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3章 それぞれの事情

閑話 チロと公爵夫妻

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「こんにちはーとーしゃん!」


私の最愛の息子のお出迎えは最高に嬉しいのですが、息子はリアルな軍服を着て敬礼している。隣には何故かルシルド侯爵家の嫡男エドワードとこの子は確かヘルマー公爵の子だったよな?いつの間に仲良くなったんだ。


「チロ、その格好いい服だね」


すると目がキラキラ輝くチロ、可愛いな!


「あにょね、かーしゃんがちゅくってくれたの~!」


やはりエチカの仕業だ。このまま軍に入ると言ったらどうしたら良いんだ。エチカやお義父上は大喜びだろう。まぁ私もこの子には好きな事をやらせてあげたい。


「チロのとーしゃんでしゅよ!」2人に自己紹介してくれる


「はじめまちて!エドワードのにゃまえはエドワードでしゅ!」


見た目は母親譲りなのに中身は父親譲りなのか…。


「ぼきゅはリクでしゅ。」


落ち着いた感じはヘルマー公爵にそっくりだ。


「私はチロの父親のランバートです。」


チロは嬉しそうに私に抱きつく。


「あら、ランバート!」


タイミング良く現れたのは最愛の妻エチカ。するとチロ達が綺麗に並び敬礼する。


「よし!挨拶!」


「「「おはよーごじゃいましゅ!たいちょー!」」」


「準備運動を自由に!」


「「「あい!」」」


するとおちび3人はそれぞれ独特の運動をしている。私は笑いを堪えるのに必死だ。エチカも必死に堪えている。


「よし止め!では好きなことと嫌いなことを言いなさい!」


「チロはたべりゅことがちゅきでしゅ!かいだんがきりゃいでしゅ!」


「ぼきゅはともだちとあしょぶことがしゅきでしゅ!べんきょーがきりゃいでしゅ!」


「ぼきゅはえほんがしゅきでしゅ。きりゃいなのはひとりでごはんたべりゅこと」


エチカはメモをしている。


「たいちょー!はりゃくてきをたおちます!」チロが言う


「そうだな!今日の敵は強いぞ!心してかかれ!」


「てきはだれでしゅか?」エドワードが聞く


エチカはある人を指差す。すると3人が震えてエチカの後ろに隠れる。


「あれはドリャゴンよりちゅよいでしゅ!」チロが震える。


「たべられりゅ…ぼくはおいちくないぞ!」エドワードも震える。


「ぼきゅはいない!」リクも震える。


「あんた達失礼ね!本当に喰うわよ!」


アンリが3人を捕まえようとするがちょこまかと逃げている。ルルとエチカは爆笑している。


良く笑う妻と息子に涙が込み上げる。数ヵ月前まではこんな幸せが訪れるとは思ってもいなかった。息子を酷い目に合わせたメイドの女を捕まえて地獄を見せたが、息子の辛い日々は消せない。なのでその分幸せを増やしていこう。


その息子は今満面の笑みでこちらに向かってくる。




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