!」
魔力が少な目のベンゾウでは、そんなに出して置けない訳だ……
「ベンゾウ殿は主人の魔力、使えないのか?」
「ご主人様の?」
「私も主人と契約して使える様になったのだ。このレーテウルのおかげで」
「あっ、そう言えばベンゾウ今、ご主人様の奴隷じゃなかった!」
「えっ、う、うん」
縋る様に見つめるベンゾウ。
自分から奴隷になりたいとか、相変わらず良く分からん奴だ……
「わかった。ギネア達が戻ったらキューテッドに頼んで契約してもらおう」
「やった!」っと喜ぶベンゾウ。
本当にいいのだろうか?
まぁ、魔力制限が無くなれば、ベンゾウは今以上に強くなるし、いいか……
「そう言えば、スワロもベンゾウと似た黒いオーラを出す様になったよな?」
「そうなのか?」
アレ、気付いてなかった?
「負の魔力やな! 負の感情が強いと魔力自体が負に染まり黒くなるんや」
「何それ怖い!」
「まぁ負、言うても色々や。怒りで魔力量が上がるのと変わらん」
そうなんだ……
ベンゾウのは何となく、あの小刀からだろうが、スワロは奴隷生活の影響なのだろうか?
「負の魔力ですか…… 私も初めて聞きました」
「そうそう会える類いじゃないで! 特別な力や! 精霊でも持ってるもんは少ないはずや」
「負の魔力って、なんか良いイメージじゃないな」
「惣一郎、左腕出してみい!」
ドラミに言われるまま、幻腕を出す惣一郎。
「青いやろ! これが聖なる魔力や。負の反対のな」
マジか……
「聖なる魔力は、さらに珍しいで! まして人の身じゃありえへん力や。知っとる思うとったわ」
「そんな魔力を、何で俺が?」
「知るかボケ! ウチが聞きたいわ」
「さ、さすが勇者様です!」
「主人は別格と言う事だな!」
「ケラケラケラ!」
……………
ベンゾウはお菓子をずっと食べていたにも関わらず、すごい食欲を見せる。
「惣一郎様、自分の演技どうでした!」
「あれが演技て、笑うわ!」
品のない美人のドラミ。
「しかし主人よ、あんなの仲間に入れて、本当に大丈夫なのか?」
「せや! アホが服着とるだけやで!」
「まぁ、少し様子見てみよう。蟲を隷属するスキルには興味があるし、鍛えればそこそこ強くなるとは思うんだが、まぁソレはゴゴに一任するよ」
「丸投げですか! まぁ、さっき言った事は本当です。反射速度は大した物ですから、鍛えれば……」
「それより、タイガ達もだいぶ強くなったんじゃない? そろそろ実戦に出てみるか」
「この先の蟲の巣にですか?」
「ああ、数も多いし、経験が一番だし」
嬉しそうなゴゴだった。
こうして、武器を渡してあるゴゴとジジ、それとタイガとドラゴンとハクの5人が、明日の討伐に参加する事になる。
ホルスタインは大きなハンマーを、ジャニーは両手剣を今、工房でドワーフ達が製造中なので、キッドのお守りに残る事になる。
食事を詰め込むゴゴが準備にと席を立つ。
「嬉しそうだな」
「みんな惣一郎様のお役に立ちたいのです」
「そだ、ミネア! 後でベンゾウの魔法陣も覚えて欲しいんだが」
「またですか! そんな多く覚えられるかしら? すでに職人の域を超えているんですよ」
「お役に立ちたいんだろ?」
笑いながら惣一郎は、サバの缶詰やDHAの入ったパンを渡す。
気休めだが……
溜め息を吐きながら受け取るミネア。
「最近使ってないから忘れてないといいけど」
ベンゾウの言葉に惣一郎が、
「使ってない? お前にあった魔法だっただろ?」
「國家達出すだけで、ベンゾウの魔力空っぽになるの」
「やっぱ魔力なのかアレ!」
魔力が少な目のベンゾウでは、そんなに出して置けない訳だ……
「ベンゾウ殿は主人の魔力、使えないのか?」
「ご主人様の?」
「私も主人と契約して使える様になったのだ。このレーテウルのおかげで」
「あっ、そう言えばベンゾウ今、ご主人様の奴隷じゃなかった!」
「えっ、う、うん」
縋る様に見つめるベンゾウ。
自分から奴隷になりたいとか、相変わらず良く分からん奴だ……
「わかった。ギネア達が戻ったらキューテッドに頼んで契約してもらおう」
「やった!」っと喜ぶベンゾウ。
本当にいいのだろうか?
まぁ、魔力制限が無くなれば、ベンゾウは今以上に強くなるし、いいか……
「そう言えば、スワロもベンゾウと似た黒いオーラを出す様になったよな?」
「そうなのか?」
アレ、気付いてなかった?
「負の魔力やな! 負の感情が強いと魔力自体が負に染まり黒くなるんや」
「何それ怖い!」
「まぁ負、言うても色々や。怒りで魔力量が上がるのと変わらん」
そうなんだ……
ベンゾウのは何となく、あの小刀からだろうが、スワロは奴隷生活の影響なのだろうか?
「負の魔力ですか…… 私も初めて聞きました」
「そうそう会える類いじゃないで! 特別な力や! 精霊でも持ってるもんは少ないはずや」
「負の魔力って、なんか良いイメージじゃないな」
「惣一郎、左腕出してみい!」
ドラミに言われるまま、幻腕を出す惣一郎。
「青いやろ! これが聖なる魔力や。負の反対のな」
マジか……
「聖なる魔力は、さらに珍しいで! まして人の身じゃありえへん力や。知っとる思うとったわ」
「そんな魔力を、何で俺が?」
「知るかボケ! ウチが聞きたいわ」
「さ、さすが勇者様です!」
「主人は別格と言う事だな!」
「ケラケラケラ!」
……………
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