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4章 ルルとその仲間達

王宮大騒ぎ①

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「ふんふんふ~ん」


楽しそうに鼻歌を歌うチロは、今ジェラルドに肩車されながら執務室にいるランバートさんに会いに行こうとしている。国王に肩車させている幼子は注目の的だ。


エチカは仕事の為、この後執務室に向かうジェラルドにチロを預けた。カイルとリリアーナは授業があるため、泣く泣く別れた。


近衛兵士は目の前の光景を唖然と見ている。孤児院にいる時のジェラルドを知らない者達が、今のジェラルドを見たら自分を信じられないだろう。


ジェラルドは国では威厳があり有能な王として知られている。そんな国王が幼子を肩車している光景は、周りから見たら異様だ。


「チロ!お前ちゃんと食べてるか?軽い軽い!」


「チロ、ごはんおかわりしゅるのに…おおききゅなれりゅかなー」


「これから大きくなるから心配するな!」


ジェラルドの問いに返事が返ってこない。


「チロ、どうした?具合が悪いのか?」


「チロ、うんちちたくなった!もうでちゃうかも…」


驚きパニックになる兵士達。だがジェラルドは手慣れた感じでチロを小脇に抱えると、急いでトイレに向かう。


「チロ!もうトイレだ、準備しろ!」


「あいよ~!」


唖然と後を追う兵士達。


「陛下!我々がやります!お下がり下さい!」


「あー、いやたぶん無理だろ。俺がやるから外で待っていろ!」


そう言うとジェラルドとチロはトイレに入っていった。そして暫くするとチロが飛び出してきた。


「ちゅっきりー!ジョンしゃんありあとー!」


「スッキリしたか?」爆笑するジェラルド


二人仲良く手を繋ぎ執務室に向かう。途中、匂いに釣られて厨房の方にフラフラと行きそうになり、兵士が引き留める。執務室からどんどん離れていくチロに苦笑いのジェラルドと兵士。


「チロ、父さんはこっちじゃないぞ?」


「いやにゃこえがしゅる…」


そう言うとチロが駆け出す。急いで追いかけるジェラルド達を待っていたのは一人の女官を数人の女官が暴行している現場だった。チロは殴られている女官の前に立って庇おうとしていた。


「たたくのはダメでしゅ!たたくといたいでしゅよ!」


「はぁ?何なの、この小汚ないガキは!」


底意地の悪そうな声でチロを怒鳴り散らすボス的な女官。取り巻きも睨み付けている。倒れている女官は血塗れで痛々しい。


「チロはよわいもにょいじめはゆるちまちぇん!」


「うるさいガキだね!ぶん殴ってやるよ!」


ボス女官が手を振りかざす、チロはぶるぶる震えながら血塗れの女官を庇う。手を振りかざしたが、手を掴まれて捻りあげられる。


「痛い!痛い!何なのよ!」


「こんな幼子を叩こうとするとは外道だな!」


ボス女官が振り替えると、血の気が引いてくる。そこには国の最高権力者が自分を睨み付けていた。


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