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2章 国王陛下とルル

ルルとチロとエチカさん

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「ねーねあしょぼー!あしょぼー!あっしょっぼ!」歌うな!


今日は勉強会がない日だ。暇の限界が来たチロは自主学習していた私の周りを回って遊びたいアピールをする。これ以上無視すると泣き出すので遊ぶことにする。


「何して「兵士ごっこー!」…それ以外にないのか?」


「何~面白そうね!」


いきなり現れたエチカさん。


「兵士ごっこなら私に任せなさい!」


「いや、任せたらとんでもない事になりそう!」


「かーしゃんもあしょぶのー?」


「あしょぶわよ!」


心配だ!私は偶々通りかかったアンリを無理矢理入れる。


「えー!何で嫌よ!」


「一生のお願いです!」


「あんたは一生を一生使うんだろうね!」呆れるアンリ


私達4人は匍匐(ほふく)前進で庭を進む。チロが匍匐前進を張り切りすぎてズボンが脱げてしまう。エチカさんが忘れてったズボンの回収をして、アンリはそれを見て爆笑し過ぎて前進出来ない。


「チロ兵士、ズボンを履きましょうね」


「あれー?にゃんでぱんちゅいっちょなのー!」今気付いたチロ


私は笑いを堪えるが、アンリは笑いすぎて軽く呼吸困難になっている。チロにズボンを履かせたエチカさんは大きな木に的を張り付ける。


「さぁ!このパチンコで的を狙うのよ!まずはチロ兵士!」


「あい!」


チロにパチンコの構え方をエチカさんが丁寧に教えている。そしてチロは集中して構える。


「そうよ!そのままゴムを引っ張って離すのよ!」


「あい!」


チロは思いっきりゴムを引っ張るがその勢いで後ろに倒れてしまう。暫く沈黙が続き、気まずいエチカさんの代わりに私がチロの元へ歩いていく。


「チロ兵士が撃たれた!」


その言葉にチロが反応する。


「う…ぐわぁ!」迫真の演技で倒れるチロ…遺伝か?


「演技うまっ!」またしても爆笑するアンリ


その間私の番になり、エチカさんの教えで的には当てられなかったが近くまでは飛ぶようになった。


「次はアンリ兵士!」


チロを棒でつついていたアンリは面倒くさそうに私からパチンコを奪うと、目に見えぬ速さでパチンコを打ち的に当てる。


唖然とする私とエチカさん。


「アンリ兵士!あなたは才能がありすぎるわ!どう?本当に軍に入らない?推薦するわ!」



「私は金持ちを引っかけて贅沢に暮らすんであります!」


「アンリ…」


「潔いわね!気に入った!」エチカさんはめげない。


「何でだよ!」



私は気になる事がもうひとつある。



「チロ兵士!いい加減起き上がるのであります!」


チロが迫真の演技を続けていた。
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