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おしがま配信

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「ユウ・・・ごめん。好き、だよ」

 薄暗い部屋でイチはユウを見下ろしながら言う。床に押し付けたユウの手を恋人繋ぎする。

「先輩・・・」

 ユウは呼吸を乱しながらイチを見上げた。イチの背後に電気の点いていない蛍光灯がぼんやり光って見える。
 好きだなんて嘘だ。
 そう思いながらも、下腹部の一点に熱が帯びていく。
 身体が浮かぶような感覚に襲われながら、ユウはイチの手を握り返した。

「もっと、奥まで・・・」

 恥じらうような声を出しながら、ユウはイチを誘う。ユウの性器は彼自身の臍に付きそうなほど上向きになり、先端からはダラリと体液が漏れていた。

 それに応えるように、イチはより深くまでユウの中に侵入していった。

「あっ・・・!」

 ユウはビクリと腰を浮かせた。
 不意にスイッチが入ったようにイチは腰を動かし始めた。
 
 身体の中は熱いのに、背中から尻に触れる濡れたカーペットが冷たい。時々、集中力が切れるとツンとする臭いに気付いてしまう。

 イチが腰を振るのに合わせてユウは嬌声をあげる。
 快楽の波に溺れながら、2人はそれぞれ別の人物を心に思い浮かべるのだった。




************



「おしがまレースゲーム対決~!」
「イェーィ!」

 マイクとカメラに向かって2人は話し始めた。パソコン上では、ゲーム画面に重なるようにイラストの2人の男が動く。
 イチとユウは、キャラクターになって顔出しはせずに動画の配信をしていた。

「我々ねー、もう既に缶チューハイ4本は飲んでおります」
「今、5本目。ふわよいカシスオレンジでーす」

 3画面ある内の右側で、視聴者からのコメントが流れていく。時々拾いながら、スパチャにお礼を言いながら2人はゲームを進める。

「あー、もう漏れそう。おしっこしたい」

 イチはコントローラーを握りながら余裕のある表情で言う。

「いや全然そんな顔してないですよ」

 ユウはイチを一瞥して言う。自分の方が限界が近い。そう感じていた。
 ユウは、そっと足を組み替え、下腹部に力を込めた。性器に冷たく焦燥感が走る。普段ならトイレに駆け込んでいるくらいの強い尿意だった。

「このステージを負けた方がコップ一杯の水を飲むってことで」

 イチは意気揚々と言い、ゲーム内で運転する車のスピードを上げた。

「あー、卑怯ですよショートカットするのは」

 ユウも慌ててイチを追う。もう水分を体に入れたくなかった。






「あっ、も、駄目・・・です」

 内股になり、もじもじさせながらユウは苦しそうに言う。
 1時間が経ち、ユウは追加で水をコップ2杯、缶ビールを1本空にしていた。
 油断すると漏らしてしまいそうだった。

「え~、まだまだユウなら行けるって」

 ニヤニヤしながらも、イチも新たに缶ビール2本を飲み干しており、尿意も強まっていた。
 時々、足を開いたり閉じたりして気を紛らわそうとする。

「あっ、あ!・・・出る!出るって!」

 ユウはコントローラーから手を離し、股間を押さえた。机からゲームチェアごと離れ、くるくると回る。

 画面上ではコメントが増え、盛り上がってきた。

「おしっこしてくる?ユウの負けってことでオケ?」

 マイクを構えてイチはユウに近づく。内心イチもユウが早くトイレに行くのを望んでいた。決着が付けば、自分も我慢から解放される。

「漏れッ・・・!」

 椅子から立ち上がり、ユウはトイレのある方向に走ろうとした。

「・・・ッ!」

 ユウは、股間を押さえたままその場で立ち止まった。

「ユウ?早くトイレ行け・・・」

 そこまで言ってイチは黙る。
 代わりにビチャビチャと水音が部屋に響いた。
 
 ユウはそのまましゃがみ込んだ。
 ズボンを履いたまま尿は次から次へと溢れ、カーペットを濡らしていく。
 水音に釣られ、自分も漏らしそうになるのを、イチは股を押さえて食い止めた。

「あ、あー・・・!ユウが、お漏らししちゃったので終了~」

 思い出したようにイチは実況する。
 コメント欄では「ユウくんのおもらし音!」「録音した」「結構ビチャビチャいってる」などの声が続々と流れていた。

「じゃー皆、今日の配信はここまで!ご視聴ありがとうございました~!後日談はまた今度!」

 イチは配信終了ボタンをクリックし、こっそりと録画用のカメラを回し始めた。

「・・・ユウ、大丈夫か?」

 下腹部に力を込め直し、イチは彼に近づく。
 しゃがみ込んだ股からは、まだショロショロと尿が漏れていた。

「全然止まらないです・・・」

 苦笑し、目を逸らしながらユウは言う。

「はぁ・・・でもスッキリしました」

 ユウは、自分が濡らしたカーペットの上に尻をつけて座った。

「人ん家の床を汚しておいてさぁ・・・」

 イチは、小さく足踏みをした。掃除もしたいが、それより先に自分も尿意が限界だった。
 リビングテーブルに、マイクを置く。

「・・・つーか、俺もおしっこ漏れそ」

 トイレに行こうとするイチを、ユウは後ろから抱きついて妨害した。

「え、マジでやめて。漏れちゃうって!」

 切羽詰まったようにイチは言う。

「先輩も一緒に漏らしましょうよ。いつも裏垢でやってるでしょ?」

 ユウはイチの股間を服の上から強く握った。

「ちょっ、駄目ッ」

 イチは内股になりながら必死にユウを振り払おうとする。

「漏れるって!」

 それでもイチの股間を揉み続けるユウに、声を荒げながらイチは言う。
 いよいよ限界に近いのを感じて、ユウは優越感に口元を緩ませた。

「・・・あっ」

 ユウは手のひらに熱を感じた。指の間から勢いよく液体が溢れ出していく。

「っ・・・!」

 ズボンの中からジュイィィィィッという音が聞こえる。ボタボタと鈍い水音を立ててカーペットを濡らしていった。

「ずっと出てる・・・」

 イチはゆっくりとその場に座り込んだ。
 ユウは立ち尽くし、イチを呆然と見下ろした。

「・・・ハハ、見ろよ」

 イチは胡座をかく。股の中央からは、不規則な噴水が出来ていた。

「・・・はぁ、限界まで漏らすとやっぱ気持ちいいな」
 
 排尿を続けながら、イチは労わるように自らの股間を撫でた。
 未だに勢いよく出続ける尿に、イチは耳を赤くした。

「つーか、どんだけ出るんだよ、恥ずかし」

 座り込んだカーペットも吸い取りきれなくなり、ビチャビチャと派手な音を立てた。
 下半身は全て濡れ、濡れた服が肌に張り付く。

「っ!」

 ぶるっと身体を震わせると、イチは下腹部に力を込めて最後まで尿を出し切った。

「・・・ほんと最高」

 イチは、ため息を吐いて目を伏せた。






















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