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第二章
十九話【少女の覚悟】
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大きな扉の向こうには中庭が広がっていた。
5本の大木が中庭を囲む様に広がる。
小さな村ほどの広さであった。
「おい、ここも木の中なのか?」
ミネア達は声を失っていた。
苔が生える大木の根元は、段々畑の様に平らな土地が右にカーブを描き、一段おきに家が数軒建ちそうな広さであった。
右に上がって行く奥の土地は、惣一郎達の住んでいる1本目の木の三階部分に繋がっている。
大きな枝ぶりの良い木々が揺れ、木漏れ日を地面に彩る。
2本目の大木の根元には、大きな根がうねり地面に刺さっている。
その根にドアがあり、木にも窓が所々に見える。
言葉も出ない惣一郎達に、復活したドリーが後ろから現れて、
「どうじゃ、妾と惣一郎の子じゃ!」
景色に見惚れる惣一郎達の耳には、ドリーの声は届いて無かった。
数日ぶりの外に、喜び走り回るエルデとハイデ。
外では無いが……
5本の大木の根にぐるりと包まれた村。
「そ、惣一郎様……」
「は、はい……」
続く言葉は無かった……
落ち着きを取り戻した惣一郎が、2本目の木の中の部屋に家具を並べていく。
木の中は5つの部屋に分かれており、一階に2部屋、二階に3部屋と廊下で繋がっていた。
一階には階段のある大部屋があり、大きな窓が中を明るく照らしていた。
「取り敢えずベッドは置いておいたが、足らない物があれば言ってくれ」
一階のリビングに置かれたソファーに座りながら惣一郎がミネア達に話しかける。
「惣一郎様、本当にここに住まわせて頂いてよろしいのですか?」
「まぁ、取り敢えず行く所が見つかるまでは、自由に使ってくれて構わないぞ!」
「ですが、その……」
「ああ、家賃取ったりはしないよ! 安心してくれ。まぁ後で手伝いぐらいは期待するがね。畑も作れそうだし!」
「も、もちろんです!」
「惣一郎様! エルデもいっぱい手伝うよ!」
「ハイデも!」
なんだかんだ惣一郎に懐き始めたふたりが、ソファーの両脇に座りお菓子を食べながら手伝いを申し出る。
幼い2人がお菓子を食べる姿に、ベンゾウを思い出す惣一郎。
「しばらく食事は今まで通りウチで、風呂も新たに作るまでは自由に使ってくれ」
「何から何まで、本当に感謝します惣一郎様」
「気にすんな」
窓から見える中庭に、両手を広げ陽射しを受けるドリーが立っているのが見える。
まさに木であった。
その日の夜、惣一郎とスワロが寝る寝室に訪れたミネア。
薄着で顔を赤く染めていた。
「あ、あの……」
「何かあったのか?」
「主人よ、もう少し察したらどうだ……」
呆れたスワロがミネアに毛布をかけ、
「主人はそんな事を強要するお人じゃないぞ。家族の為に無理をする必要は無い」
察した惣一郎の顔も赤くなっていく。
「そ、そんなつもりは無いぞ! いや、ミネアに魅力が無いとかじゃ無くてな、単純に幼いハイデ達が心配でな!」
「で、ですが、この御恩に私達は何もお返しする事が出来ないですし……」
「主人よ、少女の覚悟だ。私は止めぬが……」
「アホ! ミネア、取り敢えず落ち着こう!」
惣一郎はキッチンでお茶を淹れる。
自分が落ち着く為に……
5本の大木が中庭を囲む様に広がる。
小さな村ほどの広さであった。
「おい、ここも木の中なのか?」
ミネア達は声を失っていた。
苔が生える大木の根元は、段々畑の様に平らな土地が右にカーブを描き、一段おきに家が数軒建ちそうな広さであった。
右に上がって行く奥の土地は、惣一郎達の住んでいる1本目の木の三階部分に繋がっている。
大きな枝ぶりの良い木々が揺れ、木漏れ日を地面に彩る。
2本目の大木の根元には、大きな根がうねり地面に刺さっている。
その根にドアがあり、木にも窓が所々に見える。
言葉も出ない惣一郎達に、復活したドリーが後ろから現れて、
「どうじゃ、妾と惣一郎の子じゃ!」
景色に見惚れる惣一郎達の耳には、ドリーの声は届いて無かった。
数日ぶりの外に、喜び走り回るエルデとハイデ。
外では無いが……
5本の大木の根にぐるりと包まれた村。
「そ、惣一郎様……」
「は、はい……」
続く言葉は無かった……
落ち着きを取り戻した惣一郎が、2本目の木の中の部屋に家具を並べていく。
木の中は5つの部屋に分かれており、一階に2部屋、二階に3部屋と廊下で繋がっていた。
一階には階段のある大部屋があり、大きな窓が中を明るく照らしていた。
「取り敢えずベッドは置いておいたが、足らない物があれば言ってくれ」
一階のリビングに置かれたソファーに座りながら惣一郎がミネア達に話しかける。
「惣一郎様、本当にここに住まわせて頂いてよろしいのですか?」
「まぁ、取り敢えず行く所が見つかるまでは、自由に使ってくれて構わないぞ!」
「ですが、その……」
「ああ、家賃取ったりはしないよ! 安心してくれ。まぁ後で手伝いぐらいは期待するがね。畑も作れそうだし!」
「も、もちろんです!」
「惣一郎様! エルデもいっぱい手伝うよ!」
「ハイデも!」
なんだかんだ惣一郎に懐き始めたふたりが、ソファーの両脇に座りお菓子を食べながら手伝いを申し出る。
幼い2人がお菓子を食べる姿に、ベンゾウを思い出す惣一郎。
「しばらく食事は今まで通りウチで、風呂も新たに作るまでは自由に使ってくれ」
「何から何まで、本当に感謝します惣一郎様」
「気にすんな」
窓から見える中庭に、両手を広げ陽射しを受けるドリーが立っているのが見える。
まさに木であった。
その日の夜、惣一郎とスワロが寝る寝室に訪れたミネア。
薄着で顔を赤く染めていた。
「あ、あの……」
「何かあったのか?」
「主人よ、もう少し察したらどうだ……」
呆れたスワロがミネアに毛布をかけ、
「主人はそんな事を強要するお人じゃないぞ。家族の為に無理をする必要は無い」
察した惣一郎の顔も赤くなっていく。
「そ、そんなつもりは無いぞ! いや、ミネアに魅力が無いとかじゃ無くてな、単純に幼いハイデ達が心配でな!」
「で、ですが、この御恩に私達は何もお返しする事が出来ないですし……」
「主人よ、少女の覚悟だ。私は止めぬが……」
「アホ! ミネア、取り敢えず落ち着こう!」
惣一郎はキッチンでお茶を淹れる。
自分が落ち着く為に……
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