刑事×怪盗はハコの中

カルキ酸

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尿意と放出と脱出と

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 狭い部屋に、肌と肌が当たる音が響く。タイミングが合う頃には、怪盗は泣きそうな声で何度も喘いでいた。
 刺激で湿り、出し入れする動きに合わせ、ジュクジュクと音が出る。刑事に中から何度も圧迫され、下腹部にビリビリと尿意が走った。


「ん、あっ・・・っ、・・・あぁっ!あ!」

 その甘く冷たい焦燥感と相まって、いつもより感度が強まる。
 あまりの快感に、思考が鈍っていき、怪盗は、思わず刑事に愛の告白を言いそうになって、咄嗟に唇を噛み締めた。

 こんなのは、盛られた精力剤のせいに違いない。世間を騒がせる天下の大怪盗が、童貞に抱かれて、こんなに善がるはずがない。

 不意に惨めになって、本当に泣きそうになる。

 それなのに。

 怪盗は、自分の股を見下ろした。未だ熱を帯び腹につくほどそそり立った自分の陰茎に、腹が立つ。



「な、なぁ、・・・も、出そう、どうしたら」

 ピストンの動きを続けながら、刑事は聞く。

「・・・っ!あ、んっ!・・・ば、馬鹿、ぁ、聞かないで、くださいよっ!」

 怪盗は、両足を刑事の腰に絡めて抱きつく。そんなの中に出せば良いだろ、と思っても、いざ口に出すのは憚られた。

「あ、出・・・」

刑事の陰茎がドクドクっと脈打つ。その刹那、怪盗の中に数発、熱いものが放たれた。

「っ!熱っ・・・」

 怪盗は、身体を後ろに反らせると、余韻を楽しむように自ら腰を振り、自身も少量の精液を放出した。

 満足感と疲労感を味わいながら、怪盗は、後ろに退がる。するりと抜けた刑事の陰茎が微かにソコを擦り気持ち良い。
 ふぅぅ、と長い息を吐いて壁に背をつけて座りこむと、ゆっくりと、股間も熱を冷ましていく。


「お疲れ様ですね、刑事・・・」
言い終わる直前に、刑事は怪盗を抱きしめた。

「刑事?」
ドギマギしながら、怪盗は言う。

「俺、まだ足りないんだよ。もう一度しないか?」

 抱きしめられて下半身には、まだ硬いものが当たっていた。

「えっと」

 返す言葉を考えているうちに、怪盗は強い尿意を思い出した。下腹部が張り、尿道がじわりと濡れていく。

「ま、待って」

 刑事を押し返し、ふらふらと部屋の角のほうに歩いていく。

「おい、どこ行くんだよ」
立ち上がって怪盗を見る刑事に、怪盗は手のひらを向けて拒絶した。
「いいから、あっち向いててくださいよ」
「は?」

 怪盗は、部屋の角に近付き、シャツの前側を捲りあげ、腰を突き出す。陰茎を持ち上げる指が震える。

 ここで、したら、音とか匂いまで刑事にバレるんだよな。と思うと、羞恥心に駆られる。

 でも、もう我慢出来ないし。
 思い切って、下腹部に入れた力を緩めると、勢いよく尿が放出された。
 ビチャビチャと下品な音を立てて、足元には水たまりが広がっていく。


「はぁ・・・」

 出し終えてスッキリした怪盗は、最後の数滴を振って落としたとき、天井からガタンと音がした。

 刑事と怪盗は、同時に天井を見上げる。
 すると、天井の一部に、先ほどまではなかった四角い穴が開いていた。そこから、するすると縄梯子が下される。

「そこに誰か、いるのか?!」
下着を履きながら、刑事は上に向かって叫ぶ。返事はない。

「まぁ、この部屋から出られるなら、いいじゃないですか」
既にスラックスまで履き終えた怪盗が、愉快そうに笑う。

「お前、いつの間に」

 どこかガッカリしたような顔をする刑事に目もくれず、怪盗は縄梯子を登り始める。

「それでは、刑事。またいつか、月の綺麗な夜にでもお会いしましょう」
ある程度の高さまで登り、見下ろしながら怪盗は言う。

「待て、怪盗。逮捕だ」

 慌てて自分のスラックスを履きながら、刑事は追うが、足がもつれて転倒してしまう。

「クソっ」

 起き上がった時には、怪盗は部屋から忽然と姿を消していた。
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