勇者に聖水を生成しているところを目撃されて以来、どうやら性的な目で見られています

カルキ酸

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聖職者エレミアの醜態

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 神父エレミアは、森の小道を歩いていた。教会から街までは20kmの道のりがあり、その半分ほどは進んだ頃だった。
 彼は黙々と歩きながら、下腹部の焦燥感に悩まされていた。

 暦の上では春というのに外はまだ寒く、教会を出てすぐエレミアは軽い尿意を感じていた。
 一度戻って用を足そうか悩んだが、それだけのために帰ってきたと思われるのも恥ずかしく、結局ここまで歩いてきてしまった。
 街まで我慢しようと決めて早足で歩いてきたが、そろそろ限界が近づいていた。

 辺りは木々が生い茂り、小鳥の囀りと自分の足音が聞こえる静かな場所だ。
 他に人はいない。
 木の陰でしてしまっても、バレないのではないか。

 いやいや、とエレミアは頭を振った。
 神が見ているというのに、聖職者たる自分が野外で放尿をするなんて。

 エレミアは下腹部に力を込めて、早足で歩き続けた。




*******


 あれから1時間は経っただろうか。
 いつもと同じ道が、やけに長く感じる。
 1歩踏み込むときの僅かな振動ですら膀胱を刺激し、油断すると漏らしてしまいそうになる。
 考えないようにすればするほど尿意は強まるばかりだった。

「・・・ッ!」

 思わず漏らしそうになり、慌てて両手で股を押さえて立ち止まる。
 内股になって太ももに力を入れるも、尿意は弱まらず、少しでも動いたら出してしまいそうだ。

 あぁ、神よ。事前に準備を怠った私を罰しているのですね。

 空を見上げてながら、両手で強く押さえる。服越しに自分の性器の柔らかさの熱を感じる。
 じわり、と下着の一点が濡れた気がした。


 もう駄目だ。

 漏れる。

 出ちゃう・・・

 おしっこ漏れる!!


 ・・・お許しください!


 心のなかで叫びながら、エレミアは小道を外れ、草むらの方へ駆け込んだ。

 近くの木に寄り、慌てて黒い祭服キャソックの裾を捲り上げ、ズボンと下着のボタンを外し、性器の先を外に出す。
 脱ぎ終わるや否や、その先端からは勢いよく尿が排出された。

 ビチャビチャと下品な音を立てて、木の幹を濡らしていく。

 背徳感と羞恥心に泣きそうにながらも、ようやく解放された快感に思わず口元が緩む。
 しばらくして、勢いが弱まった尿が、放物線を描いて地面の草に落ちていく。
 朝露のように水滴がついた草が、木漏れ日に照らされてキラキラと輝いていた。



「・・・なんの音だ?」

 森の奥の方から、草を掻き分けて青年が顔を出した。

「え?」

 聖職者が野ションをしているのを目の当たりにし、呆気に取られる。


「あ・・・」

 目撃された羞恥心で、エレミアは一気に赤面した。
 思わず股に目を落とすも、チョロチョロとまだ出続けており、止めることが出来なかった。

 草むらから出てきた青年も、思わずエレミアの股間に注視してしまう。
 それに気付いたエレミアも、耳まで真っ赤になりながら、早く終わって欲しいと思いながら自身の性器の先を見ていた。


 ようやく出し切り、服装を直したエレミアは、なんと言うべきか分からず視線をウロウロとさせていた。
 目撃してしまった青年──アイザックも、なんと声をかけるべきかと沈黙を続けていた。


「・・・あのさ」

 誰にも言わないから、気にすんなよ、と言おうとしてアイザックが口を開くと同時に、エレミアはビクッと肩を震わせた。
 アイザックがエレミアを見つめると、彼は俯いたまま涙目になっていた。
 醜態を晒してしまったことでパニックになっているらしい。
 
「あの・・・っ!このような・・・も、申し訳ありません!」

 ガバっと頭を下げると、エレミアは一目散に逃げ出した。

「待っ・・・」

 突然のことに驚いて手を伸ばすも、エレミアの姿はあっという間に見えなくなってしまった。
 
「まぁ、普通に恥ずかしいよな。うん」

 先ほどまで彼がいた場所に目を落とすと、木の幹からその下まで盛大に濡らした跡が広がっていた。

 相当、我慢してたんだろうな。
 目が合った瞬間、一気に赤くなった彼の顔を思い出してしまい、吹き出してしまう。

「変な奴だったな・・・ん?」

 濡れている草が、陽の光とは違う光り方をしているのに目が止まる。
 そっとしゃがみ込み近くで見ると、雫の一粒一粒が魔力を帯びているようだった。

 この光の色、回復ポーションと似ているような・・・
 より目を凝らすも、これが彼のおしっこであることを思い出し、サッと離れる。

「何やってんだよ俺」

 自嘲しながら立ち上がり、森の奥へと歩き出す。
 
 それにしても・・・
 アイザックは、エレミアの俯き涙を目に溜めた表情を思い出す。

 男のくせに、やたら可愛かったような・・・?!
 急に頬が火照り、脈が速くなる。

「そんなことより、修行、修行!」

 雑念を断ち切るように、アイザックは野生のモンスター狩りに戻って行った。



 



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