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ラムネ
しおりを挟む夏の生ぬるい風が吹く
陽射しはますます強くなり
蝉の鳴き声が鬱陶しい
自分たちと同じように汗をかいたラムネをあおれば
カランと静かな音が鳴る
すっかり抜けてしまった炭酸に
今の喪失感が重なる
チラリと振り返れば
部屋の日陰で寝転ぶ宇立がいた
疲れて眠る額に汗が浮かぶ
濡れた前髪に触れると
うっすらと瞳を開けた
「もう一回しようぜ」
ニヤリとしながら俺を見上げる姿は妙に色っぽい
今日は夏合宿で寮の同室人はいない
覆いかぶさるようにキスを落とした
蝉時雨に嬌声を隠して深くまで
またラムネが温くなる
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