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6章 それぞれの旅立ちとこれから

おちび達vs悪の組織ジョン!!

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並べられた色とりどりのお菓子やケーキに夢中なおちび達の逆立ってしまった髪の毛を戻してあげるエチカやルル達だが、なかなか戻らない。

「⋯⋯いっそ丸坊主にしたら?」

アンリが面倒臭そうに呟く。

「おお!良いんじゃないか!?さっぱりするぞ!」

何故か賛成するヨルドだが、エチカやルルからの猛抗議が待っていた。

「貴族の子が坊主にするわけないでしょう!こんなに可愛らしい髪の毛を剃るなんて!」

エチカが口の周りをクリームだらけにしたおちび達を抱きしめてヨルドに抗議する。

「そうだよ!一応貴族になったんだから!」ルルも反対する。

孫に怒られてシュンとしてしまったヨルドを見たヨシュア率いるおちび達がよちよちと近づいて来た。

「じーじ、だいじょぶ~?これたべていいでしゅよ!」食べかけのショートケーキをヨルドに渡そうと背伸びするヨシュア。

「ぼきゅのもあげりゅ!」リクも一口食べたクッキーを惜しみつつも渡そうとする。

「⋯あげましゅ!」二人を見たエドワードも残り一口のチーズケーキをヨルドに渡そうとする。

「⋯優しい子らじゃな!でも食いかけはいらん!」

そう言ってガハハと笑うヨルドだが、見ているランバードや使用人達は生きた心地がしない。偉大なる前国王ヨルドの威厳ある風格を恐れない子供達に驚くと共に、その恐れを知らない奔放な発言に冷や汗も止まらない。

食べ終わったおちび達は徐に立ち上がると、優雅にお茶を飲むジェラルド国王陛下を囲み始めた。

「おいおい、何だよ!もうそろそろおねむの時間だろ!?」

「ねむくにゃい!」そう言ってファイティングポーズをとるヨシュア。

そんなヨシュアに続いてリクとエドワードもファイティングポーズをとりながら今にも襲い掛かろうとしていた。ジェラルドは溜め息を吐き、コーヒーカップを置く。

「かかれーーー!!」

「「おおーーー!!」」

おちび達は一気にジェラルドへ攻撃を仕掛けたがびくともしない。

「うぅ⋯うごかにゃい⋯ちょっとおみじゅのむ」

出ていない汗を拭いながらジェラルドを無視して休憩するヨシュア。

「お前たちやる気あんのか?」それを見て呆れるジェラルドと自分の息子に苦笑いのランバード。

おちび達はお水をもらいそれをゴクゴクと飲み、回復するとまたジェラルドに向かっていく。また顔を真っ赤にしながら必死になって攻撃してくるを繰り返すのでジェラルドは倒れる事にした。

「うっ⋯やられた」

「⋯ジョンしゃん!ちゃんとやって!」そんなジェラルドを見てぷんすか怒り始めたヨシュア。
「よわしゅぎましゅ!」リクも怒りながらやり直しを迫る。
「まだひっさちゅわざだちてない!!」珍しくエドワードも激おこだ。

逆立った髪のままの幼子に怒られている国王陛下を見て爆笑しているエチカとアンリ。
ルルはそんなおちび達を宥める為に立ち上がるのだった。







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