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5.その後
その後
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(またあの部屋。もくもくと書類を整理する三島と、嬉しそうな澁澤)
澁澤「いやぁ、三島さん。お手柄ですな。確かに自殺だと判断されたようだ。太郎君のスマートフォンからも自殺を匂わせる文があったし、雄川の証言もあった。」
三島「雄川が刺した理由は『ただただ彼を思って股間を刺した。彼が愛で死んだことを、皆に分かってほしかった。』だそうです」
澁澤「ええ、全く。迷惑なものだ。本当に思っているなら、自殺を止めればいいものを」
三島「彼も、自殺と思っていないから、止めなかったんでしょう。」
澁澤「はぁ、彼らの考えてることは私にはちっともわからんです。……確か、太郎君のスマホには……」
三島「『彼女の処女はわからないが、せめて彼女の童貞は俺がもらって死のうと思う』」
澁澤「そうですそうです。そんなメモもありました。これまたよく分からない」
三島「どうやら、「大魔王コロンブス」編でナオミに元カレ存在疑惑が出てたそうです。金田君いわく、処女にこだわった彼が気にするのも、当然でしょう。太郎君は自分の死を処女膜となぞらえた」
澁澤「自分の死、自分の処女をあげることで、調和を図った」
三島「かもしれません。これが、彼が他殺にこだわるその理屈なのかもしれない」
澁澤「まったく、私にはわからない世界だ」
三島「分からない方が身のためです。……あ、T〇itterでナオミがトレンドに上がってますよ」
澁澤「非難も多いが……しかし、彼女を賛美する文も、彼女を描いたイラストも多い。いやぁ、私、こういうのはよく分かりませんが、彼女の笑顔は素朴でかわいいですな」
三島「ええ、そうですね。……愛だのなんだの考えず、彼女の笑顔さえ見れば、彼は死にはしなかったかもしれない。もう二度とこんな笑顔を見れないだなんて、どんな地獄よりも苦しいでしょうに……」
終幕
澁澤「いやぁ、三島さん。お手柄ですな。確かに自殺だと判断されたようだ。太郎君のスマートフォンからも自殺を匂わせる文があったし、雄川の証言もあった。」
三島「雄川が刺した理由は『ただただ彼を思って股間を刺した。彼が愛で死んだことを、皆に分かってほしかった。』だそうです」
澁澤「ええ、全く。迷惑なものだ。本当に思っているなら、自殺を止めればいいものを」
三島「彼も、自殺と思っていないから、止めなかったんでしょう。」
澁澤「はぁ、彼らの考えてることは私にはちっともわからんです。……確か、太郎君のスマホには……」
三島「『彼女の処女はわからないが、せめて彼女の童貞は俺がもらって死のうと思う』」
澁澤「そうですそうです。そんなメモもありました。これまたよく分からない」
三島「どうやら、「大魔王コロンブス」編でナオミに元カレ存在疑惑が出てたそうです。金田君いわく、処女にこだわった彼が気にするのも、当然でしょう。太郎君は自分の死を処女膜となぞらえた」
澁澤「自分の死、自分の処女をあげることで、調和を図った」
三島「かもしれません。これが、彼が他殺にこだわるその理屈なのかもしれない」
澁澤「まったく、私にはわからない世界だ」
三島「分からない方が身のためです。……あ、T〇itterでナオミがトレンドに上がってますよ」
澁澤「非難も多いが……しかし、彼女を賛美する文も、彼女を描いたイラストも多い。いやぁ、私、こういうのはよく分かりませんが、彼女の笑顔は素朴でかわいいですな」
三島「ええ、そうですね。……愛だのなんだの考えず、彼女の笑顔さえ見れば、彼は死にはしなかったかもしれない。もう二度とこんな笑顔を見れないだなんて、どんな地獄よりも苦しいでしょうに……」
終幕
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