孤児院の愛娘に会いに来る国王陛下

4章 ルルとその仲間達

皆で遊ぼう①

「何で私まで参加すんの？」


アンリが不満そうに呟く。アンリは不幸にも偶々通りすがりでジョンさんことジェラルドに捕まった。ジェラルドを無視して行こうとするアンリにカイルは開いた口が塞がらない。


「父上…ここの者は父上の正体を知っているのですよね？」


「あぁ…でも扱いが変わらんな？何でだ？」首をかしげるジェラルド


「ジョンさん、この子は誰？」


「アンリは初めてか、俺の息子でカイルだ。」


「カイルです。妹がお世話になってます。」


「ジョンさんの息子かぁ…顔良し！家柄良し！性格はどうでもいい！ねぇジョンさん！息子を私に下さい！」


カイルは気の強そうな美少女アンリの堂々としたプロポーズに驚き、顔が真っ赤になる。ジェラルドはそんな遠慮がないアンリに爆笑する。


「だってよ、カイル。アンリは気は強いが根が優しい子だ！お前みたいな引きこもりには丁度良いかもな！」


「引きこもり？カイル引きこもりだったの？」


「父上！」カイルが恥ずかしそうに抗議する


カイルはアンリを恐る恐る見ると大爆笑していた。カイルはポカンとアンリを見つめる。


「アンリはそれぐらいで軽蔑しないよ？逆に気に入られたかもね！」


ルルはそう言うとおちび達の元に行く。おちび達とリリアーナは準備運動をしていた。そこにジェラルドも参加して５人で楽しそうに運動しているがルルはアンリとカイルと椅子に座り見ている。


「ねーね！あちょぼー！」


「「あちょぼーよ！」」


「ルルは遊ばないの？」とリリアーナ


「じゃあジョンさんを４人で倒せたら私達も遊ぶから！」



おちび達とリリアーナはジョンさんをじっとみる。ジョンさんは嫌な予感がするがそんな事より楽しそうに遊ぶ子供達が愛しくてしょうがない。


「よし！かかってこい！」


始めに動いたのはチロだ。エチカさんからもらった宝物の剣を握りジェラルドに向かっていく。


「くりゃえーーーー！」


だがジェラルドに簡単に捕まり捕虜(？)となる。


「くちょー！みんにゃチロをおいてにげりょー！」


「「「チロ！」」」


何だか子芝居が入っている。私達は笑いを堪えて続きを見ることにする。


「チロ！かにゃらずたしゅける！」リクが構える


「ぼきゅもー！」「私もよ！」


「みんにゃ……みんにゃーーー！」


「「「チローーー！」」」


何故かエチカさんは感動して泣いている。アンリは笑いすぎてある意味一番ヤバいのでカイルが背中を擦っている。


「チロを食べちゃうぞ！」ジェラルドがチロに近づく


「だめぇーーー！」


リクが剣を持ちジェラルドに向かっていき、捕虜(？)になった。すぐさまエドワードも向かっていくが無事捕虜(？)となった。残りはリリアーナだけだ。


「リリー！にげりょー！」


「「リリーにげてーー！」」


涙ぐむリリアーナに怯むジェラルド。ルルはある秘密兵器を渡すことになる。


「姉さん！これを使って！」


ルルが投げた物を無事受け取りリリアーナはおもいっきり吹く。


ピーーーーー！ピーーーーー！


「おい！卑怯だぞ、ルル！」


わぁーーー！そこに大量のおちび達が現れてジェラルドに纏わりついてくる。その間にリリアーナがチロ達を助ける。


ジェラルドはおちび達に倒されて遊ばれている。


「恐ろしい…」


カイルが震えて見ていた。それを見てまた爆笑するアンリだった。