上 下
10 / 19

10 後の戯れ

しおりを挟む
 2人で一緒にイって果てたあとも、向かい合って布団に入りながら、互いの性器を愛撫し、余韻に浸っていた。

 すっかり柔らかくなったものを指の間に挟んだり、揉んだりして楽しむ。時々キスも交わす。

「んー、ん」

何度目かの軽いキスのあと、怪盗は、睡魔で重い瞼と戦っていた。

「はは、眠いか」

 刑事は、怪盗の股間を弄る手を止めて抱きしめる。そして、額に音を立てて軽くキスをする。

「刑事として、泥棒は許せないが、今日だけは逮捕しないでやるから、安心して眠れよ」
耳元でそっと囁く。

「・・・起きたら、また敵同士ですね」
 今にも寝そうな声で、怪盗は答える。
 逮捕されなくても、もう刑事に自分は捕まっているというのに。と思いながらも、声に出せるほどの体力もない。瞼は完全に閉じて、開けていられそうになかった。

「おやすみなさい刑事」

 刑事の胸に潜り込み足を絡めながら抱きつく。
 そんな彼の頭を、刑事は優しく撫でた。


 窓の外は、すっかり明るくなっていた。近くの道路を走る車の音が騒がしい。
 もう通勤ラッシュの時間か。と思いながら、刑事も睡魔に襲われる。



 ピリリリリリッ

 突然、枕元に置いていた刑事のスマートフォンに着信が入る。
 2人は、ビクッとして飛び起きて、別に誰かに見られているわけでもないのに、慌てて離れる。

 刑事はスマートフォンを手に取り画面を見る。ひいらぎ巡査からだった。おそらく、昨晩の報告書や処理についてだろう。急に面倒になって、刑事は電源を落とした。

「あーぁ」

 刑事はぐったりとベッドに倒れこむ。
「今日はサボろう」
そう言って、目を閉じる。

 ふふ、と笑って、怪盗も刑事に寄り添いながら布団に潜る。目を閉じたまま、刑事も怪盗に抱きつく。

「今度こそ、おやすみなさい」
「あぁ」

 それからすぐ、2人は眠りに落ちていった。
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

熱のせい

yoyo
BL
体調不良で漏らしてしまう、サラリーマンカップルの話です。

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

待てって言われたから…

ふみ
BL
Dom/Subユニバースの設定をお借りしてます。 //今日は久しぶりに津川とprayする日だ。久しぶりのcomandに気持ち良くなっていたのに。急に電話がかかってきた。終わるまでstayしててと言われて、30分ほど待っている間に雪人はトイレに行きたくなっていた。行かせてと言おうと思ったのだが、会社に戻るからそれまでstayと言われて… がっつり小スカです。 投稿不定期です🙇表紙は自筆です。 華奢な上司(sub)×がっしりめな後輩(dom)

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

処理中です...