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バレンタインの媚薬
チョコレートはいかがですか?
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「事務の女性一同からチョコレートでーす。いつもお世話になってます」
捜査三課の室内にいた警察官に、スカートの制服を着た女性警察官がチョコレートを配っていく。
箱の中で綺麗に仕切りをされて並んだチョコレートは、どれも光沢を放って宝石のようだった。
「えー、本命?」
剽軽な刑事が、女性警察官に尋ねる。
「やっだぁ!義理に決まってるじゃないですかぁ」
女性警察官は笑う。
「香坂刑事もどうぞ。最後の一粒ですよ」
女性警察官は、香坂刑事に箱を差し出す。
「ああ、どうも」
愛想笑いをしながら、香坂刑事はそのトリュフチョコを口にした。
怪盗ナイトウォーカー対策室と書かれた紙が貼られた会議室に、10人余りの警察官が集まる。ホワイトボードの前では、坊主頭のガタイの良い男が話していた。
「えー、今朝も署に怪盗ナイトウォーカーから予告状が届いた」
その男-渡辺警部は、ホワイトボードに予告状を貼る。
*****
本日2月14日19時。セントラルデパートで展示されている天使のチョコレート像を頂きに参上する。
愛をこめて 怪盗ナイトウォーカー
*****
「資料にある通り、天使のチョコレート像とは、金箔でコーティングされた3メートルの像で・・・
ゴトッ。
渡辺警部の説明中に、デスクに固いものが落ちる音がする。
「香坂ぁ!居眠りとは良い度胸だな!」
渡辺警部が、音がした方に怒鳴る。香坂刑事は、机に伏せるような体勢で動かなかった。
周りの警察官が、チラチラと香坂刑事のほうを見る。
部屋の後ろの壁に立っていた安田巡査が、駆け寄って、香坂刑事の肩を叩く。反応はない。
「警部、なんか様子が変っス」
安田は、香坂刑事の首に手を当てながら言う。
「・・・高熱です」
それを聞いた渡辺警部は、小さく舌打ちをした。
「全くたるんどる。やる気のない奴は現場に要らん!医務室に連れて行け」
何事も無かったかのように、警部は説明に戻る。
安田巡査は心の中で舌を出しながら、香坂刑事を肩に担いで医務室に向かった。
「刑事?大丈夫スか?」
医務室に向かう途中、安田巡査は香坂刑事に話しかける。
「あ、あぁ・・・」
香坂刑事は、虚ろな目で答えた。ひどい眩暈で、景色が歪む。身体は熱く、脈が速くなっていた。
「ゆっくり休んでくださいよ。アンタが死んだら、柊の奴が号泣っスよ」
医務室のベッドに香坂刑事を座らせながら安田巡査は軽口を叩く。
「・・・アイツが泣くタマかよ」
布団を被りながら、香坂刑事は笑う。
「帰りにアシがいるなら言ってくださいよ。ゆっくり送ってサボりたいんで」
「渡辺警部にゲンコツ食らうぞ」
安田巡査は、肩をすぼめてベッドから離れる。周りを囲むカーテンが閉められた。
1人になった香坂刑事は、熱にうなされながら、そっと股に手を伸ばす。膨張したものがテントを張っていた。
疲れてるのか?と思いながら、香坂刑事は瞳を閉じた。すると、すぐに眠りに落ちていった。
捜査三課の室内にいた警察官に、スカートの制服を着た女性警察官がチョコレートを配っていく。
箱の中で綺麗に仕切りをされて並んだチョコレートは、どれも光沢を放って宝石のようだった。
「えー、本命?」
剽軽な刑事が、女性警察官に尋ねる。
「やっだぁ!義理に決まってるじゃないですかぁ」
女性警察官は笑う。
「香坂刑事もどうぞ。最後の一粒ですよ」
女性警察官は、香坂刑事に箱を差し出す。
「ああ、どうも」
愛想笑いをしながら、香坂刑事はそのトリュフチョコを口にした。
怪盗ナイトウォーカー対策室と書かれた紙が貼られた会議室に、10人余りの警察官が集まる。ホワイトボードの前では、坊主頭のガタイの良い男が話していた。
「えー、今朝も署に怪盗ナイトウォーカーから予告状が届いた」
その男-渡辺警部は、ホワイトボードに予告状を貼る。
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本日2月14日19時。セントラルデパートで展示されている天使のチョコレート像を頂きに参上する。
愛をこめて 怪盗ナイトウォーカー
*****
「資料にある通り、天使のチョコレート像とは、金箔でコーティングされた3メートルの像で・・・
ゴトッ。
渡辺警部の説明中に、デスクに固いものが落ちる音がする。
「香坂ぁ!居眠りとは良い度胸だな!」
渡辺警部が、音がした方に怒鳴る。香坂刑事は、机に伏せるような体勢で動かなかった。
周りの警察官が、チラチラと香坂刑事のほうを見る。
部屋の後ろの壁に立っていた安田巡査が、駆け寄って、香坂刑事の肩を叩く。反応はない。
「警部、なんか様子が変っス」
安田は、香坂刑事の首に手を当てながら言う。
「・・・高熱です」
それを聞いた渡辺警部は、小さく舌打ちをした。
「全くたるんどる。やる気のない奴は現場に要らん!医務室に連れて行け」
何事も無かったかのように、警部は説明に戻る。
安田巡査は心の中で舌を出しながら、香坂刑事を肩に担いで医務室に向かった。
「刑事?大丈夫スか?」
医務室に向かう途中、安田巡査は香坂刑事に話しかける。
「あ、あぁ・・・」
香坂刑事は、虚ろな目で答えた。ひどい眩暈で、景色が歪む。身体は熱く、脈が速くなっていた。
「ゆっくり休んでくださいよ。アンタが死んだら、柊の奴が号泣っスよ」
医務室のベッドに香坂刑事を座らせながら安田巡査は軽口を叩く。
「・・・アイツが泣くタマかよ」
布団を被りながら、香坂刑事は笑う。
「帰りにアシがいるなら言ってくださいよ。ゆっくり送ってサボりたいんで」
「渡辺警部にゲンコツ食らうぞ」
安田巡査は、肩をすぼめてベッドから離れる。周りを囲むカーテンが閉められた。
1人になった香坂刑事は、熱にうなされながら、そっと股に手を伸ばす。膨張したものがテントを張っていた。
疲れてるのか?と思いながら、香坂刑事は瞳を閉じた。すると、すぐに眠りに落ちていった。
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