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4章 ルルとその仲間達

執務室でのチロ

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「あーとうしゃんだー!」


「え…チロ?」


執務室で書類に目を通していたランバートは、目の前の光景が信じられない。国王陛下に手を引かれて入ってきた愛しい我が子。


チロはランバートに抱きつき、ランバートは嬉しそうに抱きしめる。それを微笑ましく見ているジェラルド。


「チロ、どうしてお城にいるんだい?」


「あにょねーかーしゃんときたにょー。でもかーしゃんがいにゃくにゃってージョンしゃんとここにきたにょ!」


ランバートの頭が混乱してきたので、ジェラルドが軽く説明する。やっと意味が分かったランバートが喜ぶチロを愛おしそうに抱っこする。


「おー、こいつがお前んとこのガキんちょか!」


「がきんちょちがうもん!チロにゃの!」


ぷんすか怒るチロ。


「あぁ!わりぃな!チロ、お前には礼を言おうと思ってな!」


そう言う男性。金髪で色気漂う大人の雰囲気の美丈夫で、きっちり服を着たランバートと正反対で胸元を軽く開けている。


「あにゃたはだれでしゅか?」


「俺はレオナルド・ヘルマーだ。リクの父親だよ。」


「リクにょとーしゃん!こんにちはー!」


チロはランバートにおろしてもらい、丁寧にご挨拶する。


「こんちは!リクと仲良くしてくれてありがとな!たまにはディークとも遊んでやってくれな!」


「ヂーク?だれでしゅか?」


「リクの兄だ。この前会っただろ?」


頭を抱えるチロにジェラルドが説明する。


「あー!にゃいていたおにいしゃんだ!」


「泣いてたか…そうか。早くリクとディーク二人とリタと暮らそう!」


改めて決意するヘルマー公爵。見た目は軽薄そうだが、根はくそ真面目なのだ。


「チロはここに座れ」


ジェラルドが椅子をもってきて、ランバートの隣に置く。チロは喜んでよじ登り座る。ランバートはジェラルドにお礼を言って皆が席に座る。


「チロ、少し待っていて下さいね。もうすぐ終わらせますから」


「あい!」


静かになる執務室。チロはお菓子を出されて、喜んで食べている。その光景が非常に愛らしく癒しに包まれる。


プゥー


静かな執務室に可愛らしい音が鳴る。三人は気づかない振りをしているが、肩が震えている。


「…でちゃった…」ボソッと言うチロ


その言葉に皆が堪えきれずに大爆笑が起こる。


「おい、盛大にやったな!」ヘルマー公爵が言う


「あ…ありがとごじゃいます…」照れながら言うチロ


「チロ、誉めてはいませんよ」苦笑いのランバート


「お前はそうでなくちゃな!」


ジェラルドが爆笑しながらチロに言う。


「いちゅもはちないもん!でもおいもたべりゅとでちゃうの」


その告白にまた爆笑が起こる。チロの飾らない姿にこのままでいてほしいと思うランバートだった。公爵家に戻ったらチロは変わっていくだろう。貴族らしく教育しなければいけないからだ。


その事を考えると気が重いランバート。だがヘルマーもジェラルドも同じ事を考え頭を悩ませていた。


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