おもらしした女装怪盗は変態伯爵に犯され、助けてくれた刑事に慰められる

カルキ酸

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6 送り狼

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 刑事のジャケットを腰に巻き、メイドに変装したままの怪盗は、病院に連れて行かれることになった。香坂刑事は、アフターピルなどの処置をしてもらうためだと他の警察官に説明して、車を用意させた。

 刑事は、自分が本当に女だと思っているのか?それはそれでマズイなと思いながらも、怪盗は大人しく後部座席に座った。



 2人きりの車内。運転する香坂刑事は、ミラー越しに怪盗に話しかける。
「感謝するなら、あのクララって女の子にしなよ」

「え?」

唐突に言われ、何のことだ?と困惑する。

「クララって子が、書斎から妙な音がするって柊巡査に知らせたんだ。伯爵は、気に入った従者に夜伽を命じている噂があるってな」

「そう・・・ですか」
女性らしく膝をつけて座り、短いスカートの裾を押さえながら、怪盗は言う。心の中で、何度もクララに礼を言った。

「・・・なぁ」
ミラー越しに刑事はジト目になる。
「いい加減、女の振りするのやめろよ、怪盗」
ウインカーのチックタックという音だけが車内に響く。

「あれ?バレていたのですか。いつ?」
怪盗は足を崩し、地声で話す。

「そりゃ、抱きつかれた時、無いはずのモノが当たったからな」
はぁ、と刑事はため息をつく。

「刑事も、女の子じゃなくて残念ですか?」
怪盗は、ペラリとスカートを捲った。

「バッ、馬鹿!丸出しにするな!」
鏡越しに見て、刑事は顔を赤くする。

「ところで、刑事。本当に病院へ?」
 窓の外の風景に違和感を感じて、怪盗は尋ねる。

「いいや。病院に行くのはお前も都合が悪いだろ。とりあえず、風呂のあるところだよ・・・・・・て!股を閉じろ!ミニスカートからはみ出してんだよ!」

「分かりましたよ。隠せば良いんでしょ」
怪盗は、拗ねたように、ジャケットを前に持ってきて、股に押し当てた。

「ああ~・・・そのジャケット。もう返さなくていいからな」




 しばらく走らせたあと、車は質素なアパートの前に停まった。

「俺の家だ」
車を降りて、刑事は言う。

「や、やだ刑事。そんな送り狼な」
ワザとらしく身体をくねらせ、女声で怪盗は言う。

「うるせぇ。お前、そんな格好じゃ銭湯も行けないだろうが」
呆れたように刑事は言う。
「・・・仰る通りで」
スカートの裾を下に引っ張りながら呟いた。


 錆びた階段を上って、401号室のドアを開ける。

「散らかってるけど」
玄関の靴を隅にやりながら刑事は言う。

「お邪魔しまーす」
キョロキョロしながら、怪盗は、刑事の自宅に上がった。
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