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8章 アレクシアと竜の谷の人々
本気の戦い!①
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楽しい宴会も終わり、片付けは明日にして其々が帰っていく中で幼き子竜ロウとトト、それにプニとピピデデ兄弟がアレクシアから離れようとしない。
「アレクシアと一緒にいたい!!」プニが目に涙を溜めて訴える。
「僕も!!」「俺も!」
ピピとデデもまだアレクシアと話足りなくてゼストやミルキルズに訴えている。
『アレクチアとねるゅよ~!!』
『トトも~!!』
幼い子竜達もアレクシアの頭にしがみ付いて離れない。そんな息子達を見て複雑な其々の父親、現族長リリノイスとウリド。
「そうじゃな!この子達もアレクシアと話したいんじゃろ。うちに泊まりなさい!」
ミルキルズが笑顔で快諾すると、飛び跳ねて喜ぶおちび達とプニ、ピピデデ兄弟。アレクシアはそんな皆を見て心が温かくなるが、その横で何故か不満顔の最強トリオ。
「む。アレクシアは俺と寝るのが日課だ」
ルシアードは幼い子達を牽制する。
「父上、少し黙りなしゃい。空気を読んで下しゃいな!!」
「アレクシアは俺の婚約者だ。だから俺と寝るん⋯「寝ましぇん!!凄く誤解を招く言い方やめんしゃい!!」
デズモンドの口を塞いでプンスカ怒るアレクシア。
「俺だってまだ一緒に寝てないんだぞ!?」
ゼストが不満を爆発させる。悲しそうなゼストを励ます白玉達だが、眠さが限界なのかフラフラしている。
「ジジイ⋯シアはもういなくなったりしましぇん。これからずっと寝れましゅよ、でもシアは自分で言うのもでしゅが寝相がかなり悪いんでしゅ」
「ああ、知ってる。お前は昔からだ。俺は一度お前に思いっきり蹴飛ばされて襖を突き破って庭の池に落ちたことがある」
それを聞いていた皆が爆笑している中で、ルシアードの嫉妬が爆発する。
「む。俺はコロコロ転がるアレクシアがベッドから落ちるのが心配で一晩中寝ずに見守っていたぞ?だが、不思議なことに寸前で止まり絶対に落ちないアレクシアは多分、いや確実に天才だ」
「ああ?俺は寝ている間に顔中に落書きされて二日は落ちなかったんだぞ!?」
「やめて下しゃいな!!恥ずかちい!若気の至りでしゅよ!」
流石に羞恥心は少しあるらしいアレクシアがルシアードとゼストに猛抗議する。
「三歳が若気の至りって⋯何言ってんの!そんな事よりこのプーティーヘアーをどうにかしないと!」
ランゴンザレスは未だに逆立っているアレクシアの髪型を心配していたが、当の本人はすっかり忘れていた。
「ああっ!そう言えばシアの髪の毛、プーティーでちた!!」
あの呪いの人形と同じ扱いに、また少し落ち込んでしまったアレクシアだがいつの間にか族長邸に着いていた。
「お前の部屋はちゃんと綺麗にそのまま残っているぞ。オウメが毎日のように掃除をしてくれていたからな」
ゼストの言葉を聞いて思いっきりオウメに抱きつくアレクシア。
「オウメ⋯ありがとうでしゅ⋯」
「ふふ。こうやってまた貴女が帰って来るのを夢見てました。まさか本当に帰ってきてくれるなんて⋯」
そう言いながら我慢が出来ずに涙が込み上げてきたので、着物袖からハンカチを取り出して目を拭うオウメ。アレクシアはそんなオウメと手を繋ぎ、アリアナが生前に使っていた部屋の前にやって来た。緊張しているのかアレクシアは、少し深呼吸して恐る恐る襖を開けて行く。
そこには小さな机と畳まれた布団、そして可愛らしい赤い箪笥が二つ並んでいて、最後に一番目立つのは大量に置かれた本の数々だ。
「ああっ!この本懐かしいでしゅ!!ミル爺の部屋から盗んで読んでまちた!!」
「ハハ!やばい禁書も何冊か無くなってたが、やっぱりここにあったんじゃな!」
笑いながらあっけらかんと言い放つミルキルズだが、その本を手に取ったランゴンザレスはその本が世界を滅ぼしかねない究極魔法書だと分かり血の気が引いてく。その他にも世界の魔物を操る方法など危険極まりないものばかりだ。
「何てものをこの子に読ませたの!!今世界があるのは奇跡よ!!」
「失礼でしゅね!!」
ランゴンザレスのあまりの言い方にプンスカ怒るアレクシアは本を取り返そうと手を伸ばすが背が足りず、仕方なくデズモンドに頼む。
「本を取り返ちて、ランしゃんの上司!!」
「いや、国王な?」
冷静にツッコむデズモンドだが、愛する婚約者の為にランゴンザレスから魔王の圧力で本を取り返した。
「シアは今日はここで寝ましゅ!!」
奪い返した本を抱えて嬉しそうに畳に寝転がるアレクシアだが、その周りでは静かに戦いが始まっていた。
「む。アレクシアは俺とじゃないと寝れないんだ」
ルシアードが先制攻撃を仕掛ける。
「アレクシアは俺と寝るんだ。父親離れの良い機会でしょう?」
デズモンドがルシアードを睨み付けながら宣言する。
「おい!まだ三歳だぞ!?誰がお前と寝させるか!千年早いわ!それにお前はいつも一緒に寝てるだろ!?」
ゼストは我儘で俺様なルシアードとデズモンドに言い放つと畳でコロコロしているアレクシアを捕まえて抱きしめる。
「ジジイ、シア幼女だから眠いでしゅ⋯」
本を抱えたまま目を擦り出したアレクシア。
「おお、先に風呂に入ってこい!」
ゼストは眠そうなアレクシアをオウメに頼んで、プニと子竜ロウ、トトを連れてお風呂に向かった。その後ろをもうフラフラな白玉達が続く。途中あんこが寝てしまい、それに気付いたプニが抱えて連れて行った。最後にウロボロスも大人達のくだらない争いに呆れつつ、風呂へ向かった。
そして残されたメンバーで、アレクシアと寝る権利を賭けた命懸けの激しい戦いが始まろうとしていた。
「わしも弟子とゆっくり話したいのぅ⋯」
「いいえ、お祖父様!今回は関わらない方が良いわ!!まだやり残した事もあるでしょ!?」
何故かあの戦いに入りたそうな祖父ポーポトスを、引き摺るように連れ出したランゴンザレスであった。
「アレクシアと一緒にいたい!!」プニが目に涙を溜めて訴える。
「僕も!!」「俺も!」
ピピとデデもまだアレクシアと話足りなくてゼストやミルキルズに訴えている。
『アレクチアとねるゅよ~!!』
『トトも~!!』
幼い子竜達もアレクシアの頭にしがみ付いて離れない。そんな息子達を見て複雑な其々の父親、現族長リリノイスとウリド。
「そうじゃな!この子達もアレクシアと話したいんじゃろ。うちに泊まりなさい!」
ミルキルズが笑顔で快諾すると、飛び跳ねて喜ぶおちび達とプニ、ピピデデ兄弟。アレクシアはそんな皆を見て心が温かくなるが、その横で何故か不満顔の最強トリオ。
「む。アレクシアは俺と寝るのが日課だ」
ルシアードは幼い子達を牽制する。
「父上、少し黙りなしゃい。空気を読んで下しゃいな!!」
「アレクシアは俺の婚約者だ。だから俺と寝るん⋯「寝ましぇん!!凄く誤解を招く言い方やめんしゃい!!」
デズモンドの口を塞いでプンスカ怒るアレクシア。
「俺だってまだ一緒に寝てないんだぞ!?」
ゼストが不満を爆発させる。悲しそうなゼストを励ます白玉達だが、眠さが限界なのかフラフラしている。
「ジジイ⋯シアはもういなくなったりしましぇん。これからずっと寝れましゅよ、でもシアは自分で言うのもでしゅが寝相がかなり悪いんでしゅ」
「ああ、知ってる。お前は昔からだ。俺は一度お前に思いっきり蹴飛ばされて襖を突き破って庭の池に落ちたことがある」
それを聞いていた皆が爆笑している中で、ルシアードの嫉妬が爆発する。
「む。俺はコロコロ転がるアレクシアがベッドから落ちるのが心配で一晩中寝ずに見守っていたぞ?だが、不思議なことに寸前で止まり絶対に落ちないアレクシアは多分、いや確実に天才だ」
「ああ?俺は寝ている間に顔中に落書きされて二日は落ちなかったんだぞ!?」
「やめて下しゃいな!!恥ずかちい!若気の至りでしゅよ!」
流石に羞恥心は少しあるらしいアレクシアがルシアードとゼストに猛抗議する。
「三歳が若気の至りって⋯何言ってんの!そんな事よりこのプーティーヘアーをどうにかしないと!」
ランゴンザレスは未だに逆立っているアレクシアの髪型を心配していたが、当の本人はすっかり忘れていた。
「ああっ!そう言えばシアの髪の毛、プーティーでちた!!」
あの呪いの人形と同じ扱いに、また少し落ち込んでしまったアレクシアだがいつの間にか族長邸に着いていた。
「お前の部屋はちゃんと綺麗にそのまま残っているぞ。オウメが毎日のように掃除をしてくれていたからな」
ゼストの言葉を聞いて思いっきりオウメに抱きつくアレクシア。
「オウメ⋯ありがとうでしゅ⋯」
「ふふ。こうやってまた貴女が帰って来るのを夢見てました。まさか本当に帰ってきてくれるなんて⋯」
そう言いながら我慢が出来ずに涙が込み上げてきたので、着物袖からハンカチを取り出して目を拭うオウメ。アレクシアはそんなオウメと手を繋ぎ、アリアナが生前に使っていた部屋の前にやって来た。緊張しているのかアレクシアは、少し深呼吸して恐る恐る襖を開けて行く。
そこには小さな机と畳まれた布団、そして可愛らしい赤い箪笥が二つ並んでいて、最後に一番目立つのは大量に置かれた本の数々だ。
「ああっ!この本懐かしいでしゅ!!ミル爺の部屋から盗んで読んでまちた!!」
「ハハ!やばい禁書も何冊か無くなってたが、やっぱりここにあったんじゃな!」
笑いながらあっけらかんと言い放つミルキルズだが、その本を手に取ったランゴンザレスはその本が世界を滅ぼしかねない究極魔法書だと分かり血の気が引いてく。その他にも世界の魔物を操る方法など危険極まりないものばかりだ。
「何てものをこの子に読ませたの!!今世界があるのは奇跡よ!!」
「失礼でしゅね!!」
ランゴンザレスのあまりの言い方にプンスカ怒るアレクシアは本を取り返そうと手を伸ばすが背が足りず、仕方なくデズモンドに頼む。
「本を取り返ちて、ランしゃんの上司!!」
「いや、国王な?」
冷静にツッコむデズモンドだが、愛する婚約者の為にランゴンザレスから魔王の圧力で本を取り返した。
「シアは今日はここで寝ましゅ!!」
奪い返した本を抱えて嬉しそうに畳に寝転がるアレクシアだが、その周りでは静かに戦いが始まっていた。
「む。アレクシアは俺とじゃないと寝れないんだ」
ルシアードが先制攻撃を仕掛ける。
「アレクシアは俺と寝るんだ。父親離れの良い機会でしょう?」
デズモンドがルシアードを睨み付けながら宣言する。
「おい!まだ三歳だぞ!?誰がお前と寝させるか!千年早いわ!それにお前はいつも一緒に寝てるだろ!?」
ゼストは我儘で俺様なルシアードとデズモンドに言い放つと畳でコロコロしているアレクシアを捕まえて抱きしめる。
「ジジイ、シア幼女だから眠いでしゅ⋯」
本を抱えたまま目を擦り出したアレクシア。
「おお、先に風呂に入ってこい!」
ゼストは眠そうなアレクシアをオウメに頼んで、プニと子竜ロウ、トトを連れてお風呂に向かった。その後ろをもうフラフラな白玉達が続く。途中あんこが寝てしまい、それに気付いたプニが抱えて連れて行った。最後にウロボロスも大人達のくだらない争いに呆れつつ、風呂へ向かった。
そして残されたメンバーで、アレクシアと寝る権利を賭けた命懸けの激しい戦いが始まろうとしていた。
「わしも弟子とゆっくり話したいのぅ⋯」
「いいえ、お祖父様!今回は関わらない方が良いわ!!まだやり残した事もあるでしょ!?」
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