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閑話

閑話 ユリアとカイルの日常(?)

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「カイルー!ここにいそうでしゅよ!」

ユリアは両手を口元に持っていき、キシシと笑う。カイルも真似してキシシと笑う。二人はよちよちと歩いていき、そこで重大な問題に気付いた。

「ユリアー…とどかにゃいよ…」泣きそうになるカイル

「むー…とどきぇー」

必死にドアノブまで手を伸ばすユリアだが、全然届かない。そこで二人は作戦会議を始めた。

「ユリア~だいをさがちましゅか?」

「いすもってきてあけるー?」

「いいでしゅね!」

二人は中庭にある大きいベンチを、顔を真っ赤にして動かしてるつもりらしいが、どう見ても1ミリも動いていない。

「いちゅっておもいでしゅねぇー」ユリアは呟く

「そうでしゅね」落ち込むカイル

「ブハッ」

「「??」」

二人は周りを見回すが誰もいない

「おばけしゃんかなぁ~?」

首をかしげるユリア。

「おばけ~」

二人は楽しそうに中庭を走り回り、おばけを探している。

「カイル~いましぇんねぇ~」

「はじゅかちがりやしゃんなんでしゅかね?」

「ブハッ」

「「!!」」

声の聞こえた方に、二人はそろりそろりと近付いていく。そして急いで飛びかかる。

「「おばけしゃん!」」

「うえっ、見つかった!」

「「………………」」二人はあからさまに残念な顔をする。

「おい!何だよその顔は!俺を探してたんだろ!」

「ぶー!」

「ブーブー!」

二人は口を尖らせて、あからさまにブーイングをしている。

「お前らは豚か!」

「……ユリアはぶたしゃんじゃないでしゅよ?」

「カイルも…りゅうじんじょくでしゅよ?」

「残念な目で見るな!」

二人に追われていたチェスターは逃げ回っていたが、二人の会話が面白くて陰ながら見ていたのだ。

チェスターは二人を無視して行こうとするが、後ろからのキラキラ、うるうる目線に耐えられず振り向く。

「何して遊ぶんだ?」

「ユリアおにゃかすいたー!」

「カイルも!」

「クッキーたべよー!」

「うん!」

二人は手を繋ぐと、チェスターの横をすり抜けてアネモネ達がいる部屋に入っていく。

取り残されて唖然とするチェスターの肩を叩くエリー。

「何なんだあいつらは…」

「子供はそんなものですよ」苦笑いのエリー

クッキーを食べて満足した二人は、ソファーで寝転がるチェスターの元へと向かっていくのだった。

















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