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第15話 一言多い
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――以下、二時間前の回想
朝目を覚ますと、へばりついた雫さんを引きはがして起床する。
この人同じチームになったことで大義名分を得たのか、当たり前のように人のベッドにもぐりこんできたな。
それとは別に珍しく寝坊する雫さん。
「この人昨日ノンアルで酔ってたからな……」
体のべとつきを感じる。昨日の歓迎会で輝刃と競り合って、無駄に一発芸披露とかやってたせいだ。
正直一発芸に張り合って来るお嬢ってどうなん? と思いつつ頭をガリガリとかく。
でも輝刃のどんだけ高くキックしてもパンツ見えないの一発芸はマジで凄いと思った。マジで見えんかったしな。スカートに鉄板が入ってるとしか思えん。
「しかし眠すぎる……」
朝風呂にでも入って眠気を覚まそうと思い、風呂場へと入る。
裸になって風呂の扉を開くと、そこには鼻歌を歌いながら体を洗う輝刃の姿があった。
いつもの金髪ツインテを下ろしたロングヘア姿は、正統派系美少女かと見まがってしまう。
白い肢体の上を流れ落ちる雫。着やせするタイプなのか、胸のボリュームもたっぷりで、水滴が彼女の起伏に合わせて滑り落ちていく。
しかしやはり脚はむちっとしている気がする。竜騎士だから脚を鍛えなければならないからだろう。
輝刃は俺と目と目が合い、キョトンとする。
「おはよう」
「……おはよう」
俺はそのまま風呂場の扉を閉めた。
「■■■■■▲▲▲▲▲▲!!!?」
背後から素に返った輝刃の叫びが聞こえる。まずい冷静になりおった。
俺はズボンだけ穿いてすぐさまダッシュするが、輝刃は外に出てきて熱湯シャワーを浴びせて来やがった。
危うく火傷するところだった。おかげで目はばっちりと覚めたが。
輝刃の追撃をなんとかふりきると、荒れた部屋の中を見て首を回す。
昨日の歓迎会後、皆潰れちゃったからな。
衣類が散らばり、ジュース缶やらなんやらがぐっちゃぐちゃ。――まぁ荒らした大半は俺と輝刃だが。
「とりあえず片付けるか」
俺は静音お掃除ロボットルンパッパのスイッチを入れる。円盤型のお掃除ロボットは自動で部屋の中を掃除していく。
散らばったゴミを一通り片づけ終わると、次はどうしたものか。
昨日犬神さんから、しばらく朝の準備は全部龍宮寺と小鳥遊でしナンシーと言われた。
今まで雫さんに甘やかされてきた身としてはどうすればいいのやら。
「洗濯して、着替え用意して、朝食準備ってところか……」
俺は部屋の中に脱ぎ散らかされた衣類を集めていく。
「これは雫さんので、犬神さんのがこれ、白兎さんのがこれか。ん? ベッドの下に何かあるな」
俺は雫さんのベッドの下に手を伸ばすと、紫の大きなブラがおはようした。
「とりあえずこれも洗濯ものか……」
ピラっとブラジャーを広げて見せる。うむ、我が従妹ながらデカい。
「あ、あの……ユウ君、広げ……ちゃダメよ」
蚊の鳴くような声が聞こえて下を見ると、顔を赤らめた雫さんが寝言を装って喋っていた。この人完全に起きてるな。
「失礼しました」
俺は洗濯籠に洗濯物を入れ、部屋を出てから艦内のランドリーエリアへと向かう。洗濯機を使うにもエレベーターで移動しなければならないのが面倒だ。
ランドリーエリアに入ると、俺と同じようにパシリ(×)お世話(○)をする新人レイヴンたちの姿が見える。共同生活が始まったのはどこも一緒か、と思いながら衣類を洗濯機に入れてスタートをかける。
「うぅ……苦しい、苦しいよ……」
手洗い用の洗い場で、猿渡が何か白い布を洗っていたがスルーした。
部屋へと戻り、今度は一人一人の着替えを用意していく。
「なんというか、お姉さんたちが自分の用意した下着を着ると思うとムラ――」
俺はスリッパでパーンっと頭をはたかれた。
「下着握りしめて何言ってんのよあんたは」
風呂上がりで肌を上気させた輝刃は半眼で俺を睨む。
「さっきはすまなかった。少し寝ぼけてたんだ」
「多分やるだろうなと思ってたこと初日からやる?」
「すまない」
「ってか……見た?」
「お前胸の下の方にほくろあるな」
再びスリッパでパーンっと頭をはたかれた。
朝目を覚ますと、へばりついた雫さんを引きはがして起床する。
この人同じチームになったことで大義名分を得たのか、当たり前のように人のベッドにもぐりこんできたな。
それとは別に珍しく寝坊する雫さん。
「この人昨日ノンアルで酔ってたからな……」
体のべとつきを感じる。昨日の歓迎会で輝刃と競り合って、無駄に一発芸披露とかやってたせいだ。
正直一発芸に張り合って来るお嬢ってどうなん? と思いつつ頭をガリガリとかく。
でも輝刃のどんだけ高くキックしてもパンツ見えないの一発芸はマジで凄いと思った。マジで見えんかったしな。スカートに鉄板が入ってるとしか思えん。
「しかし眠すぎる……」
朝風呂にでも入って眠気を覚まそうと思い、風呂場へと入る。
裸になって風呂の扉を開くと、そこには鼻歌を歌いながら体を洗う輝刃の姿があった。
いつもの金髪ツインテを下ろしたロングヘア姿は、正統派系美少女かと見まがってしまう。
白い肢体の上を流れ落ちる雫。着やせするタイプなのか、胸のボリュームもたっぷりで、水滴が彼女の起伏に合わせて滑り落ちていく。
しかしやはり脚はむちっとしている気がする。竜騎士だから脚を鍛えなければならないからだろう。
輝刃は俺と目と目が合い、キョトンとする。
「おはよう」
「……おはよう」
俺はそのまま風呂場の扉を閉めた。
「■■■■■▲▲▲▲▲▲!!!?」
背後から素に返った輝刃の叫びが聞こえる。まずい冷静になりおった。
俺はズボンだけ穿いてすぐさまダッシュするが、輝刃は外に出てきて熱湯シャワーを浴びせて来やがった。
危うく火傷するところだった。おかげで目はばっちりと覚めたが。
輝刃の追撃をなんとかふりきると、荒れた部屋の中を見て首を回す。
昨日の歓迎会後、皆潰れちゃったからな。
衣類が散らばり、ジュース缶やらなんやらがぐっちゃぐちゃ。――まぁ荒らした大半は俺と輝刃だが。
「とりあえず片付けるか」
俺は静音お掃除ロボットルンパッパのスイッチを入れる。円盤型のお掃除ロボットは自動で部屋の中を掃除していく。
散らばったゴミを一通り片づけ終わると、次はどうしたものか。
昨日犬神さんから、しばらく朝の準備は全部龍宮寺と小鳥遊でしナンシーと言われた。
今まで雫さんに甘やかされてきた身としてはどうすればいいのやら。
「洗濯して、着替え用意して、朝食準備ってところか……」
俺は部屋の中に脱ぎ散らかされた衣類を集めていく。
「これは雫さんので、犬神さんのがこれ、白兎さんのがこれか。ん? ベッドの下に何かあるな」
俺は雫さんのベッドの下に手を伸ばすと、紫の大きなブラがおはようした。
「とりあえずこれも洗濯ものか……」
ピラっとブラジャーを広げて見せる。うむ、我が従妹ながらデカい。
「あ、あの……ユウ君、広げ……ちゃダメよ」
蚊の鳴くような声が聞こえて下を見ると、顔を赤らめた雫さんが寝言を装って喋っていた。この人完全に起きてるな。
「失礼しました」
俺は洗濯籠に洗濯物を入れ、部屋を出てから艦内のランドリーエリアへと向かう。洗濯機を使うにもエレベーターで移動しなければならないのが面倒だ。
ランドリーエリアに入ると、俺と同じようにパシリ(×)お世話(○)をする新人レイヴンたちの姿が見える。共同生活が始まったのはどこも一緒か、と思いながら衣類を洗濯機に入れてスタートをかける。
「うぅ……苦しい、苦しいよ……」
手洗い用の洗い場で、猿渡が何か白い布を洗っていたがスルーした。
部屋へと戻り、今度は一人一人の着替えを用意していく。
「なんというか、お姉さんたちが自分の用意した下着を着ると思うとムラ――」
俺はスリッパでパーンっと頭をはたかれた。
「下着握りしめて何言ってんのよあんたは」
風呂上がりで肌を上気させた輝刃は半眼で俺を睨む。
「さっきはすまなかった。少し寝ぼけてたんだ」
「多分やるだろうなと思ってたこと初日からやる?」
「すまない」
「ってか……見た?」
「お前胸の下の方にほくろあるな」
再びスリッパでパーンっと頭をはたかれた。
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