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発情
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「ずっと、勃ってるんです」
股間をマントで隠しながら座り込む怪盗を目前に、刑事は頭が真っ白になった。ただでさえ、男同士でセックスしなければ出られないという、訳の分からない部屋に監禁された挙句、相手は既に興奮状態だなんて。
「ふ、ふざけんな」
刑事は深呼吸はしながら、パイプ椅子に座る。
「自分で抜けば良いだろ」
肘をつき、組んだ手の上に額を置く。素顔も知らない怪盗なんかと、性行為が出来るわけない。怒りのせいか、頰が火照る。
「実は、刑事が起きる前に、一度出したんですが、ダメで」
怪盗は、息を荒くしながら、こっそり自分の股間をスラックスの上からなぞった。膨張したものが生地を引っ張り、テントのようになっていた。圧迫された先端が擦れて少し痛む。
「お前・・・男と出来るのか?」
顔を上げずに、刑事が静かに問う。
怪盗は、ゴクリと生唾を飲み込み、覚悟を決めて口を開いた。
「えぇ、今なら、出来ると思います」
怪盗は、自分のそれにドクドクと血液が流れるのを感じた。より熱くなり、ジワリと下着が湿る。
仕方ないからする、というより、むしろ・・・・・・。
ダァンッ!!
不意に、刑事は机を強く叩いた。怪盗は、ビクッとして目を丸くする。
「こんなの、間違ってるだろ」
震える声で、刑事は机に伏せる。呼吸が乱れ、肩が上下していた。
そんな彼の、耳まで真っ赤にしているのが見えた怪盗は、ニヤリとして立ち上がった。
「刑事も、効いてきましたか?」
怪盗は、刑事の背後から近づき、そっと耳元で囁く。
「うわっ、何をっ!」
驚いた刑事は、咄嗟に身体を捩って逃げ、パイプ椅子から転げ落ちた。尻餅をついた際、大きく開脚した刑事を、怪盗は満足そうに見下ろす。
「このままだと、お互い辛いですし、しませんか?私が女役引き受けますから」
刑事の両肩を掴んだ怪盗は、そのままゆっくり押し倒しながら、彼の耳を喰んだ。
左耳に走った、くすぐったいような快感に、刑事は身体を硬くした。
怪盗は、自らの下腹部を、刑事の下腹部に擦り付けながら、体重を掛けていく。同時に、ワザと丁寧に耳を舐めたり、音を立てて口付けをしたりする。
刑事は、胸が締め付けられるような感覚に襲われながらも、
「やめろっ!」
と顔を背けた。
「本当に、やめて欲しいですか?」
両手で刑事の頰を包みながら、自分の方に顔を向けさせる。
怪盗の幼さが残る端整な顔と、刑事の太眉と大きなつり目のハッキリした顔が対面する。あと20cm近付けば、唇が触れる距離に刑事は困惑するも、目が離せなくなっていた。
半分目を閉じながら、怪盗は更に顔を近付けていく。
ここまでか。刑事は覚悟して、ぎゅっと目を閉じ、口を一文字に結んだ。
唇に柔らかいものが押し当てられる。怪盗は、そのまま刑事の顎を親指で押さえ、無理やりに口を開けると、舌をねじ込んだ。
「んんっ!」
刑事は抵抗して、怪盗の肩を掴むが、引き剥がせずに、しばらくは口腔内を掻き乱されていた。
ようやく唇を離れると、刑事は、水面にやっと顔を出したときのような声を上げて呼吸を再開した。糸を引く唾液を、手の甲で拭う。
睨むように、けれど熱っぽい視線で見上げる刑事に、怪盗は、ニヤつきながら
「刑事って、童貞でしょ」
と言った。
股間をマントで隠しながら座り込む怪盗を目前に、刑事は頭が真っ白になった。ただでさえ、男同士でセックスしなければ出られないという、訳の分からない部屋に監禁された挙句、相手は既に興奮状態だなんて。
「ふ、ふざけんな」
刑事は深呼吸はしながら、パイプ椅子に座る。
「自分で抜けば良いだろ」
肘をつき、組んだ手の上に額を置く。素顔も知らない怪盗なんかと、性行為が出来るわけない。怒りのせいか、頰が火照る。
「実は、刑事が起きる前に、一度出したんですが、ダメで」
怪盗は、息を荒くしながら、こっそり自分の股間をスラックスの上からなぞった。膨張したものが生地を引っ張り、テントのようになっていた。圧迫された先端が擦れて少し痛む。
「お前・・・男と出来るのか?」
顔を上げずに、刑事が静かに問う。
怪盗は、ゴクリと生唾を飲み込み、覚悟を決めて口を開いた。
「えぇ、今なら、出来ると思います」
怪盗は、自分のそれにドクドクと血液が流れるのを感じた。より熱くなり、ジワリと下着が湿る。
仕方ないからする、というより、むしろ・・・・・・。
ダァンッ!!
不意に、刑事は机を強く叩いた。怪盗は、ビクッとして目を丸くする。
「こんなの、間違ってるだろ」
震える声で、刑事は机に伏せる。呼吸が乱れ、肩が上下していた。
そんな彼の、耳まで真っ赤にしているのが見えた怪盗は、ニヤリとして立ち上がった。
「刑事も、効いてきましたか?」
怪盗は、刑事の背後から近づき、そっと耳元で囁く。
「うわっ、何をっ!」
驚いた刑事は、咄嗟に身体を捩って逃げ、パイプ椅子から転げ落ちた。尻餅をついた際、大きく開脚した刑事を、怪盗は満足そうに見下ろす。
「このままだと、お互い辛いですし、しませんか?私が女役引き受けますから」
刑事の両肩を掴んだ怪盗は、そのままゆっくり押し倒しながら、彼の耳を喰んだ。
左耳に走った、くすぐったいような快感に、刑事は身体を硬くした。
怪盗は、自らの下腹部を、刑事の下腹部に擦り付けながら、体重を掛けていく。同時に、ワザと丁寧に耳を舐めたり、音を立てて口付けをしたりする。
刑事は、胸が締め付けられるような感覚に襲われながらも、
「やめろっ!」
と顔を背けた。
「本当に、やめて欲しいですか?」
両手で刑事の頰を包みながら、自分の方に顔を向けさせる。
怪盗の幼さが残る端整な顔と、刑事の太眉と大きなつり目のハッキリした顔が対面する。あと20cm近付けば、唇が触れる距離に刑事は困惑するも、目が離せなくなっていた。
半分目を閉じながら、怪盗は更に顔を近付けていく。
ここまでか。刑事は覚悟して、ぎゅっと目を閉じ、口を一文字に結んだ。
唇に柔らかいものが押し当てられる。怪盗は、そのまま刑事の顎を親指で押さえ、無理やりに口を開けると、舌をねじ込んだ。
「んんっ!」
刑事は抵抗して、怪盗の肩を掴むが、引き剥がせずに、しばらくは口腔内を掻き乱されていた。
ようやく唇を離れると、刑事は、水面にやっと顔を出したときのような声を上げて呼吸を再開した。糸を引く唾液を、手の甲で拭う。
睨むように、けれど熱っぽい視線で見上げる刑事に、怪盗は、ニヤつきながら
「刑事って、童貞でしょ」
と言った。
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