記憶喪失の屋根

undoodnu

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記憶喪失の屋根

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あのこどこのこ。あのこはわたし。わたしはどこのこ。おそらをふらふらただただただよう。わたしはやねだよ。

雲一つない晴天の日、空には異常事態が起きていた。
真っ青で広大な海をエイが泳ぐかのごとく、晴天の空を巨大な屋根が泳いでいた。ふらふらと漂うように。

わたしはやね。おうちはどこなの。わからない。おくもにきいてもわからない。ふらふらふらふら。わたしはどこへいけばいいの。

屋根はふらふら、あっちへ行ったりこっちへ行ったり。他の家の屋根にぶつかりそうになったり、電線にぶつかりそうになったり。

ふらふらふらふら。きもちいい。おそらはきもちいい。

屋根は危険と判断され、空から落とすことに決定した。部隊は配置に就き、銃口を構えた。屋根に向かって、全弾発射される。広場には、銃弾で穴が大量に空いた屋根が落下した。

ふらふらふらふら。わたしはもうしぬのかな。きもちよかったな。おそらへいくのかな。
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