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2章 国王陛下とルル

ルルの正体③

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「ルル…その…俺は…」



もじもじするジョンさん気持ち悪い。



「兄上、もじもじと気持ち悪い!はっきり言ったらどうですか!」



「そうよ!皆正体知ってるんだから堂々と言ったら!」



エチカさんとアンリに言われたジョンさんは一呼吸置くとルルを見る。



「ルル…俺はこの国の王ジェラルド・ラスフォードだ。お前の父親だ」



「知ってるよ。でも今さらお父さんって呼ぶの~?」



「えっそこは感動する所だろ!」



「日頃のジョンさん見てるからな~。4歳と揉める国王って…プッ」



「確かにねぇ~今さらだよね」アンリも笑っている。



「ジョンしゃんおうしゃまー!」



「おう!チロお前だけだ!お前も俺の息子になれ!」



「兄上?」エチカさんの目が怖い。



「じょ…冗談だよ!俺にはルルがいるからな!」



「ジョンさん。あの人は私のお姉さんなの?」



ジョンさんの目が険しくなる。エチカさんもあまり良い顔はしていない。



「…そうだが姉だと思わなくていい」



「どうして?何であの人に冷たいの?」



暫く沈黙が続いたがジョンさんがルルに言う。



「その話はまた後で話す。その時は全部話すからな?」



今王宮の“掃除”をしているらしくて、それが終わったら直ぐに私を迎え入れたいらしい。



「…わかった。その時まで待つよ!」



ジョンさんが辛そうにルルを抱き締める。それを見たチロも抱きついて来る。



「そういえばエチカさん、ジョンさんを兄上って言ってたよね?」




「そうね…私はこの国の王女だったのよ。でも私は剣士に憧れて直ぐに身分を隠して軍に入隊したから!」



さすがエチカさん、昔から破天荒だったのね。



「かーしゃんおおじょしゃまなのー?」



「今は違うわよ。今は兵士なの!」



「うわーー!かっこいー!」興奮するチロ。



「じゃあチロとルルは本当にいとこ同士なんだね!」



「そうね!本当の姉弟みたいなものね!」



ルルはチロの頭を撫でるとチロは何も分からず喜んでいる。



「チロは良い子でいてね!」



「チロはよいこだよー!でも…おふりょでうんちちたった…」



落ち込むチロを見て爆笑するアンリ。



「チロ、それは生理現象だからしょうがないよ!」



「ちぇえりげんちょー?」



「そうよ!チロはおならも勝手に出ちゃうでしょ?」



「うん」



「それと一緒でうんちも勝手に出ちゃうってこと」



「そっか~!」納得するチロ



「どう言うことよ!」突っ込むアンリ



爆笑するジョンさんとエチカさん。2人はこの姉弟が幸せに暮らせるように早く“掃除”を済ませようと改めて誓った。


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