45 / 102
4章 ルルとその仲間達
執務室でのチロ
しおりを挟む
「あーとうしゃんだー!」
「え…チロ?」
執務室で書類に目を通していたランバートは、目の前の光景が信じられない。国王陛下に手を引かれて入ってきた愛しい我が子。
チロはランバートに抱きつき、ランバートは嬉しそうに抱きしめる。それを微笑ましく見ているジェラルド。
「チロ、どうしてお城にいるんだい?」
「あにょねーかーしゃんときたにょー。でもかーしゃんがいにゃくにゃってージョンしゃんとここにきたにょ!」
ランバートの頭が混乱してきたので、ジェラルドが軽く説明する。やっと意味が分かったランバートが喜ぶチロを愛おしそうに抱っこする。
「おー、こいつがお前んとこのガキんちょか!」
「がきんちょちがうもん!チロにゃの!」
ぷんすか怒るチロ。
「あぁ!わりぃな!チロ、お前には礼を言おうと思ってな!」
そう言う男性。金髪で色気漂う大人の雰囲気の美丈夫で、きっちり服を着たランバートと正反対で胸元を軽く開けている。
「あにゃたはだれでしゅか?」
「俺はレオナルド・ヘルマーだ。リクの父親だよ。」
「リクにょとーしゃん!こんにちはー!」
チロはランバートにおろしてもらい、丁寧にご挨拶する。
「こんちは!リクと仲良くしてくれてありがとな!たまにはディークとも遊んでやってくれな!」
「ヂーク?だれでしゅか?」
「リクの兄だ。この前会っただろ?」
頭を抱えるチロにジェラルドが説明する。
「あー!にゃいていたおにいしゃんだ!」
「泣いてたか…そうか。早くリクとディーク二人とリタと暮らそう!」
改めて決意するヘルマー公爵。見た目は軽薄そうだが、根はくそ真面目なのだ。
「チロはここに座れ」
ジェラルドが椅子をもってきて、ランバートの隣に置く。チロは喜んでよじ登り座る。ランバートはジェラルドにお礼を言って皆が席に座る。
「チロ、少し待っていて下さいね。もうすぐ終わらせますから」
「あい!」
静かになる執務室。チロはお菓子を出されて、喜んで食べている。その光景が非常に愛らしく癒しに包まれる。
プゥー
静かな執務室に可愛らしい音が鳴る。三人は気づかない振りをしているが、肩が震えている。
「…でちゃった…」ボソッと言うチロ
その言葉に皆が堪えきれずに大爆笑が起こる。
「おい、盛大にやったな!」ヘルマー公爵が言う
「あ…ありがとごじゃいます…」照れながら言うチロ
「チロ、誉めてはいませんよ」苦笑いのランバート
「お前はそうでなくちゃな!」
ジェラルドが爆笑しながらチロに言う。
「いちゅもはちないもん!でもおいもたべりゅとでちゃうの」
その告白にまた爆笑が起こる。チロの飾らない姿にこのままでいてほしいと思うランバートだった。公爵家に戻ったらチロは変わっていくだろう。貴族らしく教育しなければいけないからだ。
その事を考えると気が重いランバート。だがヘルマーもジェラルドも同じ事を考え頭を悩ませていた。
「え…チロ?」
執務室で書類に目を通していたランバートは、目の前の光景が信じられない。国王陛下に手を引かれて入ってきた愛しい我が子。
チロはランバートに抱きつき、ランバートは嬉しそうに抱きしめる。それを微笑ましく見ているジェラルド。
「チロ、どうしてお城にいるんだい?」
「あにょねーかーしゃんときたにょー。でもかーしゃんがいにゃくにゃってージョンしゃんとここにきたにょ!」
ランバートの頭が混乱してきたので、ジェラルドが軽く説明する。やっと意味が分かったランバートが喜ぶチロを愛おしそうに抱っこする。
「おー、こいつがお前んとこのガキんちょか!」
「がきんちょちがうもん!チロにゃの!」
ぷんすか怒るチロ。
「あぁ!わりぃな!チロ、お前には礼を言おうと思ってな!」
そう言う男性。金髪で色気漂う大人の雰囲気の美丈夫で、きっちり服を着たランバートと正反対で胸元を軽く開けている。
「あにゃたはだれでしゅか?」
「俺はレオナルド・ヘルマーだ。リクの父親だよ。」
「リクにょとーしゃん!こんにちはー!」
チロはランバートにおろしてもらい、丁寧にご挨拶する。
「こんちは!リクと仲良くしてくれてありがとな!たまにはディークとも遊んでやってくれな!」
「ヂーク?だれでしゅか?」
「リクの兄だ。この前会っただろ?」
頭を抱えるチロにジェラルドが説明する。
「あー!にゃいていたおにいしゃんだ!」
「泣いてたか…そうか。早くリクとディーク二人とリタと暮らそう!」
改めて決意するヘルマー公爵。見た目は軽薄そうだが、根はくそ真面目なのだ。
「チロはここに座れ」
ジェラルドが椅子をもってきて、ランバートの隣に置く。チロは喜んでよじ登り座る。ランバートはジェラルドにお礼を言って皆が席に座る。
「チロ、少し待っていて下さいね。もうすぐ終わらせますから」
「あい!」
静かになる執務室。チロはお菓子を出されて、喜んで食べている。その光景が非常に愛らしく癒しに包まれる。
プゥー
静かな執務室に可愛らしい音が鳴る。三人は気づかない振りをしているが、肩が震えている。
「…でちゃった…」ボソッと言うチロ
その言葉に皆が堪えきれずに大爆笑が起こる。
「おい、盛大にやったな!」ヘルマー公爵が言う
「あ…ありがとごじゃいます…」照れながら言うチロ
「チロ、誉めてはいませんよ」苦笑いのランバート
「お前はそうでなくちゃな!」
ジェラルドが爆笑しながらチロに言う。
「いちゅもはちないもん!でもおいもたべりゅとでちゃうの」
その告白にまた爆笑が起こる。チロの飾らない姿にこのままでいてほしいと思うランバートだった。公爵家に戻ったらチロは変わっていくだろう。貴族らしく教育しなければいけないからだ。
その事を考えると気が重いランバート。だがヘルマーもジェラルドも同じ事を考え頭を悩ませていた。
71
お気に入りに追加
2,517
あなたにおすすめの小説
没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
美少女に転生して料理して生きてくことになりました。
ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。
飲めないお酒を飲んでぶったおれた。
気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。
その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった
出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む
家具屋ふふみに
ファンタジー
この世界には魔法が存在する。
そして生まれ持つ適性がある属性しか使えない。
その属性は主に6つ。
火・水・風・土・雷・そして……無。
クーリアは伯爵令嬢として生まれた。
貴族は生まれながらに魔力、そして属性の適性が多いとされている。
そんな中で、クーリアは無属性の適性しかなかった。
無属性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。
その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。
だからクーリアは出来損ないと呼ばれた。
そして彼女はその通りの出来損ない……ではなかった。
これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。
そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。
設定揺らぎまくりで安定しないかもしれませんが、そういうものだと納得してくださいm(_ _)m
※←このマークがある話は大体一人称。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
異世界でお取り寄せ生活
マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。
突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。
貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。
意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。
貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!?
そんな感じの話です。
のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。
※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。
婚約破棄され逃げ出した転生令嬢は、最強の安住の地を夢見る
拓海のり
ファンタジー
階段から落ちて死んだ私は、神様に【救急箱】を貰って異世界に転生したけれど、前世の記憶を思い出したのが婚約破棄の現場で、私が断罪される方だった。
頼みのギフト【救急箱】から出て来るのは、使うのを躊躇うような怖い物が沢山。出会う人々はみんな訳ありで兵士に追われているし、こんな世界で私は生きて行けるのだろうか。
破滅型の転生令嬢、腹黒陰謀型の年下少年、腕の立つ元冒険者の護衛騎士、ほんわり癒し系聖女、魔獣使いの半魔、暗部一族の騎士。転生令嬢と訳ありな皆さん。
ゆるゆる異世界ファンタジー、ご都合主義満載です。
タイトル色々いじっています。他サイトにも投稿しています。
完結しました。ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる