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第1章 終わりの始まり
「作戦」
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「じゃあ、みんな聞いてくれ...今からここにあるものを駆使して、下をおりて直ぐ右にあるトイレと1-1
を制圧にする。」
その瞬間、皆は俺を驚いた様子で俺を見た。
俺は説明を続ける。
「先生、<奴ら>が目が見えないと仮定した時に何を使って俺らを追っているか考えてみて下さい。」
「聴覚と…あと、嗅覚かな?」
佐橋先生は考える素振りを見せながら言った。
「合ってます。じゃあそれを塞いじゃえばいいんですよね?」
「聴覚は…僕の小銭とか空き缶を投げて誘導するとか?
でも嗅覚はどうやるのさ…」と、山田くんが不思議そうに首を傾げる。
「嗅覚は…あれを使う…!」
俺は扉の前にいる博の方を指さした。
博は自分を指さしたのかと一瞬焦ったが、指を指している方向が少し違うことに気づき、隣を見ると先程の引きちぎれた<奴ら>の手があった。
博は少し血の気を引かせてこっちを見た。
「お前…まさか…これを服に…?」
博は「嘘だろ?」という表情でこちらを見る。
「そのまさかだよ。と言っても傷口に血が入ったら感染のリスクもあるし、ばっちいから先生の白衣貸してもらうけどね。」
俺はサラッと先生の白衣を犠牲にする宣言をした。
…まぁ、この中で余分な服を持っているのは佐橋先生の白衣くらいしかないから、仕方がない。自分の制服につけたら、服として使えなくなるからね。
「俺が服に匂いをつけて、音で<奴ら>を誘導します。その間に先生たちは教室の机と椅子、固定用に教室のセロハンテープを使ってバリケードを作ってください。」
「あ、でも、それだとバリケードを作る時に音が出ちゃうんじゃあ…」
山田くんはは弱々しく声を発して反論した。
「それは大丈夫。トイレで消毒液とライターを使って、俺が引き付けている間に火をつけておいてくれ。」
「ーーーなるほど!火災報知器を使うのか!」
博が気づいて俺の意図を代弁してくれた。
「そんな感じかな?で、問題は誰がやるかだけど…」
「はいはーい!ウチと美結っちが火付け役やりま~す!」
橋山さんが勢いよく手を挙げ、名乗り上げた。
「確かに女子が火をつけて力のある男子がバリケード作りをやるべきだろうね。先生もそれでいいと思うな。」
そう言って、佐橋先生は橋山さんにライターを、俺に来ていた白衣を渡してくれた。
俺は扉の前に行って血の滴る<奴ら>の手を手に取り、その血を白衣に垂らした。
こいつは臭ぇ!生臭い臭いがプンプンするぜぇ!
作業をしていると、隣で博が「うわぁ…」と苦虫を噛み潰したような顔で見ている。
「お前こういう時だけよくこんなの思いついて実行できるよな…俺には出来ねぇわ」
「俺も…死にたくないからね…」
「…死んだら許さねぇぞ?」
「ここで、ああ!絶対にまた後で会おう!とか言ったら死亡フラグなんだが…殺す気か?」
「あはは、そっか!それもそうだな!」
少しだけ、冗談を言う心の余裕ができたのだろう。
博と俺は笑いあって準備を進めたのだったーーー。
を制圧にする。」
その瞬間、皆は俺を驚いた様子で俺を見た。
俺は説明を続ける。
「先生、<奴ら>が目が見えないと仮定した時に何を使って俺らを追っているか考えてみて下さい。」
「聴覚と…あと、嗅覚かな?」
佐橋先生は考える素振りを見せながら言った。
「合ってます。じゃあそれを塞いじゃえばいいんですよね?」
「聴覚は…僕の小銭とか空き缶を投げて誘導するとか?
でも嗅覚はどうやるのさ…」と、山田くんが不思議そうに首を傾げる。
「嗅覚は…あれを使う…!」
俺は扉の前にいる博の方を指さした。
博は自分を指さしたのかと一瞬焦ったが、指を指している方向が少し違うことに気づき、隣を見ると先程の引きちぎれた<奴ら>の手があった。
博は少し血の気を引かせてこっちを見た。
「お前…まさか…これを服に…?」
博は「嘘だろ?」という表情でこちらを見る。
「そのまさかだよ。と言っても傷口に血が入ったら感染のリスクもあるし、ばっちいから先生の白衣貸してもらうけどね。」
俺はサラッと先生の白衣を犠牲にする宣言をした。
…まぁ、この中で余分な服を持っているのは佐橋先生の白衣くらいしかないから、仕方がない。自分の制服につけたら、服として使えなくなるからね。
「俺が服に匂いをつけて、音で<奴ら>を誘導します。その間に先生たちは教室の机と椅子、固定用に教室のセロハンテープを使ってバリケードを作ってください。」
「あ、でも、それだとバリケードを作る時に音が出ちゃうんじゃあ…」
山田くんはは弱々しく声を発して反論した。
「それは大丈夫。トイレで消毒液とライターを使って、俺が引き付けている間に火をつけておいてくれ。」
「ーーーなるほど!火災報知器を使うのか!」
博が気づいて俺の意図を代弁してくれた。
「そんな感じかな?で、問題は誰がやるかだけど…」
「はいはーい!ウチと美結っちが火付け役やりま~す!」
橋山さんが勢いよく手を挙げ、名乗り上げた。
「確かに女子が火をつけて力のある男子がバリケード作りをやるべきだろうね。先生もそれでいいと思うな。」
そう言って、佐橋先生は橋山さんにライターを、俺に来ていた白衣を渡してくれた。
俺は扉の前に行って血の滴る<奴ら>の手を手に取り、その血を白衣に垂らした。
こいつは臭ぇ!生臭い臭いがプンプンするぜぇ!
作業をしていると、隣で博が「うわぁ…」と苦虫を噛み潰したような顔で見ている。
「お前こういう時だけよくこんなの思いついて実行できるよな…俺には出来ねぇわ」
「俺も…死にたくないからね…」
「…死んだら許さねぇぞ?」
「ここで、ああ!絶対にまた後で会おう!とか言ったら死亡フラグなんだが…殺す気か?」
「あはは、そっか!それもそうだな!」
少しだけ、冗談を言う心の余裕ができたのだろう。
博と俺は笑いあって準備を進めたのだったーーー。
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