異世界ぼっち

オレオレ!

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29.マキさん

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「結論から、言うと残念だけど、しばらくは門の中には入れないわ、
あなたが異世界人なのは間違い無いし、あなたが話したことが全て本当だとしても、
それらを証明出来ない以上あなたを門の中には入れる事は出来ないの!、
これはどこの町でも、王都でも同じことね」

マキさんは話を続けた

「門の中に入る1番手っ取り早い方法は、門の外にもあるギルドの出張所、
そこで登録してランクFになることね、ランクはGからスタートだけど、
もしあなたの最果ての大地から生きてここまで来た話が本当なら3日とかからずに
ランクDにはなるでしょう、強さだけならBランクにはなれるだろうけど、
貢献度がないからねぇ、まあランクF以上ならギルドがあなたの身分を冒険者として
証明してくれるわ、そしたらあらためて門に来てくれれば歓迎するわよ」

僕は頭を下げた
「ありがとうございます」

「別にわたしは大したことしてないわ!、そうだギルドへの紹介状書いてあげるから
それを受付嬢に渡せばスムーズに話がすすむと思うわ」

僕は再び頭を下げ門をあとにした、塀沿いを歩くと教えてもらったギルドに到着
中に入ると受付嬢が話しかけてきた、紹介状を渡すと手続きが始まった。

手続きが終わり外は真っ暗、金もないし野宿を考えていたけどギルドが無償で
雑魚寝部屋を提供してくれた、これは翌日仕事をすることを条件に無償で素泊りが
可能なのだそうだ、しかも大浴場が使えるこれは嬉しい、と思って入ったが
魔法で出した水を魔法で沸かしたお風呂だった

僕にはお湯に触れることすら出来ない
あれっ涙が、くそっ、悲しくない、悲しくないよ

結局、井戸水で海水まみれのからだを洗った、夜中なので寒かったが仕方ない

翌日、薬草集めの依頼をおこなう。 ランクC相当のオオカミが出るらしいので
護衛を頼むことをすすめられたが断った、オオカミってあいつらなら余裕だ

教えてもらった場所にいくが薬草がなかなか見当たらない、じっくり探さないと
本当に見つからない、こりゃ大変だ、ノルマは5本でワンセットだが採取に失敗
している可能性も含めてなんとか10本集めた最悪ワンセットはできてるだろう

午前中から始めたのに昼まわっちゃった、腹減ったなぁって、よく考えたら
昨日の昼に丸太の上でたべた果実2個、それから何も食べてない

今回の薬草探し中にであった魔物達が、実は結構いた。
魔物は角か魔石が体にうまってるのでそれをギルドに渡すと報酬が貰えるそうだ、
オオカミの角10本、一角ウサギの角3本と、でっかい猿の魔物の魔石を1個を
手に入れた

あと、一角ウサギは1匹だけ首から下を食料として持って帰ることにする

ギルドの横にセーフティーゾーンがあったのを思い出し、そこでウサギ肉を調理
することを想像してよだれを垂らしながら僕はギルドに戻るのだった
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