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第11話 チーム発表
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「拙者は誰とでござろうか?」
「オレはどんな可愛い子と一緒なんだろ」
全員が自分のチームに期待を膨らませていると、講堂の扉がバーンっと開かれ、上級レイヴン、主にBランクAランクの先輩が入って来た。
「山本海はいるか?」
「高山瑞樹さーん」
「深沢卓さんいますか~?」
どうやら先輩方の方からお出迎えに来てくれたようだ。新人レイヴンは名前を呼ばれて、先輩チームへと加入していく。
「原田戦国君いる~?」
「は、はい! 拙者でゴザル!」
戦国先輩は呼び出されたチームへと走っていく。
彼が受け入れられたチームは妖艶な雰囲気の漂う女性オンリーのチームだった。
「うわ、戦国先輩のチーム全員女の人じゃん。当たりかよ!」
「戦国先輩ガッチガチになってるな」
「早く早くオレも呼んでくれ! 猿渡く~ん♡ って」
猿渡が気持ち悪く声色をかえて体をくねらせるが――
「お゛い゛猿渡! 諜報兵科の猿渡慎吾はいるか!?(野太い声)」
「あれ、なんか耳と目がおかしくなったのかな? ゴリラがオレを呼んでる気がする」
「安心しろ現実だ」
筋骨隆々な三人の先輩が猿渡を取り囲む。なぜか先輩は皆上半身裸で顔や胸に大きな傷があり、屈強な猛者感が半端ない。
「猿渡、いるならちゃんと返事をしないか!」
「は、はい、すんません」
「なんだ、気合が足りないようだな」
「フハハハ。そうだな、もっと気合いが必要だ。よし今すぐ服を脱いでこれに着替えろ!」
そう言って先輩が差し出したのは白いフンドシである。
猿渡の顔からサッと血の気が引く。
「だ、大丈夫であります先輩殿! 猿渡慎吾、気合い満々です!」
「むぅ? そうか? 我輩はこのチームの長兄、君島源だ!」
「ちょ、長兄? あ、あの先輩のチームって皆さんで全員でしょうか?」
「フハハハ! そうだ! 皆デスタイガーを素手で倒すほどの猛者揃いだ! 嬉しいだろう!」
「は、はは。それは凄い(白目)」
「今日は歓迎会だ! 我輩らのおごりで好きなだけ飲み食いさせてやろう!」
「フハハハハ! 喜ぶがいい、今日は義兄弟の契りをかわすぞ!」
「我々のことは遠慮なく長兄、兄者、兄ちゃまと呼ぶがいいである!」
「は、はは……ありがとうございます」
フハハハハ×3と筋肉先輩たちは大笑いする。
「まさか自分が義兄さんと呼ぶ羽目になるとはな。別に呼び方はお兄様でも、兄や、兄ぃ、お兄ぃちゃまでもいいんだぞ」
俺は義弟となった猿渡の肩をポンと叩く。
「かわってくれ、ゴリラブラザーの一人になりたくない!」
「いいじゃないか12人の兄貴を集めて真の漢を極める話なんて面白そうだと思うけど」
12人の義理の兄の中で一人だけ血縁者がいるとかどうだろうか? 物語に深みが出ると思うのだが。
「他人事だと思いやがって!」
そんなバカな話をしているうちにも、新人レイヴンたちは次々に呼ばれ、残るは俺を含めて3人。その中には輝刃も混じっていた。
もうそろそろ俺の名前が呼ばれてもよさそうなのだが……。
俺は残っている先輩の方を見やると、そこにはリーゼントをばっちり決め、爆走天使と書かれた長ランを着こなしたやべぇ先輩しかいないことに気づく。
それを見て猿渡が俺の肩を叩く。
「良かったな、今度からぶっこみの小鳥遊って呼んでやるよ」
「待って、あれはレイヴンとしてまずいだろ! 完全にヤンキーじゃないか!」
「まぁヤンキー系番長だな。最初は下っ端だが、徐々になりあがって伝説のヘッド小鳥遊悠悟になる物語を期待してる」
「他人事だと思ってぇ!」
が、予想に反してヤンキー先輩は別の新人の名前を呼ぶ。
「橋田武夫!」
「ひっ!? 僕ですか!?」
「あぁそうだ。これからテメーは俺様たちの舎弟だ! たっぷり可愛がってやるぜ!」
「た、助けて!」
「ヒャーーッハッハッハッハッハ! 行こうぜピリオドの向こう側まで!」
残っていた新人は逃げ出したが、ヤンキー先輩はチェーンを放り投げて橋田を拘束すると、そのままズルズルと引きずっていった。
悪魔のような笑い声と、橋田の悲鳴が耳に残り「うわぁ……」としか言えなかった。
「チッ、お前じゃなかったのか」
「心の底からホッとした」
というかチームの先輩に呼ばれて助けを求めるって、どういう状況なんだ。もしかして出雲のレイヴンってちょっとおかしい人が多いのでは?
そう思っていると、講堂に見知った顔が遅れてやって来た。
「あれは、まさか……」
「小鳥遊く~ん、小鳥遊君と龍宮寺さ~ん」
最後に入って来た先輩は従妹の雫さんだ。俺がガッツポーズしている横で、猿渡はハンカチを噛みしめていた。
「オレはどんな可愛い子と一緒なんだろ」
全員が自分のチームに期待を膨らませていると、講堂の扉がバーンっと開かれ、上級レイヴン、主にBランクAランクの先輩が入って来た。
「山本海はいるか?」
「高山瑞樹さーん」
「深沢卓さんいますか~?」
どうやら先輩方の方からお出迎えに来てくれたようだ。新人レイヴンは名前を呼ばれて、先輩チームへと加入していく。
「原田戦国君いる~?」
「は、はい! 拙者でゴザル!」
戦国先輩は呼び出されたチームへと走っていく。
彼が受け入れられたチームは妖艶な雰囲気の漂う女性オンリーのチームだった。
「うわ、戦国先輩のチーム全員女の人じゃん。当たりかよ!」
「戦国先輩ガッチガチになってるな」
「早く早くオレも呼んでくれ! 猿渡く~ん♡ って」
猿渡が気持ち悪く声色をかえて体をくねらせるが――
「お゛い゛猿渡! 諜報兵科の猿渡慎吾はいるか!?(野太い声)」
「あれ、なんか耳と目がおかしくなったのかな? ゴリラがオレを呼んでる気がする」
「安心しろ現実だ」
筋骨隆々な三人の先輩が猿渡を取り囲む。なぜか先輩は皆上半身裸で顔や胸に大きな傷があり、屈強な猛者感が半端ない。
「猿渡、いるならちゃんと返事をしないか!」
「は、はい、すんません」
「なんだ、気合が足りないようだな」
「フハハハ。そうだな、もっと気合いが必要だ。よし今すぐ服を脱いでこれに着替えろ!」
そう言って先輩が差し出したのは白いフンドシである。
猿渡の顔からサッと血の気が引く。
「だ、大丈夫であります先輩殿! 猿渡慎吾、気合い満々です!」
「むぅ? そうか? 我輩はこのチームの長兄、君島源だ!」
「ちょ、長兄? あ、あの先輩のチームって皆さんで全員でしょうか?」
「フハハハ! そうだ! 皆デスタイガーを素手で倒すほどの猛者揃いだ! 嬉しいだろう!」
「は、はは。それは凄い(白目)」
「今日は歓迎会だ! 我輩らのおごりで好きなだけ飲み食いさせてやろう!」
「フハハハハ! 喜ぶがいい、今日は義兄弟の契りをかわすぞ!」
「我々のことは遠慮なく長兄、兄者、兄ちゃまと呼ぶがいいである!」
「は、はは……ありがとうございます」
フハハハハ×3と筋肉先輩たちは大笑いする。
「まさか自分が義兄さんと呼ぶ羽目になるとはな。別に呼び方はお兄様でも、兄や、兄ぃ、お兄ぃちゃまでもいいんだぞ」
俺は義弟となった猿渡の肩をポンと叩く。
「かわってくれ、ゴリラブラザーの一人になりたくない!」
「いいじゃないか12人の兄貴を集めて真の漢を極める話なんて面白そうだと思うけど」
12人の義理の兄の中で一人だけ血縁者がいるとかどうだろうか? 物語に深みが出ると思うのだが。
「他人事だと思いやがって!」
そんなバカな話をしているうちにも、新人レイヴンたちは次々に呼ばれ、残るは俺を含めて3人。その中には輝刃も混じっていた。
もうそろそろ俺の名前が呼ばれてもよさそうなのだが……。
俺は残っている先輩の方を見やると、そこにはリーゼントをばっちり決め、爆走天使と書かれた長ランを着こなしたやべぇ先輩しかいないことに気づく。
それを見て猿渡が俺の肩を叩く。
「良かったな、今度からぶっこみの小鳥遊って呼んでやるよ」
「待って、あれはレイヴンとしてまずいだろ! 完全にヤンキーじゃないか!」
「まぁヤンキー系番長だな。最初は下っ端だが、徐々になりあがって伝説のヘッド小鳥遊悠悟になる物語を期待してる」
「他人事だと思ってぇ!」
が、予想に反してヤンキー先輩は別の新人の名前を呼ぶ。
「橋田武夫!」
「ひっ!? 僕ですか!?」
「あぁそうだ。これからテメーは俺様たちの舎弟だ! たっぷり可愛がってやるぜ!」
「た、助けて!」
「ヒャーーッハッハッハッハッハ! 行こうぜピリオドの向こう側まで!」
残っていた新人は逃げ出したが、ヤンキー先輩はチェーンを放り投げて橋田を拘束すると、そのままズルズルと引きずっていった。
悪魔のような笑い声と、橋田の悲鳴が耳に残り「うわぁ……」としか言えなかった。
「チッ、お前じゃなかったのか」
「心の底からホッとした」
というかチームの先輩に呼ばれて助けを求めるって、どういう状況なんだ。もしかして出雲のレイヴンってちょっとおかしい人が多いのでは?
そう思っていると、講堂に見知った顔が遅れてやって来た。
「あれは、まさか……」
「小鳥遊く~ん、小鳥遊君と龍宮寺さ~ん」
最後に入って来た先輩は従妹の雫さんだ。俺がガッツポーズしている横で、猿渡はハンカチを噛みしめていた。
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