24 / 194
第二章
六話【精霊うざし】
しおりを挟む
深夜かいた汗をクリーンの魔法で綺麗にする、裸のふたり。
「主人は凄いな……」
頑張り過ぎたかな?
「こんな素敵な城を……」
あ、そっちか……
心地良い疲れの中、ぼーっとベッド脇の床を見ていると、床の一部が薄っすらと光りだす!
飛び起きる惣一郎!
スワロもシーツを纏う。
床から突然現れたのは、木で出来た人の様な影であった。
腰を曲げ、前屈みの枝で造られた様な人影が、起き上がると、木の質感そのままの女性だった。
髪の毛まで枝で出来ている。
「だ、誰だ!」
惣一郎は慌てて幻腕を出し、ククリ刀を回し始める。
「突然すまない人の児よ…… 妾は木の精霊[ドライアドリス]……」
ドライ…… 精霊?
「敵意は無い……」
無いのだろう…… あればとっくにやられてる。
「にしても、覗きは良く無いぞ!」
スワロさん、今はそれ所じゃ……
「生き物にとって至極自然な事だ、気にする事なかろう……」
「いや、こっちが気にするのよ!」
「そうか…… すまぬ、以後憶えておこう……」
「と、取り敢えず…… 服着ていいか?」
惣一郎は改めて、キッチンのテーブルでお茶を出す。
ドライアドリスは出されたお茶に興味を示す。
「毒なんて入ってないぞ」
「口にする物なのか…… どれ……」
身体から生えた枝が、器用に口元にお茶を運ぶ。
「ほぉ、染み込む……」
「そ、それで、突然現れた理由を聞いても?」
「突然現れたのは、其方らなのだが…… まぁよい話そう……」
ドライアドリスは、このツリーハウスに何百年も宿っていた精霊だと言う。
それが突然、大きな魔力を取り込み、木が喜びの声をあげているというので、深い眠りから目覚めたそうだ。
まさか精霊がいたとは……
人の短い時間だろうと気にもしなかったそうだが、夜の惣一郎達のアレがアレして、床に付いたアレを取り込んだ所、濃縮された魔力に驚き、力漲り、数百年ぶりに世に顕現したそうだ……
まさか…… 出来たとか言い出さないだろうな!
「惣一郎といったか、其方… 先ほどの精…… もっとくれぬか?」
「「 断る! 」」
折角手に入れた家に、まさかこんな変なのが憑いていたとは……
どうする…… 手放すか……
クソ……
すっかり様変わりした室内を、珍しそうに見て回るドライアドリス。
床に沈むと向こうの壁から現れたり、壁に溶け込むと天井から顔を出す。
神出鬼没とはまさに…… そしてウザイ!
「すまん、スワロ…… 折角手に入れた家だが、他を探そうと思う」
「そ、そんな! おのれ覗き魔め倒してやる」
やめなさい……
「それは困るぞ惣一郎…… 妾も既に、其方の精の虜じゃ」
「やっぱ出よう……」
窓に朝陽が射し込む。
爽やかな朝を迎えた惣一郎の顔は曇っていた。
「主人は凄いな……」
頑張り過ぎたかな?
「こんな素敵な城を……」
あ、そっちか……
心地良い疲れの中、ぼーっとベッド脇の床を見ていると、床の一部が薄っすらと光りだす!
飛び起きる惣一郎!
スワロもシーツを纏う。
床から突然現れたのは、木で出来た人の様な影であった。
腰を曲げ、前屈みの枝で造られた様な人影が、起き上がると、木の質感そのままの女性だった。
髪の毛まで枝で出来ている。
「だ、誰だ!」
惣一郎は慌てて幻腕を出し、ククリ刀を回し始める。
「突然すまない人の児よ…… 妾は木の精霊[ドライアドリス]……」
ドライ…… 精霊?
「敵意は無い……」
無いのだろう…… あればとっくにやられてる。
「にしても、覗きは良く無いぞ!」
スワロさん、今はそれ所じゃ……
「生き物にとって至極自然な事だ、気にする事なかろう……」
「いや、こっちが気にするのよ!」
「そうか…… すまぬ、以後憶えておこう……」
「と、取り敢えず…… 服着ていいか?」
惣一郎は改めて、キッチンのテーブルでお茶を出す。
ドライアドリスは出されたお茶に興味を示す。
「毒なんて入ってないぞ」
「口にする物なのか…… どれ……」
身体から生えた枝が、器用に口元にお茶を運ぶ。
「ほぉ、染み込む……」
「そ、それで、突然現れた理由を聞いても?」
「突然現れたのは、其方らなのだが…… まぁよい話そう……」
ドライアドリスは、このツリーハウスに何百年も宿っていた精霊だと言う。
それが突然、大きな魔力を取り込み、木が喜びの声をあげているというので、深い眠りから目覚めたそうだ。
まさか精霊がいたとは……
人の短い時間だろうと気にもしなかったそうだが、夜の惣一郎達のアレがアレして、床に付いたアレを取り込んだ所、濃縮された魔力に驚き、力漲り、数百年ぶりに世に顕現したそうだ……
まさか…… 出来たとか言い出さないだろうな!
「惣一郎といったか、其方… 先ほどの精…… もっとくれぬか?」
「「 断る! 」」
折角手に入れた家に、まさかこんな変なのが憑いていたとは……
どうする…… 手放すか……
クソ……
すっかり様変わりした室内を、珍しそうに見て回るドライアドリス。
床に沈むと向こうの壁から現れたり、壁に溶け込むと天井から顔を出す。
神出鬼没とはまさに…… そしてウザイ!
「すまん、スワロ…… 折角手に入れた家だが、他を探そうと思う」
「そ、そんな! おのれ覗き魔め倒してやる」
やめなさい……
「それは困るぞ惣一郎…… 妾も既に、其方の精の虜じゃ」
「やっぱ出よう……」
窓に朝陽が射し込む。
爽やかな朝を迎えた惣一郎の顔は曇っていた。
22
お気に入りに追加
257
あなたにおすすめの小説
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!
夕凪五月雨影法師
ファンタジー
AIイラストあり! 追放された世界最強の勇者が、ハーレムの女の子たちと自由気ままなスローライフを送る、ちょっとエッチでハートフルな異世界ラブコメディ!!
国内最強の勇者パーティを率いる勇者ユーリが、突然の引退を宣言した。
幼い頃に神託を受けて勇者に選ばれて以来、寝る間も惜しんで人々を助け続けてきたユーリ。
彼はもう限界だったのだ。
「これからは好きな時に寝て、好きな時に食べて、好きな時に好きな子とエッチしてやる!! ハーレム作ってやるーーーー!!」
そんな発言に愛想を尽かし、パーティメンバーは彼の元から去っていくが……。
その引退の裏には、世界をも巻き込む大規模な陰謀が隠されていた。
その陰謀によって、ユーリは勇者引退を余儀なくされ、全てを失った……。
かのように思われた。
「はい、じゃあ僕もう勇者じゃないから、こっからは好きにやらせて貰うね」
勇者としての条約や規約に縛られていた彼は、力をセーブしたまま活動を強いられていたのだ。
本来の力を取り戻した彼は、その強大な魔力と、金貨1,000万枚にものを言わせ、好き勝手に人々を救い、気ままに高難度ダンジョンを攻略し、そして自身をざまぁした巨大な陰謀に立ち向かっていく!!
基本的には、金持ちで最強の勇者が、ハーレムの女の子たちとまったりするだけのスローライフコメディです。
異世界版の光源氏のようなストーリーです!
……やっぱりちょっと違います笑
また、AIイラストは初心者ですので、あくまでも小説のおまけ程度に考えていただければ……(震え声)
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
NTRエロゲの世界に転移した俺、ヒロインの好感度は限界突破。レベルアップ出来ない俺はスキルを取得して無双する。~お前らNTRを狙いすぎだろ~
ぐうのすけ
ファンタジー
高校生で18才の【黒野 速人】はクラス転移で異世界に召喚される。
城に召喚され、ステータス確認で他の者はレア固有スキルを持つ中、速人の固有スキルは呪い扱いされ城を追い出された。
速人は気づく。
この世界、俺がやっていたエロゲ、プリンセストラップダンジョン学園・NTRと同じ世界だ!
この世界の攻略法を俺は知っている!
そして自分のステータスを見て気づく。
そうか、俺の固有スキルは大器晩成型の強スキルだ!
こうして速人は徐々に頭角を現し、ハーレムと大きな地位を築いていく。
一方速人を追放したクラスメートの勇者源氏朝陽はゲームの仕様を知らず、徐々に成長が止まり、落ちぶれていく。
そしてクラス1の美人【姫野 姫】にも逃げられ更に追い込まれる。
順調に強くなっていく中速人は気づく。
俺達が転移した事でゲームの歴史が変わっていく。
更にゲームオーバーを回避するためにヒロインを助けた事でヒロインの好感度が限界突破していく。
強くなり、ヒロインを救いつつ成り上がっていくお話。
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
カクヨムとアルファポリス同時掲載。
男女比1対999の異世界は、思った以上に過酷で天国
てりやき
ファンタジー
『魔法が存在して、男女比が1対999という世界に転生しませんか? 男性が少ないから、モテモテですよ。もし即決なら特典として、転生者に大人気の回復スキルと収納スキルも付けちゃいますけど』
女性経験が無いまま迎えた三十歳の誕生日に、不慮の事故で死んでしまった主人公が、突然目の前に現れた女神様の提案で転生した異世界で、頑張って生きてくお話。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる