武器・スキルチートで異世界転移

8話

　僕は、朝目が覚めるとドアがノックされた。「起きてますよ～」と言うと、そのまま部屋に入ってきた。その行為に僕は驚きベッドから体を起こすと、何やらきらびやかな服を着た人がいた。
「お前がリョータ・アズマか？我はコーダ伯爵の使いの者だ。貴様には一緒に来てもらおう。」
「えっと、状況が呑み込めないのですが、それって拒否権は・・・・ないですよね。チームメンバーに声をかけてきてからでいいですか？」
「それなら構わない。だが早くしろよ。こちらにも予定と言う物があるのだからな。」
「わかりました。」

　そういって、僕はティアラの部屋を聞きティアラの部屋に向かった。ティアラの部屋は三○五号室だった。
　部屋につくとノックをする。もちろんそのコーダ伯爵様の使いの方と一緒だ。
　コンコン

「ティアラいるか？」
「はい。いますよ。どうかしましたか。」

　と言ってでてくると、少し驚いたような顔をしていた。

「あぁ、ちょっとコーダ伯爵？様のところまで行ってくるよ。」
「それだったら、私も行きます。」
「何！？貴様呼ばれてもいない人間が行くきか！無礼者め！」
「あら？無礼者はどちらかしら？私がコーダ伯爵家の長女ティアラ・コーダと知ってる？知らないんだったら、とんだマヌケものをお父様はやっとたわね。」
「っ！？」
「という事で私もついていくわリョータ。」
「あ、あぁ。」

　え、ティアラって伯爵家の長女だったの？なんで冒険者なんてやっているんだ？とりあえず、それはおいておくとして、ティアラと共にコーダ伯爵家がある王都アリカに行くことになった。
　どうやら馬車で三時間くらいの場所に伯爵家があるようだ、道はそのままどこも曲がらずに道に沿って進めばいいらしい。だから僕は門を出た後にLYT-2021戦闘バギーを出現させた。ティアラは今度は何だろうと興味津々な目で見て、伯爵家の皆さんは、急にこんな鉄の塊が現れたのでとても驚いていた。すると、ティアラが聞いてきた。

「リョータさん、この鉄の塊は何ですか？」
「これはね、車と言って馬無しで動く馬車だと考えてくれればいいよ。」
「そんなでたらめに決まっている！いい加減なことを言うんじゃない！お嬢様こんな輩に騙されてはいけませんぞ！だいたいこんな鉄の塊が動くだとなんと馬鹿馬鹿しい頭の中には花が詰まっているのではないですか？あっははは！」

　それを見たティアラが起こるが使者さんはそのまま高笑いをしているなか、僕はバギーに乗り込みエンジンをかける。エンジン音が鳴り何事かと目を見開く中僕はゆっくりと進ませる。免許はとったのかって？僕はまだ十七歳だ。とれるわけはない。が、生成したものの扱い方などは頭の中に入ってくるので関係ない。
　使者はぎょっとした目でこちらを見てくる。とりあえず、

「ティアラ？ここからどうやって伯爵家のとこまで行くの？道わからないから教えて？」
「はい！それでしたら、私も一緒に行きます。」

　そう言うと、助手席に乗り込んできた。

「それじゃ、行きましょうか？」
「うん。そうだね。他に誰か乗ってく？」

　と聞くが誰も返事をしない。

「それじゃ、行こっかティアラ？」
「はい！」
「あ、安全のために横にあるベルトをここに差し込んでね。」
「わかりました！」
「よし！出発！」

　そして、僕たちは車で進み始めた。だいたい時速五十キロで走行していて、たまに隣を通り過ぎる馬車はとても驚きに満ちた顔でこちらを見ていた。
　それから三時間が経過した。走った距離は約百五十キロメートルくらいだ。そして、ティアラの案内もありようやく王都アリカに着いた。
　車は王都に着く一分前に、僕のインベントリの中に入れておいた。後に面倒事を起こさないようにするためだ。そして、街門につくと身分証明書を確かめ、問題がなければ通れるようだった。ここでは、そこまで防犯意識が強いわけではなさそうだ。スリなどに注意しなければ・・・・
　僕たちの番が来た時にティアラは冒険者カードではなく、かなり豪華なカードを提示していた。僕はもちろんFと書かれた冒険者カードだ。
　ティアラのカードを見るなり慌てた様子で「失礼しました！」と言って敬礼をしていた。そんな様子をみてティアラは苦笑していた。

「それでは行きましょう。この王都は四分割されていて、北が貴族街、南が商店街東が工場町、西が住宅地で中央に王城があるんですよ。そして私たちが今いるのは商店街ですね。私の家は王城よりに建っているのですぐ着くと思いますよ。」

　個人的には武器屋や道具屋に行きたいと思っていたがそこは我慢した。それからは、ティアラの家のことやおすすめのお店などを聞いた。
　十分後、貴族街に着いた。ついてみてわかったが、雰囲気もそうだが見た目もすごかった。商店街とくらべると。それでこんな場所に僕はいていいのだろか？と思ってきてしまうほどだった。それでびくびくしながらティアラの後をついていく。そして伯爵家にようやくついたのであった。ここまで来るのに僕の体力はゴリゴリ削れ疲れ果てていた。
　門番が近づいてくる僕たちを見て槍を構え「何者か！」と言う。ティアラはそれに構わず近づいていき、近くに来てから彼女の身分証を提示した。それを確認した門番が「お帰りなさいませ、ティアラ様。」と言い次に「こちらのお方は？」と聞く。「こちらは私の命の恩人であるリョータ様だ。」と、優しくだが強めに言うと、僕も通ることを許されたのであった。
　何故、僕は呼ばれたのだろう？そう考えながら、伯爵家へ足を踏み入れた。