転生皇女は冷酷皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!

akechi

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8章 アレクシアと竜の谷の人々

閑話 アレクシアのモーニングルーティン(?)〜アレクシア幼女の事件簿〜①

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●朝5時起床


大人が五人くらい楽々寝れるサイズの豪華絢爛のベッドに敷かれたフカフカの最高級布団で眠っているアレクシアだが、きっちり早朝5時に目が覚める。今までの過酷な生活で朝早く起きて朝食を調達しなきゃいけなかったので、毎日の習慣になってしまった。

「相変わらずあちゅ苦しいでしゅね⋯」

アレクシアを大切そうに抱きしめて眠る色気ダダ漏れの男性。この大帝国アウラードの皇帝であり、アレクシアの実の父親ルシアードだ。そしてベッドの下の方で丸まりながら固まって眠っているのは白玉・黒蜜・みたらし・きなこ・あんこのアレクシア大好き従魔達だ。

ルシアードの腕の隙間からすり抜けてずりずりとベッドから降りる。そしてよちよち歩いて一人で顔を洗いに行く。何故一人でかというと、この部屋にはルシアードの許可無く入る事が出来ないので当たり前に女官もいない。アレクシアの為に置いてある台に乗って顔を洗い、髪を整える(水でちょんとやるだけ)。

「む。アレクシア、起きる時は起きると言え。俺が髪の毛を整えてやったのに⋯」

少し拗ねてやって来た無駄に色気ダダ漏れのルシアード。

「ハイハイ、起きまちた。髪は自分でやりましゅ!この前父上に任しぇたら髪がタマネギみたいになりまちたから!」

そう言ってプンスカ怒るアレクシアを宥めつつ、簡易的だがえげつない金額であろうドレスを着させながら自分も着替えるルシアード。この二人の共通点は自分の事は自分でやりたい派だという事だ。

「おちび達ーー!!ご飯でしゅよーー!!」

『『『『『ご飯ーーーーー!!!!!』』』』』

ベッドから降りてアレクシアの周りをぐるぐる回る五匹の子犬従魔達だったが、末っ子のあんこだけが目が回ってしまいダウン。アレクシアの頭の上で療養中だ。



●朝5時30分 軽い散歩


着替えたアレクシアとルシアードが扉を開けて部屋を出ると、側近やら従者達がずらりと並んでいた。何故か頭に子犬を乗せた皇女に驚く者や、肩を震わす者
等反応は様々だが、ルシアードの威圧に緊張感は抜けない。

「シアは少し庭を散歩ちましゅから、父上は⋯⋯行く気満々でしゅね」

「む。当たり前だ。」

側近や従者に各自仕事に戻るように言うと、よちよち歩き出したアレクシアの後を追ってきた皇帝ルシアード。皇帝の前を歩く皇女に皆が驚いている中、広大な中庭を散歩していると前方からお馴染みの人物がやって来た。



●朝5時45分 未知との遭遇


「うっ!目がやられましゅ!!」

いきなり迫って来たド派手なピンク色に目が驚いてしまいプチパニックになるアレクシア。

「あら!相変わらず失礼な子ね!!⋯⋯あんたも剣を抜かないでよ!!」

目をぱちぱちさせてるアレクシアを後ろに隠して、こちらを睨み付けて剣を抜こうとするルシアードに呆れるランゴンザレス。ちなみにゼストは現在アレクシアの叔父であるロインにほぼ監禁状態で人族の常識を教え込まれている。

「ランしゃんは目に悪いでしゅね⋯!日に日にピンクが強くなっていましゅ!」

「酷いわねぇ~!!せっかくあたしがあんたを助けに来たのに~!」

「助けに?何でしゅか?黄金竜が暴れてるんでしゅか?」

身に覚えがないので小首を傾げるアレクシア。

「暴れる気力もなさそうだったわよ⋯。ロイン⋯あの子は恐ろしいわ!!」

ロインの名前を聞いてアレクシアの足下でブルブル震える4匹の子犬従魔。



●朝6時 確保・連行

「そんなロインがあんたを探してるわよ?多分もうここに向かっているわね~!」

「な⋯なんでしゅとーー!!」

またまたプチパニックになり逃げようとするアレクシア。

「今度は一体何やったのよ?」

パニクるアレクシアを宥めつつも何をやったのか問い詰めるランゴンザレス。

「⋯⋯⋯」

考えながら数えていく指が10本では足りなくなって途方に暮れるアレクシアと呆れるランゴンザレス。すると、背後から冷気が漂い霧が立ち込める。その霧から人影が近づいてくるのが分かりブルブル震えるアレクシア。

そんなアレクシアを背後に隠して守るルシアードは現れた人物を睨み付ける。

「む。何の用だ?今はアレクシアと散歩してるんだ。邪魔をするな」

「これは陛下、失礼致しました。⋯ですが、アレクシア皇女による被害が多発しているので私も心苦しいですがお話をお聞きしたいと参上いたしました」

皆の視線がアレクシアに集中する。アレクシアの足下にいた4匹の子犬従魔もスゥーっと後退りしていく。

「な⋯何でしゅか!!シアは何もちてましぇん!!」

「ほぅ?何もしてないと?」

ロインの視線がアレクシアに突き刺さる。

「では、朝食の前にゆっくりお話をお聞きしましょうか?陛下。皇女の話をお聞きしたいのですが宜しいですか?」

「む。ダメに決まっているだろう。お前の代わりに俺がアレクシアから話を聞く。」

「ふむ⋯。では陛下の名を騙り⋯「あぁーーー!分かりまちた!素直に行きましゅ!父上は待ってて下しゃいな!」

ロインの話を遮ったアレクシアは唖然とするルシアードや呆れ果てるランゴンザレス、そして今は自分に近づこうとしない4匹を置いてロインの後をトボトボとついて行くのだった。


*もう少しお付き合いください。この話が終わった後から本編を再開致します。





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