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1章 国王陛下ですよね?

チロとルル②

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今日は勉強会がない日なので、チロとアンリ三人で遊ぶ事にした。チロに何して遊ぶと聞くと、必ず兵士ごっこなのだ。そしてこの日も安定に兵士ごっこが繰り広げられていた。

「行くぞ!チロ兵士!アンリ兵士!」

「あい!」

「ねぇー!あんた達はこれしかないの?」

いつもこの遊びばかりで呆れるアンリだが、二人は気にしない。

「口答えをするな!いいか!今日こそは奴を倒すぞ!」

「まけまちぇん!」

「⋯はい」

何故か匍匐前進で進む2人の後を普通に追うアンリだが、チロが遅すぎてたまに通り過ぎてしまう。

「辛いが今が耐える時だ!眠ったら死ぬぞ!」

「あい!」

「え?何処にいる設定?雪山なの?」

静かに草むらを掻き分けると標的が眠っていた。

「敵は寝ている。瀕死の状態だ!チロ兵士!今度こそいけ!」

「いきまちゅ!」

チロがパチンコを標的に向かい構える。

「卑怯だな」

「アンリ兵士!戦場に卑怯も糞もない!」

「はいはい」

チロは顔を真っ赤にしながら一生懸命に力を入れる。


ぷぅ


「⋯⋯チロ兵士」

「すみましぇん!おにゃらでしゅ!」

ルルとアンリは笑いを堪えるのに必死だ。しかも標的も笑いを堪えている。
チロはそんな周りを気にしていないのかまたパチンコを構える。標的に狙いを定めると手を放すが、やはり結果は前回と同じでした

「⋯チロ兵士!当たったぞ!見ろ、敵が震えている!」

「やりまちたー!」

「無理矢理だね⋯あれ笑ってるだけだよね?」

「よし!直接攻撃だ!突撃ーーー!」

「とちゅげきーー!」

2人はアンリの言葉を気にする事なく、手に剣のオモチャをもち襲撃をかけた。すると寝ていた標的が二人の剣を華麗に避けていく。

「お前ら声がでかいんだよ!丸聞こえだよ!」

「くっ卑怯な!チロ兵士!アンリ兵士の仇だ行けー!」

「かちゃきだー!」

「え?いつに間に私死んだの!?」

衝撃的な展開に驚くアンリ。標的のジョンさんはこれまた笑いを堪えながらチロの攻撃を避けていく。

「くそ!チロ兵士、戻れ!」

「あい!」

ルルはポケットから最終兵器を取り出そうとするが気付いたジョンさんが必死にそれを奪う。

「これは絶対使わせねーよ!」

ジョンさんが必死になって抵抗する。

「ここで終わるのか⋯なんてね!チロ兵士!」

「何!?」

ルルの後ろでチロがポケットから出したのはあの笛だった。チロはすぐに思いっきり笛を吹いた。

ピーーーーーーーー!ピーーーーーーーー!

すると何処からともなく、またおちび達が一斉に現れてジョンさんに飛びかかる。

「何なんだよ!その笛はーー!」

「よくやったチロ兵士!これでアンリ兵士は報われるだろう!」

「報われないわ!何で死んでんのよ私!」

「よし!何か食うか!」

「クッキーがいいー!」

今日もいっぱい遊びんで満足そうなチロだったが、アンリは最後まで腑に落ちなかった。



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