11 / 194
第一章
十一話【離れられないふたり】
しおりを挟む
「死なないの?」
「ああ、離れられないとは…… いや試して見よう、その方が早い」
マジ? 怖いんですが……
テントを出るスワロの後を、不安顔の惣一郎が付いていく。
「惣一郎殿、遠く離れてみてくれ」
大丈夫なのだろうか……
「では、私が離れよう」
「分かった、じゃ離れるぞ!」
惣一郎は瞬間移動で森の奥へ転移する。
すると離れた直後、首の紋様が浮き上がり、目の前の地面に魔法陣を描き出す。
現れたのは、スワロだった……
「えっ、転移魔法?」
「ああ、強制転移魔法だ。これが離れられない理由だ。どうしても離れる時は、地面に杭を打ち、鎖で繋ぐと固定され、強制出来なくなるのだ」
あっ、そう言う理由だったのか…… あの鎖。
「これで問題は無いな!」
…………
これは逆に、強味にもなり得るのでは無いのだろうか……
まずは知らない世界の事を、もっと知らなくてはいけない様だな。
テントに戻り、食事の準備を始める惣一郎。
スワロは嬉しそうにレーテウルを眺めていた。
調理器具も充実して来たので、作り置きも考え、カセットコンロでご飯を炊き、寸胴ではシチューやカレー、ミネストローネなどが作られていく。
包丁やフライパンが宙に浮き、惣一郎は杖を持って立っているだけで、とても作ってる様には見えなかった。
「なぁスワロ、この世界では転移魔法はポピュラーなのか?」
「ぽぴゅ? ああ、町に行けば転移屋があるぞ、有料だそうだがな」
「へぇ~ じゃ移動は楽そうだな~」
「旅をする上では欠かせない物らしいな、厄災から生き抜く事も」
なるほどね~ 生き残れる訳だ……
「スワロも大分回復したし、明日町に戻って旅を始めるか?」
「ああ、いつでも戦えるぞ! 早く試したいぐらいだ」
昔のスワロに戻った様で、惣一郎も顔がほころむ。
夕食を摂り、クリーンをかけ、仕切の向こうのベッドで横になるスワロ。
惣一郎もベッドに入ると灯りが落ちる。
「なぁ惣一郎殿」
「ん?」
「また、湯船にも浸かりたいな……」
「ああ、そうだな、町で聞いて見よう」
静かな夜が更けていく。
翌朝、惣一郎のベッドで目を覚ますスワロ。
起きた惣一郎も下着姿のスワロに驚く。
「またか!」
「おはよう惣一郎殿、どうやら寝てる間に転移した様だな」
「そんな離れて無いだろ!」
小悪魔の様な笑みを浮かべるスワロが、着替え始める。
こりゃ時間の問題だな…… っとため息を吐く、惣一郎。
「ああ、離れられないとは…… いや試して見よう、その方が早い」
マジ? 怖いんですが……
テントを出るスワロの後を、不安顔の惣一郎が付いていく。
「惣一郎殿、遠く離れてみてくれ」
大丈夫なのだろうか……
「では、私が離れよう」
「分かった、じゃ離れるぞ!」
惣一郎は瞬間移動で森の奥へ転移する。
すると離れた直後、首の紋様が浮き上がり、目の前の地面に魔法陣を描き出す。
現れたのは、スワロだった……
「えっ、転移魔法?」
「ああ、強制転移魔法だ。これが離れられない理由だ。どうしても離れる時は、地面に杭を打ち、鎖で繋ぐと固定され、強制出来なくなるのだ」
あっ、そう言う理由だったのか…… あの鎖。
「これで問題は無いな!」
…………
これは逆に、強味にもなり得るのでは無いのだろうか……
まずは知らない世界の事を、もっと知らなくてはいけない様だな。
テントに戻り、食事の準備を始める惣一郎。
スワロは嬉しそうにレーテウルを眺めていた。
調理器具も充実して来たので、作り置きも考え、カセットコンロでご飯を炊き、寸胴ではシチューやカレー、ミネストローネなどが作られていく。
包丁やフライパンが宙に浮き、惣一郎は杖を持って立っているだけで、とても作ってる様には見えなかった。
「なぁスワロ、この世界では転移魔法はポピュラーなのか?」
「ぽぴゅ? ああ、町に行けば転移屋があるぞ、有料だそうだがな」
「へぇ~ じゃ移動は楽そうだな~」
「旅をする上では欠かせない物らしいな、厄災から生き抜く事も」
なるほどね~ 生き残れる訳だ……
「スワロも大分回復したし、明日町に戻って旅を始めるか?」
「ああ、いつでも戦えるぞ! 早く試したいぐらいだ」
昔のスワロに戻った様で、惣一郎も顔がほころむ。
夕食を摂り、クリーンをかけ、仕切の向こうのベッドで横になるスワロ。
惣一郎もベッドに入ると灯りが落ちる。
「なぁ惣一郎殿」
「ん?」
「また、湯船にも浸かりたいな……」
「ああ、そうだな、町で聞いて見よう」
静かな夜が更けていく。
翌朝、惣一郎のベッドで目を覚ますスワロ。
起きた惣一郎も下着姿のスワロに驚く。
「またか!」
「おはよう惣一郎殿、どうやら寝てる間に転移した様だな」
「そんな離れて無いだろ!」
小悪魔の様な笑みを浮かべるスワロが、着替え始める。
こりゃ時間の問題だな…… っとため息を吐く、惣一郎。
24
お気に入りに追加
262
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる