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10章 アレクシアと愉快な仲間2
アレクシア、田舎皇女を貫く!
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暫く気まずい沈黙が続く中、何を思ったのかエルフ族のナナーサが田舎っぺ皇女アレクシアに近づいて来た。
「何でしゅ⋯何だっぺ!やるのか!?爺達!ほら早くシアを守ってけろ!!」
そう言いながらもアレクシアは急いでジースリーの背後に隠れた。
「あなた、本当にこの国の皇女なの?ラルフレアとの今の会話⋯もしかしてだけどあなたがアリアナ?」
ナナーサの核心をついた問いがアレクシアを襲うが、そんな緊張感が漂うこの場に似合わない声が聞こえてきた。
『主しゃま~!!我、ジャイアントボアをたくしゃん食べまちた~!!』
口の周りを真っ赤にした小さな白い子犬が嬉しそうにアレクシアの元へ走ってきた。その後ろからも黒い子犬と三匹の灰色の子犬が尻尾を振りながらアレクシアの元へやって来た。
そんな五匹の子犬を見たナナーサは驚いた。
「まさか白玉?あの黒いのは黒蜜?⋯じゃああの三匹はケルベロス?」
「何言ってんだ!この白い犬は皇宮の番犬シロだっぺ!黒いのはクロ!灰色の三匹はワン、ツー、スリーだ!!」
アレクシアがナナーサに反論するが、ナナーサやラルフレアに気付いた白玉達が爆弾発言をする。
『あー!ナナーサとラルフレアだ!』白玉は尻尾を振って喜んでいる。
『ラルフレアが動かにゃい!』
硬直したままのラルフレアの周りをぐるぐる回っている黒蜜。
『あははは!目が点になってましゅ!!』
みたらしはそんなラルフレアを見て笑い転げていた。きなこはナナーサとエルフ族の男性に近付いてクンクンと匂いを嗅いでいた。あんこは獣人族の者に可愛がられていた。
「私達と話せる時点で普通の犬じゃないわ。それにこの子達は私やラルフレアを知っているようね?」
もう隠しきれないと感じたポーポトスがナナーサに説明しようとしたが、アレクシアに止められた。
「ポポ爺さん、おらはこれから父の面倒をみねぇといけねぇから帰る!そこのエルフさん!おらは忙しいからここまでだ!アリアナ?というおなごは探してみるから今日はあの筋肉馬鹿を連れて帰ってけろ!」
「あら?帰ってと言ったけどここから里まで結構時間がかかるのよ。だから今日は泊めてくれない?この馬鹿は知らないけど」
「転移魔法ですぐだべ!」
ナナーサが美しい笑顔で嫌そうなアレクシアに提案してきた。そんなナナーサの部下であるエルフ族の男性は二人のやり取りに呆れ果てていた。この幼子がアリアナである事は誰が見ても分かった。見た目まで昔のアリアナとそっくりなのだ。
獣人族の者もアレクシアを見て涙を堪えるのに必死だった。まさか本当にアリアナがいるとは思っていなかったのだ。ラルフレアは驚きと混乱で頭が追いついていないので、ラルフレアよりも大柄な熊の獣人グリスがアレクシアの元へ行くと跪いた。
「アリアナ様、お久しぶりで御座います。熊の族長グリスです。覚えていますか?」
「アレクシアだっぺ!熊さん、まさかオメェらもこの国に泊まるとかいうのか!?」
「はい。国までかなりの時間がかかります」
「転移魔法ですぐだべ!!」
プンスカと怒るアレクシアだが、エルフ族も獣人族も何故か嬉しそうだった。
「アレクシアよ、これ以上ここにはいられないから取り敢えず皇宮に戻ってから話そう」
ポーポトスが集まり出した冒険者や兵士達を見てそう提案した。これ以上ここにいたら目立つしエルフ族や獣人族が人族の国に現れたとなると他国も騒ぎ出すかもしれない。
「ぐぬぬ⋯おらは父の面倒をみねぇといけねぇから知らねぇずら!!」
「アレクシア⋯ブッ⋯訛りが酷くなっとるぞ!」
アレクシアがあまりに訛っているのでデイルズとミルキルズは笑いが止まらない。小鳥ウロボロスもアレクシアの頭の上で笑い過ぎてピクピクしていた。
そんな中でグリスに一発殴られてやっと我に返ったラルフレアがアレクシアの元へ小走りにやって来た。
「お前⋯本当にアリアナなのか?」
「鼻血がスゲェ出てっぞ?」
信じられない量の鼻血が出ているラルフレアにドン引きのアレクシア。
「筋肉馬鹿、ここでは目立つから皇宮で話すわよ。アリアナに許可をもらったわ」
「⋯⋯」
嬉しそうなナナーサと嫌そうなアレクシアを交互に見ていたラルフレアがまた混乱状態に陥ったので、グリスが引き摺るように連れて行くのであった。転移魔法で戻ろうとしていたが、そこへ冒険者ギルドマスターのアレンと副ギルドマスターのデクスターがアレクシアの元へと近付いてきた。
「おいシア!これはどう言う事だ!?何で幼いお前が⋯それに彼等は本当にエルフ族と獣人族なのか?」
「アレンしゃん、後でちゃんと説明するずら!此奴らは敵ではないから安心して冒険者達を解散させてけろけろ!!」
アレクシアの謎の訛りに最初は衝撃を受けたアレンとデクスターだが、この幼子の奇行は今に始まった事ではないのでスルーする事にした。遠くから見ていた冒険者達は何故に冒険者シアがエルフ族や獣人族と話しているのか疑問であったが、シアが皇女だと思う者は一人もいなかった。
「⋯分かった。心配だから必ずギルドに顔を出せよ?」
「分かったずら!」
「ずらって⋯」
苦笑いのアレン達と別れて、エルフ族と獣人族を引き連れたアレクシアはポーポトスの転移魔法で皇宮に戻ったのだった。
「おい、アレクシアよ。お主の父親は元気じゃぞ?」
ミルキルズがコソコソとアレクシアに話しかける。
「ミル爺!今すぐに父上をボコボコにして下しゃい」
「何を言ってるんじゃ!全くこの子は!」
ポーポトスに拳骨を喰らい痛みで蹲るアレクシアを見てこの幼子はアリアナだと脳筋ラルフレアも確信したのだった。
「また人族として生まれたのね⋯今度こそ幸せに暮らしているのかしら」
「まさか本当にアリアナだったとは⋯神は信じないと誓ったがこれは神の奇跡か!?」
ナナーサとラルフレアはとても田舎の城とは思えない皇宮に到着した後、豪華絢爛な廊下を部下と共に進んでいた。すると懐かしい気配がこちらに向かって来るのを感じた。
「おいおい!引き連れて来てどうすんだよ!」
竜族族長であるゼストが苦笑いしながらこちらに向かって来たのだ。
「ナナーサとラルフレアか、久しいな」
魔国の国王陛下デズモンドもやって来た。
「む。アレクシア、どう言う事だ?」
ロインとやって来たルシアードを見たアレクシアは何やらソワソワしていた。そして⋯
「父ちゃん!まだ具合が悪いべ!?寝ててけろ!」
アレクシアはルシアードの元に駆けて行くと、ルシアードによじ登って背中を優しく摩った。それを見たロインはエルフ族と獣人族が一緒にいる事もあり、アレクシアがまた何かやらかしたとすぐに分かった。
「む。アレクシア?一体何を⋯」
「昨日は酷い腰痛で寝てたっぺ!いくら国が貧乏でも働き過ぎだ!おらが働くから寝ててけろけろ!」
この場が一気に静まり返る。ゼストは腹を抱えて笑い、遅れてやって来たアランカルトはアレクシアをジト目で見ていた。
「アレクシア、俺も急に具合が悪くなったんだ。面倒を見てくれ」
デズモンドが腹を摩りながらアレクシアに近付く。
「トイレに行ってけろ!」
「⋯⋯」
悲しそうなデズモンドを無視してルシアードを寝室に追いやろうと必死なアレクシア。
「デズモンド?それにゼスト様まで⋯」
あまりに大物揃いなので驚いてしまうナナーサとラルフレア。そしてそんな必死なアレクシアに追い討ちをかけるのはやはりこの男だった。
「アレクシアよ!婚約者が苦しんでいるんじゃぞ!?助けてやってくれ!!」
デイルズが余計な一言を言い放った。アレクシアはデイルズに向かって行き盛大な飛び蹴りをお見舞いしたのだった。
「何でしゅ⋯何だっぺ!やるのか!?爺達!ほら早くシアを守ってけろ!!」
そう言いながらもアレクシアは急いでジースリーの背後に隠れた。
「あなた、本当にこの国の皇女なの?ラルフレアとの今の会話⋯もしかしてだけどあなたがアリアナ?」
ナナーサの核心をついた問いがアレクシアを襲うが、そんな緊張感が漂うこの場に似合わない声が聞こえてきた。
『主しゃま~!!我、ジャイアントボアをたくしゃん食べまちた~!!』
口の周りを真っ赤にした小さな白い子犬が嬉しそうにアレクシアの元へ走ってきた。その後ろからも黒い子犬と三匹の灰色の子犬が尻尾を振りながらアレクシアの元へやって来た。
そんな五匹の子犬を見たナナーサは驚いた。
「まさか白玉?あの黒いのは黒蜜?⋯じゃああの三匹はケルベロス?」
「何言ってんだ!この白い犬は皇宮の番犬シロだっぺ!黒いのはクロ!灰色の三匹はワン、ツー、スリーだ!!」
アレクシアがナナーサに反論するが、ナナーサやラルフレアに気付いた白玉達が爆弾発言をする。
『あー!ナナーサとラルフレアだ!』白玉は尻尾を振って喜んでいる。
『ラルフレアが動かにゃい!』
硬直したままのラルフレアの周りをぐるぐる回っている黒蜜。
『あははは!目が点になってましゅ!!』
みたらしはそんなラルフレアを見て笑い転げていた。きなこはナナーサとエルフ族の男性に近付いてクンクンと匂いを嗅いでいた。あんこは獣人族の者に可愛がられていた。
「私達と話せる時点で普通の犬じゃないわ。それにこの子達は私やラルフレアを知っているようね?」
もう隠しきれないと感じたポーポトスがナナーサに説明しようとしたが、アレクシアに止められた。
「ポポ爺さん、おらはこれから父の面倒をみねぇといけねぇから帰る!そこのエルフさん!おらは忙しいからここまでだ!アリアナ?というおなごは探してみるから今日はあの筋肉馬鹿を連れて帰ってけろ!」
「あら?帰ってと言ったけどここから里まで結構時間がかかるのよ。だから今日は泊めてくれない?この馬鹿は知らないけど」
「転移魔法ですぐだべ!」
ナナーサが美しい笑顔で嫌そうなアレクシアに提案してきた。そんなナナーサの部下であるエルフ族の男性は二人のやり取りに呆れ果てていた。この幼子がアリアナである事は誰が見ても分かった。見た目まで昔のアリアナとそっくりなのだ。
獣人族の者もアレクシアを見て涙を堪えるのに必死だった。まさか本当にアリアナがいるとは思っていなかったのだ。ラルフレアは驚きと混乱で頭が追いついていないので、ラルフレアよりも大柄な熊の獣人グリスがアレクシアの元へ行くと跪いた。
「アリアナ様、お久しぶりで御座います。熊の族長グリスです。覚えていますか?」
「アレクシアだっぺ!熊さん、まさかオメェらもこの国に泊まるとかいうのか!?」
「はい。国までかなりの時間がかかります」
「転移魔法ですぐだべ!!」
プンスカと怒るアレクシアだが、エルフ族も獣人族も何故か嬉しそうだった。
「アレクシアよ、これ以上ここにはいられないから取り敢えず皇宮に戻ってから話そう」
ポーポトスが集まり出した冒険者や兵士達を見てそう提案した。これ以上ここにいたら目立つしエルフ族や獣人族が人族の国に現れたとなると他国も騒ぎ出すかもしれない。
「ぐぬぬ⋯おらは父の面倒をみねぇといけねぇから知らねぇずら!!」
「アレクシア⋯ブッ⋯訛りが酷くなっとるぞ!」
アレクシアがあまりに訛っているのでデイルズとミルキルズは笑いが止まらない。小鳥ウロボロスもアレクシアの頭の上で笑い過ぎてピクピクしていた。
そんな中でグリスに一発殴られてやっと我に返ったラルフレアがアレクシアの元へ小走りにやって来た。
「お前⋯本当にアリアナなのか?」
「鼻血がスゲェ出てっぞ?」
信じられない量の鼻血が出ているラルフレアにドン引きのアレクシア。
「筋肉馬鹿、ここでは目立つから皇宮で話すわよ。アリアナに許可をもらったわ」
「⋯⋯」
嬉しそうなナナーサと嫌そうなアレクシアを交互に見ていたラルフレアがまた混乱状態に陥ったので、グリスが引き摺るように連れて行くのであった。転移魔法で戻ろうとしていたが、そこへ冒険者ギルドマスターのアレンと副ギルドマスターのデクスターがアレクシアの元へと近付いてきた。
「おいシア!これはどう言う事だ!?何で幼いお前が⋯それに彼等は本当にエルフ族と獣人族なのか?」
「アレンしゃん、後でちゃんと説明するずら!此奴らは敵ではないから安心して冒険者達を解散させてけろけろ!!」
アレクシアの謎の訛りに最初は衝撃を受けたアレンとデクスターだが、この幼子の奇行は今に始まった事ではないのでスルーする事にした。遠くから見ていた冒険者達は何故に冒険者シアがエルフ族や獣人族と話しているのか疑問であったが、シアが皇女だと思う者は一人もいなかった。
「⋯分かった。心配だから必ずギルドに顔を出せよ?」
「分かったずら!」
「ずらって⋯」
苦笑いのアレン達と別れて、エルフ族と獣人族を引き連れたアレクシアはポーポトスの転移魔法で皇宮に戻ったのだった。
「おい、アレクシアよ。お主の父親は元気じゃぞ?」
ミルキルズがコソコソとアレクシアに話しかける。
「ミル爺!今すぐに父上をボコボコにして下しゃい」
「何を言ってるんじゃ!全くこの子は!」
ポーポトスに拳骨を喰らい痛みで蹲るアレクシアを見てこの幼子はアリアナだと脳筋ラルフレアも確信したのだった。
「また人族として生まれたのね⋯今度こそ幸せに暮らしているのかしら」
「まさか本当にアリアナだったとは⋯神は信じないと誓ったがこれは神の奇跡か!?」
ナナーサとラルフレアはとても田舎の城とは思えない皇宮に到着した後、豪華絢爛な廊下を部下と共に進んでいた。すると懐かしい気配がこちらに向かって来るのを感じた。
「おいおい!引き連れて来てどうすんだよ!」
竜族族長であるゼストが苦笑いしながらこちらに向かって来たのだ。
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「父ちゃん!まだ具合が悪いべ!?寝ててけろ!」
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「む。アレクシア?一体何を⋯」
「昨日は酷い腰痛で寝てたっぺ!いくら国が貧乏でも働き過ぎだ!おらが働くから寝ててけろけろ!」
この場が一気に静まり返る。ゼストは腹を抱えて笑い、遅れてやって来たアランカルトはアレクシアをジト目で見ていた。
「アレクシア、俺も急に具合が悪くなったんだ。面倒を見てくれ」
デズモンドが腹を摩りながらアレクシアに近付く。
「トイレに行ってけろ!」
「⋯⋯」
悲しそうなデズモンドを無視してルシアードを寝室に追いやろうと必死なアレクシア。
「デズモンド?それにゼスト様まで⋯」
あまりに大物揃いなので驚いてしまうナナーサとラルフレア。そしてそんな必死なアレクシアに追い討ちをかけるのはやはりこの男だった。
「アレクシアよ!婚約者が苦しんでいるんじゃぞ!?助けてやってくれ!!」
デイルズが余計な一言を言い放った。アレクシアはデイルズに向かって行き盛大な飛び蹴りをお見舞いしたのだった。
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