74 / 150
8章 アレクシアと竜の谷の人々
閑話 アレクシアのモーニングルーティン(?)〜アレクシア幼女の事件簿〜①
しおりを挟む
●朝5時起床
大人が五人くらい楽々寝れるサイズの豪華絢爛のベッドに敷かれたフカフカの最高級布団で眠っているアレクシアだが、きっちり早朝5時に目が覚める。今までの過酷な生活で朝早く起きて朝食を調達しなきゃいけなかったので、毎日の習慣になってしまった。
「相変わらずあちゅ苦しいでしゅね⋯」
アレクシアを大切そうに抱きしめて眠る色気ダダ漏れの男性。この大帝国アウラードの皇帝であり、アレクシアの実の父親ルシアードだ。そしてベッドの下の方で丸まりながら固まって眠っているのは白玉・黒蜜・みたらし・きなこ・あんこのアレクシア大好き従魔達だ。
ルシアードの腕の隙間からすり抜けてずりずりとベッドから降りる。そしてよちよち歩いて一人で顔を洗いに行く。何故一人でかというと、この部屋にはルシアードの許可無く入る事が出来ないので当たり前に女官もいない。アレクシアの為に置いてある台に乗って顔を洗い、髪を整える(水でちょんとやるだけ)。
「む。アレクシア、起きる時は起きると言え。俺が髪の毛を整えてやったのに⋯」
少し拗ねてやって来た無駄に色気ダダ漏れのルシアード。
「ハイハイ、起きまちた。髪は自分でやりましゅ!この前父上に任しぇたら髪がタマネギみたいになりまちたから!」
そう言ってプンスカ怒るアレクシアを宥めつつ、簡易的だがえげつない金額であろうドレスを着させながら自分も着替えるルシアード。この二人の共通点は自分の事は自分でやりたい派だという事だ。
「おちび達ーー!!ご飯でしゅよーー!!」
『『『『『ご飯ーーーーー!!!!!』』』』』
ベッドから降りてアレクシアの周りをぐるぐる回る五匹の子犬従魔達だったが、末っ子のあんこだけが目が回ってしまいダウン。アレクシアの頭の上で療養中だ。
●朝5時30分 軽い散歩
着替えたアレクシアとルシアードが扉を開けて部屋を出ると、側近やら従者達がずらりと並んでいた。何故か頭に子犬を乗せた皇女に驚く者や、肩を震わす者
等反応は様々だが、ルシアードの威圧に緊張感は抜けない。
「シアは少し庭を散歩ちましゅから、父上は⋯⋯行く気満々でしゅね」
「む。当たり前だ。」
側近や従者に各自仕事に戻るように言うと、よちよち歩き出したアレクシアの後を追ってきた皇帝ルシアード。皇帝の前を歩く皇女に皆が驚いている中、広大な中庭を散歩していると前方からお馴染みの人物がやって来た。
●朝5時45分 未知との遭遇
「うっ!目がやられましゅ!!」
いきなり迫って来たド派手なピンク色に目が驚いてしまいプチパニックになるアレクシア。
「あら!相変わらず失礼な子ね!!⋯⋯あんたも剣を抜かないでよ!!」
目をぱちぱちさせてるアレクシアを後ろに隠して、こちらを睨み付けて剣を抜こうとするルシアードに呆れるランゴンザレス。ちなみにゼストは現在アレクシアの叔父であるロインにほぼ監禁状態で人族の常識を教え込まれている。
「ランしゃんは目に悪いでしゅね⋯!日に日にピンクが強くなっていましゅ!」
「酷いわねぇ~!!せっかくあたしがあんたを助けに来たのに~!」
「助けに?何でしゅか?黄金竜が暴れてるんでしゅか?」
身に覚えがないので小首を傾げるアレクシア。
「暴れる気力もなさそうだったわよ⋯。ロイン⋯あの子は恐ろしいわ!!」
ロインの名前を聞いてアレクシアの足下でブルブル震える4匹の子犬従魔。
●朝6時 確保・連行
「そんなロインがあんたを探してるわよ?多分もうここに向かっているわね~!」
「な⋯なんでしゅとーー!!」
またまたプチパニックになり逃げようとするアレクシア。
「今度は一体何やったのよ?」
パニクるアレクシアを宥めつつも何をやったのか問い詰めるランゴンザレス。
「⋯⋯⋯」
考えながら数えていく指が10本では足りなくなって途方に暮れるアレクシアと呆れるランゴンザレス。すると、背後から冷気が漂い霧が立ち込める。その霧から人影が近づいてくるのが分かりブルブル震えるアレクシア。
そんなアレクシアを背後に隠して守るルシアードは現れた人物を睨み付ける。
「む。何の用だ?今はアレクシアと散歩してるんだ。邪魔をするな」
「これは陛下、失礼致しました。⋯ですが、アレクシア皇女による被害が多発しているので私も心苦しいですがお話をお聞きしたいと参上いたしました」
皆の視線がアレクシアに集中する。アレクシアの足下にいた4匹の子犬従魔もスゥーっと後退りしていく。
「な⋯何でしゅか!!シアは何もちてましぇん!!」
「ほぅ?何もしてないと?」
ロインの視線がアレクシアに突き刺さる。
「では、朝食の前にゆっくりお話をお聞きしましょうか?陛下。皇女の話をお聞きしたいのですが宜しいですか?」
「む。ダメに決まっているだろう。お前の代わりに俺がアレクシアから話を聞く。」
「ふむ⋯。では陛下の名を騙り⋯「あぁーーー!分かりまちた!素直に行きましゅ!父上は待ってて下しゃいな!」
ロインの話を遮ったアレクシアは唖然とするルシアードや呆れ果てるランゴンザレス、そして今は自分に近づこうとしない4匹を置いてロインの後をトボトボとついて行くのだった。
*もう少しお付き合いください。この話が終わった後から本編を再開致します。
大人が五人くらい楽々寝れるサイズの豪華絢爛のベッドに敷かれたフカフカの最高級布団で眠っているアレクシアだが、きっちり早朝5時に目が覚める。今までの過酷な生活で朝早く起きて朝食を調達しなきゃいけなかったので、毎日の習慣になってしまった。
「相変わらずあちゅ苦しいでしゅね⋯」
アレクシアを大切そうに抱きしめて眠る色気ダダ漏れの男性。この大帝国アウラードの皇帝であり、アレクシアの実の父親ルシアードだ。そしてベッドの下の方で丸まりながら固まって眠っているのは白玉・黒蜜・みたらし・きなこ・あんこのアレクシア大好き従魔達だ。
ルシアードの腕の隙間からすり抜けてずりずりとベッドから降りる。そしてよちよち歩いて一人で顔を洗いに行く。何故一人でかというと、この部屋にはルシアードの許可無く入る事が出来ないので当たり前に女官もいない。アレクシアの為に置いてある台に乗って顔を洗い、髪を整える(水でちょんとやるだけ)。
「む。アレクシア、起きる時は起きると言え。俺が髪の毛を整えてやったのに⋯」
少し拗ねてやって来た無駄に色気ダダ漏れのルシアード。
「ハイハイ、起きまちた。髪は自分でやりましゅ!この前父上に任しぇたら髪がタマネギみたいになりまちたから!」
そう言ってプンスカ怒るアレクシアを宥めつつ、簡易的だがえげつない金額であろうドレスを着させながら自分も着替えるルシアード。この二人の共通点は自分の事は自分でやりたい派だという事だ。
「おちび達ーー!!ご飯でしゅよーー!!」
『『『『『ご飯ーーーーー!!!!!』』』』』
ベッドから降りてアレクシアの周りをぐるぐる回る五匹の子犬従魔達だったが、末っ子のあんこだけが目が回ってしまいダウン。アレクシアの頭の上で療養中だ。
●朝5時30分 軽い散歩
着替えたアレクシアとルシアードが扉を開けて部屋を出ると、側近やら従者達がずらりと並んでいた。何故か頭に子犬を乗せた皇女に驚く者や、肩を震わす者
等反応は様々だが、ルシアードの威圧に緊張感は抜けない。
「シアは少し庭を散歩ちましゅから、父上は⋯⋯行く気満々でしゅね」
「む。当たり前だ。」
側近や従者に各自仕事に戻るように言うと、よちよち歩き出したアレクシアの後を追ってきた皇帝ルシアード。皇帝の前を歩く皇女に皆が驚いている中、広大な中庭を散歩していると前方からお馴染みの人物がやって来た。
●朝5時45分 未知との遭遇
「うっ!目がやられましゅ!!」
いきなり迫って来たド派手なピンク色に目が驚いてしまいプチパニックになるアレクシア。
「あら!相変わらず失礼な子ね!!⋯⋯あんたも剣を抜かないでよ!!」
目をぱちぱちさせてるアレクシアを後ろに隠して、こちらを睨み付けて剣を抜こうとするルシアードに呆れるランゴンザレス。ちなみにゼストは現在アレクシアの叔父であるロインにほぼ監禁状態で人族の常識を教え込まれている。
「ランしゃんは目に悪いでしゅね⋯!日に日にピンクが強くなっていましゅ!」
「酷いわねぇ~!!せっかくあたしがあんたを助けに来たのに~!」
「助けに?何でしゅか?黄金竜が暴れてるんでしゅか?」
身に覚えがないので小首を傾げるアレクシア。
「暴れる気力もなさそうだったわよ⋯。ロイン⋯あの子は恐ろしいわ!!」
ロインの名前を聞いてアレクシアの足下でブルブル震える4匹の子犬従魔。
●朝6時 確保・連行
「そんなロインがあんたを探してるわよ?多分もうここに向かっているわね~!」
「な⋯なんでしゅとーー!!」
またまたプチパニックになり逃げようとするアレクシア。
「今度は一体何やったのよ?」
パニクるアレクシアを宥めつつも何をやったのか問い詰めるランゴンザレス。
「⋯⋯⋯」
考えながら数えていく指が10本では足りなくなって途方に暮れるアレクシアと呆れるランゴンザレス。すると、背後から冷気が漂い霧が立ち込める。その霧から人影が近づいてくるのが分かりブルブル震えるアレクシア。
そんなアレクシアを背後に隠して守るルシアードは現れた人物を睨み付ける。
「む。何の用だ?今はアレクシアと散歩してるんだ。邪魔をするな」
「これは陛下、失礼致しました。⋯ですが、アレクシア皇女による被害が多発しているので私も心苦しいですがお話をお聞きしたいと参上いたしました」
皆の視線がアレクシアに集中する。アレクシアの足下にいた4匹の子犬従魔もスゥーっと後退りしていく。
「な⋯何でしゅか!!シアは何もちてましぇん!!」
「ほぅ?何もしてないと?」
ロインの視線がアレクシアに突き刺さる。
「では、朝食の前にゆっくりお話をお聞きしましょうか?陛下。皇女の話をお聞きしたいのですが宜しいですか?」
「む。ダメに決まっているだろう。お前の代わりに俺がアレクシアから話を聞く。」
「ふむ⋯。では陛下の名を騙り⋯「あぁーーー!分かりまちた!素直に行きましゅ!父上は待ってて下しゃいな!」
ロインの話を遮ったアレクシアは唖然とするルシアードや呆れ果てるランゴンザレス、そして今は自分に近づこうとしない4匹を置いてロインの後をトボトボとついて行くのだった。
*もう少しお付き合いください。この話が終わった後から本編を再開致します。
119
お気に入りに追加
6,764
あなたにおすすめの小説
公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。
ただ、愛されたいと願った。
そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。
◆恋愛要素は前半はありませんが、後半になるにつれて発展していきますのでご了承ください。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
滅びる異世界に転生したけど、幼女は楽しく旅をする!
白夢
ファンタジー
何もしないでいいから、世界の終わりを見届けてほしい。
そう言われて、異世界に転生することになった。
でも、どうせ転生したなら、この異世界が滅びる前に観光しよう。
どうせ滅びる世界なら、思いっきり楽しもう。
だからわたしは旅に出た。
これは一人の幼女と小さな幻獣の、
世界なんて救わないつもりの放浪記。
〜〜〜
ご訪問ありがとうございます。
可愛い女の子が頼れる相棒と美しい世界で旅をする、幸せなファンタジーを目指しました。
ファンタジー小説大賞エントリー作品です。気に入っていただけましたら、ぜひご投票をお願いします。
お気に入り、ご感想、応援などいただければ、とても喜びます。よろしくお願いします!
23/01/08 表紙画像を変更しました
私の家族はハイスペックです! 落ちこぼれ転生末姫ですが溺愛されつつ世界救っちゃいます!
りーさん
ファンタジー
ある日、突然生まれ変わっていた。理由はわからないけど、私は末っ子のお姫さまになったらしい。
でも、このお姫さま、なんか放置気味!?と思っていたら、お兄さんやお姉さん、お父さんやお母さんのスペックが高すぎるのが原因みたい。
こうなったら、こうなったでがんばる!放置されてるんなら、なにしてもいいよね!
のんびりマイペースをモットーに、私は好きに生きようと思ったんだけど、実は私は、重要な使命で転生していて、それを遂行するために神器までもらってしまいました!でも、私は私で楽しく暮らしたいと思います!

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!
饕餮
ファンタジー
書籍化決定!
2024/08/中旬ごろの出荷となります!
Web版と書籍版では一部の設定を追加しました!
今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。
救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。
一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。
そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。
だが。
「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」
森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。
ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。
★主人公は口が悪いです。
★不定期更新です。
★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。

公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
実は、公爵家の隠し子だったルネリア・ラーデインは困惑していた。
なぜなら、ラーデイン公爵家の人々から溺愛されているからである。
普通に考えて、妾の子は疎まれる存在であるはずだ。それなのに、公爵家の人々は、ルネリアを受け入れて愛してくれている。
それに、彼女は疑問符を浮かべるしかなかった。一体、どうして彼らは自分を溺愛しているのか。もしかして、何か裏があるのではないだろうか。
そう思ったルネリアは、ラーデイン公爵家の人々のことを調べることにした。そこで、彼女は衝撃の真実を知ることになる。

憧れのテイマーになれたけど、何で神獣ばっかりなの⁉
陣ノ内猫子
ファンタジー
神様の使い魔を助けて死んでしまった主人公。
お詫びにと、ずっとなりたいと思っていたテイマーとなって、憧れの異世界へ行けることに。
チートな力と装備を神様からもらって、助けた使い魔を連れ、いざ異世界へGO!
ーーーーーーーーー
これはボクっ子女子が織りなす、チートな冒険物語です。
ご都合主義、あるかもしれません。
一話一話が短いです。
週一回を目標に投稿したと思います。
面白い、続きが読みたいと思って頂けたら幸いです。
誤字脱字があれば教えてください。すぐに修正します。
感想を頂けると嬉しいです。(返事ができないこともあるかもしれません)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。