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第一章
三話【知らないルール】
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テントを出る惣一郎。
太陽が昇っている。
方角は東でいいのだろうか?
真っ赤な土の荒野が、森から先に広がっていた。
背面の森の木々は見慣れた物でホッとする。
自分にクリーンをかけ、テントを収納。
「さて、何処に向かえばいいんだろう……」
魔石が無いので、まだ杖も作っていない。
漠然とサーチを森に飛ばしてみる。
「おっ、森の中になんかいる」
厄災だろうか?
殺虫剤も買ったし、杖は早く持ってたいので魔石が欲しい。
魔石が無いと杖が作れない。
杖は体全体から無駄に放出される魔力を、魔鋼と呼ばれる金属で無駄なく集め、指向性を持たせる魔石から、狙った場所へと魔法を放つ事が出来る魔導士には必須の武器である。
しかもこの魔鋼、ミチル鋼と言うのだが、元の世界のアルミニウムと似た物であり、軽さ魔力の伝導力など、魔鋼よりアルミの方が優れているのだ。
なので素材はいつでもネットショップスキルで買う事が出来る。
後は魔石だけである。
その魔石を求め、惣一郎は森の中を進んで行く。
杖が無いと瞬間移動も、何処に飛ぶかも分からないからだ。
反応があった森の中で、息を殺し近付く惣一郎。
やはり厄災の様だ!
緑色の巨大なバッタ[キリギリス]だろう。
棘の付いた長い六本の脚に、巨大な葉っぱの様な羽。
小さければ森で見つけるのは難しいだろうが、あの大きさで擬態する意味があるのだろうか?
それよりも、杖無しでやれるか?
惣一郎は先端を尖らせた金属の棒を取り出して、テレキシスで印を結び、宙に浮かせる!
狙いを定めて…… 撃ち込む!
ズレた!
だが、キリギリスの腹部の端に、かろうじて刺さった槍は、後ろの木に厄災を縫い付ける!
慌てて、昨夜作った槍10本中残り9本を、なりふり構わず撃ち込む!
硬く無い厄災で良かった~
キリギリスに3本が命中しており、内一本が頭部を貫いていたが、まだ脚が動いている。
惣一郎は殺虫剤の入った瓶を、そっと近付き顔に投げつける。
効いたかな?
動かなくなった。
そして魔石は…… どうしよう?
いつも、ベンゾウが取ってくれていた。
確か胸辺りに……
惣一郎が魔石を見つけたのは、ククリ刀で切り裂きグチャグチャになった厄災が、原型を無くした頃であった。
惣一郎はそのまま近くにテントを出し、先ずは杖を優先して作ろうと籠り始める。
以前使っていた理喪棍と言う杖同様、超々ジュラルミンの鋼材に魔石を取り付けただけの、長目の根である。
思ったより早く出来たので、このまま進もうか悩んでいると、テントの外から声が聞こえて来た。
おっ、この世界の人に早くも会えるとは、運が良いぞ!
期待に胸を弾ませながらも、惣一郎は慎重にテントから顔だけ出して様子を伺う。
そこには、爬虫類顔のリザードマンが長い槍を携え3人と…… 奴隷だろうか?
見窄らしい格好のエルフの男が、鎖が繋がる首輪をして立っていた。
「オイ、どうなってんだ! 蟲が、緑の蟲が死んでるぞ!」
「こんなグチャグチャに…… コレをやった蟲が、まだ近くにいるかも知れないぞ!」
「直ぐに隠れないと蟲に見つかるぞ!」
あら、いなくなられては困るな……
惣一郎はテントから出て、リザードマンに話しかける。
「あの~ すいませんお騒がせして、俺が倒したんですよ、ソレ!」
「なっ、どっから出た!」
「コイツ、魔族か?」
「魔族なんてどうでもいい、早く隠れよう!」
「いえ、蟲は近くにいませんよ!」
「何言ってんだコイツ!」
「蟲を殺せるなんて蟲しかいないだろ! もう飛び去ったのか?」
「えっ、そうそう、さっき飛んで行くの見たんですよ! だから隠れなくても大丈夫です」
「「「 …………… 」」」
「本当だろうな……」
「はい、それは巨大な黒いハサミを口から生やした奴でして…… あはは」
「……… お前見たか?」
「いや、お前は?」
「見てない……」
「「「 …………… 」」」
良かった、会話も問題無さそうだな……
「ま、まぁ信じよう、オイ、急いで素材を剥ぎ取るぞ!」
するとエルフが鎖に繋がれたまま、緑色の透き通るナイフで、厄災の素材を剥ぎ取り始める。
「お前は何処から来た!」
「それがサッパリ! 気が付いたら、森に倒れてまして……」
「オイ、首をよく見せろ!」
「へっ、首?」
「いいから見せろ!」っと、槍を向けるリザードマン。
言われた通りに首を見せる惣一郎。
「奴隷が逃げて来た訳じゃ無さそうだな」
「ええ、あなた方は冒険者ですか?」
「はぁ? ボウケンシャってなんだ!」
「あ、いえ、この近くの方ですか?」
「貴様、それを聞いてどうする!」
リザードマンの3人は、惣一郎に槍を向け、腰を落とし構える!
ありゃ、やる気満々だな……
太陽が昇っている。
方角は東でいいのだろうか?
真っ赤な土の荒野が、森から先に広がっていた。
背面の森の木々は見慣れた物でホッとする。
自分にクリーンをかけ、テントを収納。
「さて、何処に向かえばいいんだろう……」
魔石が無いので、まだ杖も作っていない。
漠然とサーチを森に飛ばしてみる。
「おっ、森の中になんかいる」
厄災だろうか?
殺虫剤も買ったし、杖は早く持ってたいので魔石が欲しい。
魔石が無いと杖が作れない。
杖は体全体から無駄に放出される魔力を、魔鋼と呼ばれる金属で無駄なく集め、指向性を持たせる魔石から、狙った場所へと魔法を放つ事が出来る魔導士には必須の武器である。
しかもこの魔鋼、ミチル鋼と言うのだが、元の世界のアルミニウムと似た物であり、軽さ魔力の伝導力など、魔鋼よりアルミの方が優れているのだ。
なので素材はいつでもネットショップスキルで買う事が出来る。
後は魔石だけである。
その魔石を求め、惣一郎は森の中を進んで行く。
杖が無いと瞬間移動も、何処に飛ぶかも分からないからだ。
反応があった森の中で、息を殺し近付く惣一郎。
やはり厄災の様だ!
緑色の巨大なバッタ[キリギリス]だろう。
棘の付いた長い六本の脚に、巨大な葉っぱの様な羽。
小さければ森で見つけるのは難しいだろうが、あの大きさで擬態する意味があるのだろうか?
それよりも、杖無しでやれるか?
惣一郎は先端を尖らせた金属の棒を取り出して、テレキシスで印を結び、宙に浮かせる!
狙いを定めて…… 撃ち込む!
ズレた!
だが、キリギリスの腹部の端に、かろうじて刺さった槍は、後ろの木に厄災を縫い付ける!
慌てて、昨夜作った槍10本中残り9本を、なりふり構わず撃ち込む!
硬く無い厄災で良かった~
キリギリスに3本が命中しており、内一本が頭部を貫いていたが、まだ脚が動いている。
惣一郎は殺虫剤の入った瓶を、そっと近付き顔に投げつける。
効いたかな?
動かなくなった。
そして魔石は…… どうしよう?
いつも、ベンゾウが取ってくれていた。
確か胸辺りに……
惣一郎が魔石を見つけたのは、ククリ刀で切り裂きグチャグチャになった厄災が、原型を無くした頃であった。
惣一郎はそのまま近くにテントを出し、先ずは杖を優先して作ろうと籠り始める。
以前使っていた理喪棍と言う杖同様、超々ジュラルミンの鋼材に魔石を取り付けただけの、長目の根である。
思ったより早く出来たので、このまま進もうか悩んでいると、テントの外から声が聞こえて来た。
おっ、この世界の人に早くも会えるとは、運が良いぞ!
期待に胸を弾ませながらも、惣一郎は慎重にテントから顔だけ出して様子を伺う。
そこには、爬虫類顔のリザードマンが長い槍を携え3人と…… 奴隷だろうか?
見窄らしい格好のエルフの男が、鎖が繋がる首輪をして立っていた。
「オイ、どうなってんだ! 蟲が、緑の蟲が死んでるぞ!」
「こんなグチャグチャに…… コレをやった蟲が、まだ近くにいるかも知れないぞ!」
「直ぐに隠れないと蟲に見つかるぞ!」
あら、いなくなられては困るな……
惣一郎はテントから出て、リザードマンに話しかける。
「あの~ すいませんお騒がせして、俺が倒したんですよ、ソレ!」
「なっ、どっから出た!」
「コイツ、魔族か?」
「魔族なんてどうでもいい、早く隠れよう!」
「いえ、蟲は近くにいませんよ!」
「何言ってんだコイツ!」
「蟲を殺せるなんて蟲しかいないだろ! もう飛び去ったのか?」
「えっ、そうそう、さっき飛んで行くの見たんですよ! だから隠れなくても大丈夫です」
「「「 …………… 」」」
「本当だろうな……」
「はい、それは巨大な黒いハサミを口から生やした奴でして…… あはは」
「……… お前見たか?」
「いや、お前は?」
「見てない……」
「「「 …………… 」」」
良かった、会話も問題無さそうだな……
「ま、まぁ信じよう、オイ、急いで素材を剥ぎ取るぞ!」
するとエルフが鎖に繋がれたまま、緑色の透き通るナイフで、厄災の素材を剥ぎ取り始める。
「お前は何処から来た!」
「それがサッパリ! 気が付いたら、森に倒れてまして……」
「オイ、首をよく見せろ!」
「へっ、首?」
「いいから見せろ!」っと、槍を向けるリザードマン。
言われた通りに首を見せる惣一郎。
「奴隷が逃げて来た訳じゃ無さそうだな」
「ええ、あなた方は冒険者ですか?」
「はぁ? ボウケンシャってなんだ!」
「あ、いえ、この近くの方ですか?」
「貴様、それを聞いてどうする!」
リザードマンの3人は、惣一郎に槍を向け、腰を落とし構える!
ありゃ、やる気満々だな……
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