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13話

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 数日間、伯爵家に寝泊まりしてそれで僕たちは帰ってきた。都市ラビリンスへ。入るために検査を受けた僕たちは、まずしばらく顔を出していなかった、ギルドにやってきた。
 それで、まだ僕たちはFランクだったので、Fランクの依頼を受けようとしたら周りから変な目で見られた。

「あの~すみませんが、何故このようなクエストを受けるのですか?」
「え?だってまだ僕たちFランクですし、Fランクの依頼を受けるのは当然じゃないんですか?」
「え!?Fランク?いえ確かにこちらの情報だとリョータさんがExランクでそちらのティアラさんがCランクになっていますが?・・・・あ、もしかしてカードの更新をなされていないんですか?ちょっと待ってください。今カードを更新しますので。」

 また机の下から何か機械のようなものを取り出すと、そこにカードを置いた。
 すると、僕のカードの縁が黒色になり、ティアラのカードの縁が青色になった。いったいどういう原理なのだろうと思うが、僕が考えても専門知識などはないのであきらめた。

「はい、ギルドカードの更新が終了しました。お返ししますね。それで一体何のクエストを受けるのでしょうか?」
「「もう一度選びなおしてきます・・・・」」

 僕たちはもう一度良いクエストがないか探したがほとんど良いクエストはなかった。なので、少し遠出にはなるが、近くの砂漠に行くことにした。その砂漠は名前はないが、ポーションの材料であるサボテンの花などがとれるので採取地としてはかなりの人気になっている。が、その分強い魔物も発生するため、護衛クエストなどがある。僕たちはその中でも討伐クエストをうけた。難易度はD+とC-だ。
 僕たちが討伐するのは二種類。スコーピと、デザートフィッシュだ。両方とも肉食なので人を襲う。そのため討伐依頼が出るのだ。
 スコーピの特徴は、ほとんど蠍と同じだが尻尾の数で強さが決まり、観測された中で一番尻尾の数が多いのは十本だ。さらに尻尾の攻撃を喰らうと、毒になったりする。毒は麻痺毒で食らったらアンチパララチズで消すか毒消し草を食べれば治る。
 デザートフィッシュは、常に砂の中にもぐっていて移動するときは砂の中を泳ぎながら進む。うかつにデザートフィッシュの真上を歩くと食べられてしまうので、要注意なのだ。
 とりあえず車で砂漠まで行きそこからは、歩きで敵を探す。
 もしかしたら、威圧を使ってればデザートフィッシュが驚いて出てくるかな?と思いティアラ以外の周りに使っている。
 そして、五分後急に砂の中から何かが飛び出してきた。ティアラは驚いたような顔をしてすぐにそちらの方へ走っていく。その後を僕も追いかけていく。
 そこには、砂の上でぴくぴくと動いている、デザートフィッシュがいた。

「どうしたのでしょうか?デザートフィッシュが砂の上でぴくぴく動いているなんて・・・・何かここでも起こっているのでしょうか?」
「いや・・・・ティアラたぶん違うと思うぞ?僕のせいだと思うよ?」
「リョータさんそれはどういうことですか?」
「いや、この前、龍を倒した時に威圧・龍を覚えたからそれでだと思う。」
「そうですか・・・・・って威圧・龍ですか!?」
「龍を単独討伐したものに与えられる称号で、覚えられたよ。」
「そんな称号があるんですか・・・・」

 そう言って、ぴくぴく動いているデザートフィッシュを見てため息をついて、そのデザートフィッシュに止めを刺した。
 デザートフィッシュのドロップアイテムは、背びれと何故か紙に包まれた肉が入手できた。
 あ、そういえば最近アセナとハティの出番がないな・・・・フォレストウルフだからここに出しても平気だろうか?と思いカードを見ていると、

「フォレストウルフはいる地域で耐性を変えられるので大丈夫ですよ。」
「そうなのか。召喚、アセナ、ハティ!」

 そういうと、アセナとハティが召喚され、「ワン!」と吠え、緑色だった体毛が、どんどんベージュ色に染まりだした。気になったので、鑑定してみると

 フォレストウルフ(砂漠仕様)
 耐性 毒耐性 熱耐性 脱水耐性

 と出てきた。耐性は今まで見てこなかったが、僕にもあるのだろうか?今度僕のことも鑑定してみよう。

「どうかしましたか?リョータさん」
「いや、ちょっと考え事をね。」
「そうですか?砂漠はいろいろと危険なので、気を付けてくださいね?」
「うん。わかったよ」

 その後も、デザートフィッシュを効率よく狩っていき(威圧で)、目標数は倒せたが、スコーピがなかなか見つからない。なので試しに威圧を解いてみてアセナとハティに索敵を担当してもらうと、すぐに見つかった。と言うよりこっちに近づいてきた。
 ランク的にはD+なのでアセナとハティに頼むと、五分ほどで倒した。それからはしばらく歩いて敵に出会う。アセナ、ハティが倒すかティアラが倒していた。僕?ティアラから何故かこういわれた

「敵は任せてください!その代わりに荷物を持っていてください!」

 そう言われたので、荷物持ちになっていた。腰にぶら下げてある魔銃剣の威力を試してみたいのにな~と思いながら一人と二匹の戦闘を見守る。
 そうこうしている間に、だんだん日が暮れかかってきた。僕はティアラたちに、そろそろ切り上げないかと提案した。
 だいぶ奥に来てしまったらしく、かなり砂漠を抜けるのに時間がかかってしまった。もちろんそこからは車ではなく、歩いて帰った。何故かといわれると、かなりの馬車と人でごった返していたからだった。砂漠から街道に出てきたときに、アセナとハティを見るとかなりの人が驚いたような顔をするが、僕の後ろをついてくるのを見て、「ほっ」と息を出す人が結構いた。中には剣を抜刀した人までいた。
 歩いて帰ったので着いた頃には夜になっていたが入れてもらえた。ギルドに向かう途中でティアラに聞くと、他の街は閉門時間があるがこの町ではないらしい。兵士さんご苦労様です。
 ギルドに戻り、クエスト達成報告と討伐部位を出して、換金所に向かった。僕はお金がなかったので、地龍の素材をいくらか出すと青ざめた顔で、「少し待っててなー!」と言われたので少し待ち、十分後くらいに金貨百枚くらい入った袋を十袋も渡された。
 そういえばと思いティアラに宿に着く間に聞いてみた。

「ティアラ聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「何でしょうか?」
「僕の装備って飛龍装備でしょ?それなのになんで地龍の素材を渡すと驚かれるの?」
「それはですね、飛龍って言うのが飛んでいる龍を総合した呼び方で、主に下級龍種のことを指すのですが、今回リョータさんが倒した地龍は上級龍種だったからですよ。中級龍種まででしたら国を挙げての戦闘でようやく倒せれるのですが、上級龍種になると、大陸中の戦力を集めても倒せないのですよ。それをリョータさんはほぼ一人で倒したんですよ?どれだけ人間離れしているんですか?なので今度ステータス見せてください。」
「あ、うん。わかっただけど、ステータスって見れたの?」
「はい、見れますよ。」
「そ、そうなんだ。へぇ~」
「で?見せてくれるんですか?」
「やだ。」
「なんでですか・・・・同じチームメンバーじゃないですか・・・・私のも見せてあげますから・・・・」
「わかったから!泣くふりはやめて!」
「じゃあ、約束ですからね?明日ギルド行く前にいきましょう!」
「あ、うん。」

 と、龍のことを聞いただけだったのだが、ステータスも見せることになってしまったのであった。
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