幼子は最強のテイマーだと気付いていません！

閑話

閑話 おちび達とルイーザちゃん

ルイーザはオルトスとフローリアの間に、初めて生まれた子でオーウェンの姉だ。だがとある貴族に人質に取られて、ずっと魔力を奪われ続けて成長が止まってしまっていた。

ユリアとカイルが戻ってきて、ルイーザはご機嫌だ。ルイーザにとってユリアとカイルは年の近いお姉ちゃんとお兄ちゃんで、いつも遊んでくれるので大好きなのだ。

「りゅいーじゃちゃん！あしょぼー！」

「キャッキャ！」

ユリアに言われて、手足をバタつかせて喜ぶルイーザ。これまで長い間、暗闇で眠っていたルイーザにとってユリアは温かい光なのだ。

「本当に仲良しね」

「はい」

フローリアとナタリーが微笑ましくその光景を見ている。フローリアは自分の娘をまたこの腕に抱ける日が来るとは思わず、毎日が幸せに満ちていた。それにオーウェン達とも和解して、孫娘まで可愛がれるこの充実した日を、今度は大切にしようと心から誓う。

「かーちゃま…ぼきゅもあかちゃんほちい…」

カイルの発言に、飲んでいた紅茶を吹き出すナタリー。

「ゴホッ…カイル、それは…」

困惑するナタリーを不思議そうに見つめるカイル。

「るいーじゃちゃんみたいにゃいもーとほちい！」

「ユリアも！」何故かナタリーに言うユリア

おちび達に迫られてたじたじのナタリーに、フローリアが苦笑いしながら助け船を出す。

「カイルちゃん、ルイーザを妹だと思って良いのよ？ルイーザじゃ駄目かしら？」

「たぁ！たぁ！」ルイーザも抗議する

「るいーじゃちゃん！ごめんにぇ！だいしゅきだよー！」

カイルはルイーザを抱きしめる。

「キャッキャ」喜ぶルイーザ

「ユリアちゃんは父さんと母さんに言いなさい」

「あーしょっかー！」

ユリアは納得して、ルイーザとカイルとまた遊び始める。

「子供は素直ですね…」

ナタリーが心から呟いたのを聞いたフローリアが苦笑いして頷く。すると、ルイーザの元気な笑い声が聞こえてきたので２人はふと見る。

「あにちにょあちはくちゃいでしゅ～ルンルン～ルンルン～くちゃいでしゅ～」

ユリアが鼻を摘まんで躍りながら歌う。カイルは恥ずかしそうだが、一緒に踊っている。ルイーザは大喜びで笑っている。


２人はまたもや紅茶を吹き出す。ユリアの絶妙にダサい躍りに笑いが込み上げる。


「子供って不思議よね」


フローリアの呟きに今度はナタリーが頷いたのだった。そんな大人を気にせずに一生懸命躍り、歌うユリアを後にチェスターが怒ることになり、オーランドはこの異様な躍りを映像に残すために新たな魔道具を造り出すのだった。この魔道具はルウズビュード国の偉大な王が造り出したと世界に広まっていくのだった。